nn5n Foundation
Branch of SCP Foundation
nn5n: scp-2470 虚無の特異点
KeterSCP-2470 虚無の特異点Rate: 75
SCP-2470

アイテム番号: SCP-2470

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: 封じ込め支援のため、発見地点にはエリア-141が確立されています。SCP-2470の極めて危険な性質と、終末論的かつ神秘主義的な運動や宗教団体からの潜在的脅威が存在するため、現地職員はオブジェクトを封じ込めること、ありとあらゆる外部の脅威からエリア-141を保護すること双方に責任を負っています。

エリア-141本部の中央封じ込め区画は、底面直径55メートル、天井面直径42メートル、高さ36メートルの双曲面構造となっています。壁と床は二重構造とし、外壁は厚さ4.5メートル以上の高密度プレストレストコンクリート、内壁は厚さ1.5メートルの特殊な“アダマント”ブランド高合金鋼(プラント-45にて生産)で構成してください。封じ込め区画には、2セットのクラスVI防爆扉を備えた作業用エアロックと速硬性素材による緊急封止システムが設置されています。

封じ込め区画の中心部には二重の正二十面体型金属殻が設置されており、各金属殻の外接球の直径はそれぞれ8メートルと12メートルです。金属殻は二段式サスペンションによって支え、その外側には超伝導ケーブルによって、5センチメートル以上の隙間のないファラデーケージを構築してください。

高負荷に耐えるターボ分子ポンプを稼働2基、バックアップ6基で運用し、封じ込め区画の高真空を維持してください。外壁と内壁の間は、高速モードで1時間以上の動作が可能なロータリーポンプを稼働4基、予備4基で運用し補助真空空間としてください。毎週ポンプの保守点検を行い、2ヶ月ごとに予防的な交換と定期メンテナンスを行ってください。

エリア-141への電力供給は2系統以上の外部電源に加え、許容発電量に少なくとも100%の余裕のある独立した発電システムを稼働1基、予備1基で運用してください。

中心部の2つの金属殻は寸法を除いては同一の構造で、共に1.5センチメートル厚で三角形のチタン板20枚を鋼鉄製の骨組みに取り付けた構造となっています。2つの金属殻の間の空隙を最小とするため、殻は対応する辺が平行となる位置関係に調整されています。各金属殻の板の一枚は、ハッチとして機能するように外側からのみ開閉可能なものとしてください。骨組みは120ボルトの安定化電圧源に接続して継続的に通電してください。

金属殻の内側は、通電により発光し停電時にも20分間は燐光を発する化合物で覆われています。様々な色の化合物により、あるミーム活性を持つ視覚的表現物が構成されています。これは知覚した時点で一般的な知覚過程を不可逆的に破壊する、“ヴァイスシャッテン知覚阻害型超次元パラドックス”と呼ばれるものです。同様の画像を描いた板が外側の殻のハッチの後方にも設置されており、これは内側の殻が損なわれた状態で外側の殻のハッチを開いた際に、殻の幾何学的中心から3メートル以内の視界を遮るような配置となっています。少なくとも2週間に一度、金属殻に損傷がないか点検してください。

封じ込め区画内部には次の装置も備えられています。

  • 自動デコヒーレンス生成装置12基(特殊製品2470-a)。
  • “ヌル-ヴェール”生成装置23基(特殊製品2470-b)
  • SCP-███を用いて作成されたテレパシー抑制装置1基(特殊製品2470-c)

以上の全装置には予備の在庫を確保しなければなりません。在庫が減少している場合、交換用の装置は要請に最初に対応する財団施設において最高優先度で可能な限り早く生産されます。操作手順は各装置に付属するマニュアルにおいて解説されています。

封じ込め区画内でのあらゆる作業は、適切な訓練を受け認定試験を通過したグレードIVの技術者3名以上で行われます。

中央の金属殻の外で行う必要のあるあらゆる作業は、光ファイバケーブルで遠隔操作されるロボットを用いて行うことが推奨されます。人間の介入が必須となった場合、職員は光ファイバ通信装置を備えた全身スーツを着用して作業しなければなりません。封じ込め区画内ではあらゆる無線機器の所持と使用が禁止されています。

