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nn5n: scp-3620 鶏のデータ削除済
SafeSCP-3620 鶏のデータ削除済Rate: 111
SCP-3620
scp-3620.jpg

発見当時撮影されたSCP-3620

アイテム番号: SCP-3620

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-3620は容積1立方メートル以上の中型動物収容ケージに収容します。CO2排出量の監視を可能とするため、ケージは気密性でなければいけません。

ケージは毎日給餌前に清掃し、生成された排泄物や卵の質量を測定します。1日に与える飼料と水の量は、誤差1.5g/日の範囲で排出された質量と等しくなければいけません。

説明: SCP-3620は、遺伝子検査において約5歳の雌の家畜ニワトリ(Gallus gallus domesticus)と確認された1生命体です。習性と鳴き声はニワトリのそれと一致しており、採取された全ての組織サンプルの外観もまた同様です。

SCP-3620は、1つの図像と曲線の羅列が表示された二次元的な白い平面として視認されます。曲線は言語と仮定されてはいるものの、既知の如何なる文字とも一致しません。平面のサイズは距離に関係なく観察者の視界から同じように見えており、また視野角に関係なく観察者の視野に対して平行に見えます。SCP-3620を見た観察者のおよそ5人に1人は軽~中度の頭痛を訴えます。

実験はSCP-3620が肉体的に不変であることを示します。通常ならば質量に影響を及ぼすファクターに関係なく、対象は体重724.33gです。SCP-3620から採取された血液・引き抜かれた羽・更には丸ごと除去された身体部位といったあらゆる組織サンプルは即座に置換されます。本体から分離した質量は非異常性のように見受けられ、通常の速度で腐敗します。年齢を示すファクターは、SCP-3620が1983/07/05から財団の保護下に置かれているにも拘らず、一貫して約5歳であるという結果を導き出します。

SCP-3620によって生成・消費される物質の量は、標準的な質量保存の法則に従っているようには思われません。長期的な地球上の質量不一致を防止するために、自然に排出された/実験過程で除去された質量は同量の餌で置き換えなければいけません。

文書3620-1: 回収後インタビュー

回答者: J███ P█████

質問者: エージェント S████

序: このインタビューは、プロトコル“ORNOT”の下に行われた1983/07/05のSCP-3620回収の後に実施されたものである。エージェント S████はリプリー・エンターテインメント社のエージェントを装っている。

<記録開始>

エージェント S████: それではこの… 生き物を手に入れた経緯を聞かせてください。

P█████氏: そうだな、この子が前はごく普通の鶏だったのは確かだと考えてる。ちゃんと皆の数を数えて、この妙なのも加えると、一羽の欠けも無かったからな。だから普通の鶏らしい生まれ方でもって俺の手元に来たんだと思うね、言いたい事が分かるかな。その後で何か起きてこんな変ちくりんな物になっちまったんだ。

エージェント S████: 具体的に何が起きたか説明して頂けますか?

P█████氏: それが、俺はそいつが起きる様子も何も見てないんだよ。やかましい音で目を覚ました、ありゃまるで… オーケストラと雷を混ぜ合わせたもんが小麦の脱穀機を通り抜けていくような音だった。初めのうちは夢だと思った、目を覚ましたばかりの時ってのは大体そんなもんだろ? でも外に行ったら、どうもこいつと関わりがありそうだぞって事になった。最初はデカく見えたけど、近寄っていくと縮んでいった。実際に小さくなったわけじゃなくてさ、どれだけ距離があってもいつも同じ大きさに見えてるって感じ。でも近くに行くと、そいつはただ足元を歩き回って、何も突飛な事は起きてないって風にコケコケ鳴いてた。他の鳥たちはちょっと警戒してたけどな。

エージェント S████: この事を他にも誰かに話しましたか?

P█████氏: いやぁ、まず真っ先にあんたたち“信じようと信じまいと”ビリーブ・イット・オア・ナットの記者を呼んだとも。そちらさんじゃこの手の妙なシロモノには大枚はたいてくれると思ったんで、誰にも写真とか撮らせたくなかった。

エージェント S████: ええ、これは確かにワクワクするような品ですよ。私と一緒に来てください、我が社の購買部門までお連れしましょう。この子の買値は高く付けさせてもらいますよ。

P█████氏: そいつはいいや!

