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nn5n: scp-3049 ゼロから作るアップルパイ
SafeSCP-3049 ゼロから作るアップルパイRate: 257
SCP-3049
pie-oven.jpg

初期回収地点で活性化状態にあるSCP-3049。

アイテム番号: SCP-3049

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-3049は標準的な安全保管室の内部に固定したままの状態を保ちます。使用していない時は熱調整ダイヤルを取り外しておく必要があります。

倫理委員会の命令によって当オブジェクトの実験は無期限に停止されています。

SCP-3049を使用、もしくはSCP-3049-1を活性化させた中で、当オブジェクトの異常性質についての知識を有している職員は、現場任務に戻る前に心理評価および/または記憶処理を受ける必要性があります。

説明: SCP-3049は、標準的な家庭用サイズのガス動力型対流式オーブンです。フレームには白い光沢仕上げが施されており、ガラス製オーブンドアとアルミ製ハンドルが付いています。SCP-3049は中央ダイヤルの下部にラベル付けされている“アップルパイ”に設定すると異常な物理効果を発現させます。

活性化状態に入ったSCP-3049は、オーブン内箱の内部にミニサイズの宇宙を生成します。この新宇宙、以下SCP-3049-1は、およそ150億年が外世界の30分に相当する超加速タイムスケールで発展していきます。SCP-3049-1はビッグバンからその死に至るまでの全てをオーブンドア越しに観測可能です。この過程を中断するためにオーブンドアを開ける、または上部のコンロを利用することは活性化中は不可能であるようです。

準プランク長規模で動作する物質に関連する複雑性は観測されていません。小宇宙内の物理法則と普遍定数は通常通りに作用しているようです。 この予期せぬニュートン物理学の連続性の理由は未だに不明です。

SCP-3049のドアを通して観察可能な知覚範囲は、SCP-3049-1宇宙の寿命を通して一定ではありません。SCP-3049は最初の星、ブラックホール、銀河の創造など、宇宙の形成および拡大の主要な進展に合わせて頻繁に倍率を調整することが分かっています。これらの知覚範囲の変遷は“映画的”もしくは“ドキュメンタリー番組の“コスモス”の一場面のよう”だと述べられています。

SCP-3049-1実例はまた[データ削除済]。

文書#3049-01: 回収ログ

フィールド工作員: エージェント レンブラント・アンダーソン

対象: ████・テイラー夫人

<記録開始>

エージェント アンダーソン: こんにちは、テイラーさん。

テイラー夫人: こちらこそ、ええと… アンダーソンさんね? レンブラントと呼んでもいいかしら?

エージェント アンダーソン: ええ、そうです、その名前で呼んでもらって構いませんよ。中に入ってもいいでしょうか?

テイラー夫人: ええ勿論、どうぞどうぞ。オーブンのあるキッチンまで案内しますから。

[アンダーソンが家屋内に入る。]

エージェント アンダーソン: どうぞ、先へ進んでください。機器が目的通りに作動していない問題があるとお聞きしていますよ。

テイラー夫人: ええ、その通りなの! きっとウチの性悪の孫とその不良友達が、悪ふざけのつもりでオーブンに何かやったに違いないわ。スクリーンと… 秘密の収納空間みたいなものを設置したんだと思うのよね。でも私はもう目がそんなに良くないから、はっきりとは言い切れないの。

エージェント アンダーソン: 具体的にはどういった所が奇妙なんです?

テイラー夫人: ええとね… 私はいつも焼く前に余熱をしておくのよ… でも近頃は、私がそうするとドアが閉まったままになって、再生が終わるまではガスを止めることもできなくなってるの。

[アンダーソンと対象がキッチンに入る。]

エージェント アンダーソン: 何の再生が終わるまでですか?