金属殻内部の検査は特殊な“ディゾナンス”全身スーツ(特殊製品2470-d)を着用した人物によってのみ行われます。スーツには以下の装備が含まれています。

  • スーツ外表面の100%を覆う“ヴァイスシャッテン・パラドックス”ミームエージェント表示システム。
  • HUDに組み込まれたスペクトル補正システム。金属殻内側の発光化合物が放射する波長に合わせ特定の色を抑制することで、ミームエージェントを知覚しても安全なものとする。
  • 金属殻の幾何学的中心から3メートル以内の領域の映像を遮断する、高精度慣性制御を備えた空間画像フィルタリングシステム。
  • 予め設定された時間のカウントダウンを音声によって行う計時装置。

金属殻の内側と外側の間で何らかの形の通信を行うことは禁止されています。殻内部のスタッフ間の通信は一連のハンドサインを用いて行われます。

金属殻内部の定期検査は次の手順に沿って行われます。

  1. 計時装置の同期(封じ込め区画に入る直前に行ってもよい)。
  2. 慣性制御システムの補正。誤差の蓄積を避けるため外部金属殻ハッチの正面で行うべきである。
  3. 画像フィルタリングシステムの起動とミームエージェント表示の開始。
  4. 外部金属殻ハッチを開放し、35分間のカウントダウンを開始する。2名の担当者が外殻に入り、3人目は外部からハッチを施錠する。
  5. 内部の2名のうち、1名は外殻の内側、もう1名は内殻の外側を点検する。規定時間は15分。
  6. 手順5を終了した担当者は、残時間を考慮して内殻に入るかどうか決定する。入らない場合は手順10に、入る場合は手順7に進む。
  7. 内殻のハッチを開ける。15分のカウントダウンを開始。1名の担当者が内殻に入り、もう1名はハッチを外側から施錠する。
  8. 内殻内部の担当者は殻の内側を検査する。殻の幾何学的中心から3メートル以内の領域に接触してはならない。規定時間は15分。
  9. 手順8の結果にかかわらず、内殻ハッチ外側の担当者は15分のカウントダウン終了時点で離脱準備を始める。カウントダウン終了時点で内殻ハッチを20秒のみ開放し、その後は状況にかかわらず閉鎖して施錠する。
  10. 35分のカウントダウン終了時点で、2名の担当者は外殻ハッチ近くで待機する。外部の担当者はカウントダウン終了時点で外殻ハッチを40秒のみ開放し、その後は状況にかかわらず閉鎖して施錠する。
  11. 封じ込め区画を離脱し、オペレータへ状況と進捗を報告する。手順が完全に行われなかった場合、別のチームが2度目の検査を準備する。2度目の検査では、以前の検査の進捗にかかわらず全手順を実施する。

時間内に金属殻からの離脱に失敗した担当者は任務中死亡とみなされ、いかなる状況においても救出作戦は試みられません。以後の検査においてこの担当者が発見された場合、殻の内部から除去され直ちに医療スタッフの下で再拘留されます。医療スタッフ以外のいかなる担当者も、対象のスーツを脱がせることや医療行為を行うことは禁じられています。

外部世界の情報がオブジェクトにより知覚可能な形(概要を参照)で金属殻内に送信された場合、たとえそれが知覚されなかったとしても、この事態を封じ込め違反に分類して直ちに送信を中止してください。対応に必要な場合はいかなる担当者でも終了することが許可されています。しかし、例え通常の封じ込め状況からの逸脱があるとしても可能な限りの恒常性を維持する方が、オブジェクトの周辺環境が頻繁に突如として変化するより望ましいということを心に留めておくべきです。このため封じ込めの回復は、確実で持続可能な結果を保証する、結果を予測可能な作業によって行われるべきです。

封じ込め区画の主要部に空気が流入した場合、過負荷を避けるために全てのターボ分子ポンプを停止してください。全てのロータリーポンプを高速モードに切り替え、回復作業中は可能な限りの速度で運転を続けてください。封じ込め区画の大気圧が1ミリバールを超えた場合、全ての操作を静音モードで行ってください。