<記録終了>

結: P█████氏はクラスC記憶処理を施され、ニワトリ1羽の損失と引き換えに$10を支払われて農場へ帰った。

文書3620-2: F████████博士の遺書

最早どうでもいい。

君たちは3620が何なのか理解しているんだろう? あれは鶏ではない、イカれたバグだ。不貝合[原文ママ]。エラーメッセージ。卵をひり出す404-not-foundだ。

ならば、残る私たちを形作っているのは何なのか? 何処か高次世界のコンピュータで実行されているソフトウェアだ。私たちはシミュレーションに過ぎない。もう何もかもどうでもいい事だ。

Control alt delete.

—ダン

文書3620-3: ダニエル・F████████博士の死後行われたシャーリーン・M████博士へのインタビュー

回答者: シャーリーン・M████博士、SCP-3620主任研究員

質問者: エージェント R███████、内部審査委員会

序: 20██/04/12、次席研究員のダニエル・F████████博士は、オフィスから一見して自殺と思われる状態の死体となって発見された。検死解剖で、注射麻酔薬を大量に過剰摂取していたことが明らかになった。自殺がSCP-3620の“Safe”分類を変化させる何らかの要因を指し示しているか否かを断定するため、分類の見直し調査が実施された。

<記録開始>

質問者: F████████氏について何かご存知ですか?

M████博士: そうですね、“博士”ではなく“氏”呼ばわりされたら腹を立てただろうという事は分かります。

質問者: 失礼しました。F████████博士について。

M████博士: 構いませんよ。彼はチームの中でもまだ新人でした — 実は大学院を出たばかりでして — ここは彼の最初の配属先だったんです。我々が進めていた仕事は、スポンジィを—

質問者: (話を遮る) すみません、“スポンジィ”とは?

M████博士: ああ。まぁ何ですか、我々が付けたSCP-3620の綽名ですよ。スポンジィ。データ削除済エクスパンジドの略です。感情移入は控えるべきだと分かっていますが、何年も生命あるオブジェクトに取り組んでいるとそれも難しいですし、率直に言って“SCP-3620”は些かまだるっこいので。

質問者: 成程。続けてください。

M████博士: 我々が進めていた仕事は、スポンジィを食料供給源として活用し得るかを探るものでした。あの子は基本的には鶏ですから、翼や脚をもぎ取ったり胸肉の塊を切り落としたりすれば、それはごく当たり前の鶏肉です。そしてどれだけ肉を削いでも新しい部位がすぐさま生えてくる。しかし物事のバランスは保たなければならない。“バッファローウィングを欲しがり過ぎたせいで余剰質量が地球軌道を歪める”なんてXKが起きたら恥ずかしいにも程があるでしょう?

質問者: 全くです。

M████博士: なのでダンは、私がより高密度の飼料を作り、あの子に1日あたりどれだけの量を食べさせられるかを測定する手助けをしていました。すると、彼は突然手を止めて、遠くを見るような目つきになったんです。そして、自分はオフィスに戻らなければいけないと言いました。それが彼を見た最後です。きっと、私が最後の目撃者でしょう。

質問者: 給餌プロトコルが何らかの効果を引き起こしたという可能性は?

M████博士: まず有り得ないでしょうね。あの事件の後、私たちは数人のDクラスで再現を試みましたが、いずれも問題ありませんでした。

質問者: では、貴方のプロとしての意見をお聞きします。F████████博士の自殺がSCP-3620によって齎された異常効果によるものだとお考えですか?

M████博士: いいえ。少なくとも、ミーム的・テレパシー的な効果ではありません。私は個人的にこのオブジェクトを3年間研究してきました。SCP-3620は80年代から収容されていて、今回のような事案が起きたのはこれが初めてです。職員はここの奇妙さに少し鈍感になっていく傾向がありますけれど、ダンのような新人にとっては… 我々はEuclidやKeterを恐るべき存在だと考えるあまり、所謂“Safe”のSkipも人の世界観を完全に破壊できることを忘れがちになるようですね。

<記録終了>

注: 再分類委員会の投票で、SCP-3620の現在の“Safe”分類は維持されることが決定した。

ページリビジョン: 4, 最終更新日時: 28 Jul 2018 07:43
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