テイラー夫人: 最新の特殊効果をやたらと使った宇宙物のドキュメンタリー。ここのガラスドアに映るの… そうね、動かして貴方に見てもらった方が良いわ、ジョン。

エージェント アンダーソン: 私の名前は — いや、お気になさらず。続け — っと。ワオ。

[SCP-3049が活性化状態に入る。]

テイラー夫人: 私の言った意味が分かったでしょう? あの子たちが何をオーブンにやったか知らないけど、そのせいで今は余熱無しでしか焼けないのよ。

エージェント アンダーソン: 成程、仰ることは分かりました。ご心配なく、テイラーさん、我が社のほうですぐにオーブンを交換します。無くなったことに気付かないぐらい速やかに入れ替えると請け合います。

テイラー夫人: ありがとう、ケヴィン。

エージェント アンダーソン: 職務をこなすまでです。さて、差支えなければ、故障機器の写真を何枚か取りますから少し下がって頂いてもいいでしょうか? 保険関連の問題がありますので。

テイラー夫人: あら、勿論構いませんわ。失礼…

[対象がキッチンを離れてダイニングルームへ向かう。アンダーソンは携帯電話で活性化状態にあるSCP-3049の写真を数枚撮影する。対象がペイストリーを持って戻って来る。]

テイラー夫人: 宜しければ、アップルパイなどいかが?

エージェント アンダーソン: ああ、いや、とんでもない。

テイラー夫人: そう言わず召し上がってくださいな、ジェイコブ。焼いてる時にどうも上の空だったみたいで、元々焼き上げるはずだった量の倍も作ってしまったのよ。

[アンダーソンはアップルパイを一切れ食べる。]

エージェント アンダーソン: 有難うございます、奥さん… ム、美味しいパイですねぇ! 少し席を外してもいいでしょうか? 設置担当の連中が来たら、この製品はすぐ持っていかせます。貴方はパイ作りがお上手ですな。

テイラー夫人: 有難う! 貴方ってとても優しいのね、ブライアン。残りのパイも差し上げますわ — 丸ごと持って行って構わないの。私は普段焼き上げにガラス鍋は使ってないし、これを私にくれたのが誰であれ、また別の人に譲っても気にしないんじゃないかしら。

<記録終了>

結: SCP-3049はテイラー夫人の郊外の家から何事も無く回収された。対象のオーブンは異常性を持たない同一メーカーの物と置換された。低級記憶処理が問題なく施された。

文書#3049-02: ライリー・ケイデンス博士の“SCP-3049-1宇宙のライフサイクル”より抜粋

SCP-3049-1のライフサイクルの開始から約20分(100億年)で、SCP-3049が映し出す知覚範囲はそれ以前に観測されるパターンから逸脱し、参照フレームは形成過程の後期にある単一の星に焦点を合わせ始めます。オブジェクトの焦点が固定される星の種類は様々ですが、大部分のケースでは太陽と同じ大きさ・温度・組成の天体です。

星の形成中および形成後に、SCP-3049は徐々に画面の焦点を、その星を取り巻く居住可能ゾーンにある地球型惑星の発展に移行させます。液体の水が地表面の一部を覆うのに十分なほど惑星が冷却した後のある時点で、SCP-3049の視点は炭素ベース生命体の発展を追う内容へとシフトします。SCP-3049-1内の生命体は観測例の60%で地上性に進化します。

その後、この居住可能惑星の上には知的生命体が生じ、支配的な種となります。これらの知性体が複雑な文明の構築を開始すると、宇宙のタイムスケールは突然減速し、SCP-3049-1内での1000年が外部の1分に相当するようになります。知的生命体は技術的な進歩を遂げ、観測例の70%で宇宙に進出します。

通常この時点で、惑星上の支配種は、現実改変特性を利用した自己複製分子ナノテクノロジーを創造します。この発明を以下でSCP-3049-2とします。

SCP-3049-2は即座にエコファジー、即ち周辺環境の消費を開始し、“グレイ・グー”シナリオを引き起こして起源の惑星・恒星系・銀河を滅亡させます。ナノテクノロジーはあらゆる物質を自身に吸収しながら、宇宙の他の部分へと急速に伝播していきます。このプロセスは、SCP-3049-1宇宙の全てがガラス製のオーブン皿に収められた1台のアップルパイと化すYK-クラス世界終焉シナリオによって終了します。

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新鮮なSCP-3049-1実例。

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補遺: 報告書の提出後間もなく、ケイデンス博士は心理評価とプロジェクト移転を要請しました。

ページリビジョン: 6, 最終更新日時: 21 Mar 2018 14:08
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