中央の金属殻のいずれかに目に見える構造的損傷が現れた場合、その金属殻は修復不能と見なされます。代わりに、外殻が無傷の場合には現在の外殻より直径が2メートル大きい金属殻を、外殻と内殻の双方が破損した場合にはこれに加えてさらに2メートル大きいもう一つの金属殻を周囲に建設してください。新たな金属殻が稼働を開始した後に、古い殻は分解除去して再溶融してください。封じ込め区画の現在の寸法ではこの手順を5回行うことが可能です。このため、4回目の殻の破損の際には、サイト職員は上記の再封じ込めの後に封じ込め区画の拡張作業を開始してください。

双方の金属殻に重大な損傷が及び封じ込め区画の破損が避けられなくなった場合、プロトコル2470-アルファが開始されます。特別ホットラインを通じて、直ちに最高司令部に状況を通知しなければなりません。あらゆる封じ込め復旧手順に先立って、封じ込め下で「Safe」または「Euclid」に分類されているオブジェクトのうち利用価値の低いものを区画内に搬入してください。特に、異次元に由来するもの、情報災害または認識災害的特性を持つもの、破壊時に自己複製するもの、非常に複雑な構造を持つものが好ましいと見なされています(承認済みSCP一覧を参照)。

この措置は、上記のオブジェクト群の独特な性質によって基底現実の法則と性質に関する重要な知識を与えないようにしながら、オブジェクト群の複雑さと矛盾点の完全な分析に時間を取らせることでオブジェクトの破壊的影響を緩和できると予想されています。オブジェクト同士の接触に付随するリスクは正当なものであると見なされています。現在、承認済みSCP一覧の中のいくつかのオブジェクトをエリア-141施設内に恒久的に展開することが検討されています。

BI(被侵略直前)、TCF(完全封じ込め失敗)クラス事象、または何らかの局所的要因がエリア-141の安全を直接的に脅かしている場合、SCP-2470の無力化のためにプロトコル2470-ベータが開始されます。4名の実行者(主担当2名、バックアップ2名)が承認済み一覧の中から選抜されエリア-141に輸送されます。この実行者は説明を受け、Dクラス職員を用いた訓練手順を通過しなければなりません。その後、主担当とバックアップのペアは手順開始の通知に備えて5分交代で待機します。これはプロトコル2470-ベータがO5評議会からの直接指令により中止されるまで継続してください。

最高司令部からの命令がなされた場合、または状況の突発的な悪化に加えエリア本部との通信が途絶えた場合は、エリア司令部の責任の下で無力化手順が実施されます。この成功が確認されたなら、実行者(4名全員)とエリア-141に存在する全Dクラス職員は終了され、SCP-2740に関する全文書は破壊され、エリア-141は撤退作戦の後に熱核兵器で破壊されます。

封じ込め手順は極めて複雑なものですが、オブジェクトの無力化は真の最終手段であり絶対的に必要となるまで回避されるべきです。このためプロトコル2470-ベータが開始されるまで、実行者として適格な人物の一覧はエリア-141に持ち込まれるべきではありません。

封じ込め手順の複雑さと、過失により生じうる損害が許容できないものであることから、エリア-141には封じ込め区画の全般的なシミュレーションを目的として訓練施設が設立されています。封じ込めに関わる全職員は、レベル3クリアランスを有する認可された担当者の監督下で定期訓練を行い、少なくとも月に一度の認定試験を受けてください。他の非定型的な作業や手順に関しては、訓練過程でのシミュレーションを終えリハーサルで100%の成功率を達成したもののみを実施できます。この規定の例外は、極めて時間的に差し迫った状況下においてエリア管理者が非公式に命令するもののみが許容されます。

医療スタッフは封じ込め区画に入る前の作業グループに対して身体検査を実施し、毎月エリア-141の全職員に対して検査を行ってください。各メンバーはエリア-141に配置される前に、レベル4クリアランスを有する担当者の同伴の下で機密文書2470-x(添付)をに目を通して理解し、署名をしてください。

封じ込め区画への進入に伴う多数の必須で重要な手順(全身スーツの着用とその点検、4枚のエアロック扉の通過、多数のシステムの誤差補正、大きな時間的プレッシャーを受けながらの金属殻内での作業など)によって大きな精神的負荷がかかることから、職員の精神的健康に特別な注意を払うことが必要となっています。封じ込め区画に割り当てられた技術者は追加で休暇を与えられるべきです。

現在、SCP-2470に関するありとあらゆる研究は禁止されています。以前に回収された情報アーカイブを分析目的で利用する際には、クリアランスレベル3以上の担当者の許可に加え、O5評議会に属する2名以上からの直接の承認が必要です。

オブジェクトの出現や関連する事象に関わっていると疑われる宗教団体のメンバーが未だ存命で逃亡中の可能性があるため、エリア-141は攻撃の脅威に曝されていると見なされます。この教団が自由に動かせる大きな戦力を保有していると考える根拠は存在しませんが、彼らがオブジェクトに関して保有する情報は潜在的に、他の危険な過激組織の関心を引きつけて支援を得ることが可能なものです。このため機動部隊█-██と█-██はその主要任務の他に、終末論を唱えるあらゆる団体の活動監視を任されています。また、彼らは過激なフロント組織や宗教団体を設立することによって積極的に教団員との接触を図ることになっています。

説明: SCP-2470はある種の実在に関する実体、または知覚的な原理であり、客観的な観点では初期発現段階にあるZK-クラスシナリオです。対象を知覚することに関して克服不能の障害が存在するため、オブジェクトの外見は仮に存在するとしても不明のままです。その現在位置は生成される効果範囲に基づいて間接的に決定されます。

この作用は、SCP-2470によって知覚されたあらゆる物体や事象が客観的実在から直ちに消失する、という形で現れます。まず第一に、オブジェクトはその感覚によって最も直接的に知覚できる対象にこの作用を及ぼします。その後、オブジェクトは知識の蓄積に伴って対象の性質を抽象的に理解して一般化し、作用を現象の直接的な、さらには間接的な原因にまで及ぼします。

例えば、初期回収作戦中の次のような事象が注目されます。まず、空気の振動が停止したために数名のエージェントの足音(このエージェントは煙幕の陰に隠れていました)が消失し始めました。直後に大量の空気が自発的に消失を始め、急減圧が引き起こされました。続いてこれらのエージェントの足が消失し、最終的にエージェント全員の全身が完全に消失しました。同様の過程を経て、まずは上記の個々の煙幕から分離していた煙の塊が消失し、これはすぐに全ての煙に及びました。その後、作戦地域に存在した全ての起動中の煙幕弾にも作用が及びました。最終的に、オブジェクトの知覚範囲内かどうかにかかわらず、作戦地域に存在した特定種類の煙幕弾全てが消失することとなりました。

土壌の消失により、発見地点には深さ200メートルを超えるクレーターが形成されました(オブジェクトは消失した以上の量の土壌が視界に入ることに混乱し、消失過程を減速させたのだと思われます。地球を有限の大きさを持つ実体として認識できなかったものと考えられています)。大気の消失は継続しており、大気圧の低下によって作戦地域には暴風を伴う定常的な竜巻が形成されました。

いかなる現象に関しても、その背後にある原因について一般化を行うことは必然的に抽象的な概念を扱うことにつながり、最終的には宇宙自体の存在を推論することにつながります。このため、SCP-2470は潜在的ZK-クラス災害に分類されています。

収集されたデータの分析によると、オブジェクトは次の感覚を持っていることが確実視されています。

  • 極めて広い周波数帯に及ぶ電磁放射の知覚。これは可視光域を含み、視覚に類似したものである。
  • 機械的刺激に対する極めて鋭敏な知覚。これは触覚や聴覚に類似したものである。
  • [データ削除済]の知覚。

合理的な観点から、オブジェクトは次の感覚も有すると推論されています。

  • 非常に限られてはいるが、直接的なテレパシー知覚。
  • ある種の量子作用の知覚。特に、ある種の特殊な現象としての量子的重ね合わせ状態の知覚。

量子作用に関する仮説は、[編集済]の間に発生した事象や、オブジェクトを直接知覚する試みの間に(少なくとも)測定装置や人間の感覚器官に被害や消失が発生したことと関連しています。これは、知覚作用には必然的に波動関数の収縮が伴い、これをSCP-2470が知覚可能であるらしいことに関連しているようです。

さらに、この仮説と[データ削除済]の結論を組み合わせることで、オブジェクトがどのように「ヴァイスシャッテン・パラドックス」への曝露を避けているのかに関する説明が得られました。SCP-2470はミームエージェントの性質に関する観念を持っていなくとも、現時点とごく近い未来の間の量子もつれ状態からその被害を予期することが可能で、この情報に基づいてその知覚を拒むことが可能となっているようです(比喩的に言えば「目を閉じている」)。しかし、█年間の封じ込めを経てなおこの手法が未だ唯一の封じ込め手段であるという事実は「パラドックス」を用いることの妥当性を示しており、オブジェクトの感覚を迂回して破壊的ミームを強制的に接種する、という無力化手順の開発はこの手法を押し進めることで可能となったものです。

[以下の情報は一般的なアクセス権限から除外されています。削除は保留中です。アクセスにはレベル4クリアランスが必要です。]

SCP-2470を知覚力を持つ実体と見なすのは正しくないとする別の仮説も存在します。これは、その定義上ZK-クラスシナリオは現時点の現実に関するいかなる知識も残さず、そのような知識を有しているいかなる実体も存在できないことは言うまでもないと考えられるからです。この仮説は、ZK-クラスシナリオの要因はかつて考えられていたようにオブジェクトの中にあるのではなく、その外側の世界に存在するのだとしています。オブジェクトが現実からその断片を引き裂いているのではなく、SCP-2470と十分に強い因果的関連が確立されると即座に、現実自体がこれらの断片をより相応しい場所であるSCP-2470――満たされることのない「非実在」――の中へと放逐しているのだと説明されます。

オブジェクトの真の性質としての「非実在」は、その知覚に成功する度にその結果として生成されます。「非実在」は経験的に単一のものだと考えられるため、これはオブジェクトの一部が情報媒体または知覚者の精神に出現することであり、対象は直接的に破壊されます。この仮説の下で、これは上で述べられたような知覚に関する作用を説明することが可能です。

この観点からすれば、オブジェクトの認識作用は宇宙の「忘却」特性に相対する二元論的立ち位置が引き起こす単なる錯覚にすぎませんが、この影響によって生成される仮想的な「認識子」3を現実の認識によって生成されるものから区別することは不可能であるようです(さらに言えば、「現実」や「客観」という概念は卑近なものであり、この文脈において適用することは困難です)。オブジェクトが「ヴァイスシャッテン・パラドックス」を知覚できないこともこれによって説明可能ですが、この説明では、オブジェクトはその知覚を拒絶しているのではなく原理的に知覚が不可能なのだと考えられます。この観点からすると、開発された無力化手順の有効性は非常に疑わしいように思われます。

回収記録: オブジェクトの異常活動に関する最初の報告は、20██年██月██日、██:00頃に[編集済]地域の安全監視を行っていたFBU“Avialesookhrana”4の航空監視員によるものでした。パイロットは幅広く深い穴を中心として森林が大規模に消失している領域の存在を報告し、その後すぐに通信は途切れました。この報告はロシア教育・科学省に潜伏するエージェントに傍受され、█個の機動部隊が編成されて偵察作戦が行われました。

当初、オブジェクトは何らかの小型ブラックホールに似た性質を持つとする仮説が立てられていました。しかし初期の分析によってこの観点は否定され、異常存在の真の性質が明らかになりました。封じ込めや無力化のために[データ削除済]などの様々な手法が試されましたが成功せず、無力化のために「ヴァイスシャッテン・パラドックス」の使用が提案されました。この試みはある程度の成功を収め、無力化には至りませんでしたがパラドックスの担体はオブジェクトの作用に耐性があることが発見されました。不成功に終わった複数の試みの後に財団はSCP-2470の捕獲に成功し、現在の封じ込めプロトコルが開発されました。作戦全体を通しての職員の損失は███名でした。

█████博士の報告書からの抜粋:

無力化を目的とした初期の試みの一つに、注目すべきエピソードがあった。エージェント・███████の提案によりオブジェクトの視界に鏡が置かれた時だ。論理的に考えて、自身の像を知覚したオブジェクトは無力化されるように思えた。しかし、鏡に映った他の物体はその作用を完全に受けたのにもかかわらず、オブジェクト自体には何の変化もなかった。代わりに、同様の大きさの物体より12秒長く時間がかかったが、オブジェクトは鏡を破壊した。また、オブジェクトが既に█年間、自己認識の作用による自己破壊を受けていないことは明らかだ。これを合理的に説明するものとしては次の仮説が考えられる。

  • オブジェクトはその作用を選択的に及ぼすことができるか、受動的な耐性を持っている。
  • オブジェクトは自身を認識できないか、それを避けている。
  • オブジェクト自体が認識できない。
  • 認識されたオブジェクトの特徴そのものがオブジェクトである。オブジェクトに対するいかなる認識もその複製を招く。オブジェクトの分割不能性のため、これはオブジェクトが拡大していることと同義である。

最後の仮説は[データ削除済]精査が必要だ。

後に収集されたデータによると、初期発見地には少なくとも80年代後半に放棄された██████という小さな村が位置していました。しかし異常存在の出現の数年前、この村は未知の過激な終末論的宗教コミュニティのメンバーによって占拠されました。彼らの活動の証拠は不完全で矛盾を含むものですが、[データ削除済]であることが示唆されています。

補遺1:

関係者各位
エリア-141司令部が私に通知してきた所によると、君達の間でいくつかの共通認識が形成されているようだ。それで私は、SCP-2470に関する我々の方針の特殊性について説明しておいた方がよいと考えた。

その通り。確かにこのオブジェクトは君達に伝えられているほどに、またはそれ以上に危険なものだ。これまでのところで唯一の救いは、オブジェクトの精神が未だ胎児の状態にあり、我々が明らかだと考えている多くのことを理解できないということだ。風を感じていなくても空気は確かに存在し、それは虚無ではない。地球は有限の大きさの天体であり、太陽は地平線に輝く平たい点ではない。個々人はそれぞれ全く異なっているが、全て人類という種の代表である。というようなことだ。

その通り。いかなる犠牲を払ってもオブジェクトは完全に隔離しておかなければならず、最も価値の無い情報の送信すら許してはならない。オブジェクトの学習速度は非常に速く、一粒程度の知識なら空間、時間、無限、宇宙の観念を発見するヒントにならないと断言することはできない。

その通り。そのようなオブジェクトの封じ込めには危険と困難が付き纏う。そして、その通り。我々はその無力化手順を保有している。ではなぜそれを行わないのか?

それは、封じ込め自体に大きな戦略的価値があるからだ。重要な点は、このテーマに関する研究から2つのZK-クラスシナリオの同時発生は原則的に不可能だと判明していることだ。それ故に、我々がその一つを封じ込め続ける限り、より制御が難しい可能性すらある他のシナリオは発生しないと保証することができる。

実際のところ、このオブジェクトが許容可能なコストで封じ込め可能な形態を取っていて我々は非常に幸運だったのであり、そのような機会を失うことは賢明だとは思えない。それ故に封じ込めは可能な限り継続される。無力化が検討されるのは、オブジェクトの脅威が将来にこの方針を継続する全ての見通しを、まさにその将来と共に絶つほどに肥大した時のような極端な場合のみだ。

いついかなる時も、君達の仕事は人類の存続を保証するためなのだと理解していなければならない。この原則に従うことだ。

確保、収容、保護。

敬具、O5-█

補遺2:

この手順は、████・スケールで9ポイント以上の評価を受けた2名のテレパシー能力者を用いて行われます。対象は2470-空間認識試験で良好な結果を得ることと、視覚や色覚に異常がなく以前にそのような状況に曝露されたこともないことが必要です。現在、一覧には██名の個人が掲載されています。具体的には

[データ削除済]

プロトコル2470-ベータの開始直後には予備的措置として、内側の金属殻の破損時に行われる手順と同様の手法で、外側にもう一つの金属殻が建造されます。

実行者にエリアの真の目的が知られてはならず、エリアはテレパシー研究センターであり、手順は実行者の能力を試験するためであるというカバーストーリーが厳守されるべきです。また、2名の実行者に互いの存在が知られてはならず、この条件に違反したならば即時終了の後に新たな候補者が選択されます。

無力化手順は、改変された「ヴァイスシャッテン・パラドックス」を用いて行われます。これはパラドックス画像を2つの部分に分割したもので、別々に知覚するならば安全なものです。実行者の任務は、分割された画像の一つを記憶し、ライブ映像によって提示された金属殻の中心に位置する実体の精神にそれを同時に植え付けることです。起動中のテレパシー抑制装置2470-cは実行者が実行を許可される5秒前に停止され、15秒以上25秒以下の範囲で停止状態を維持されます。手順のリハーサルは現地の訓練施設においてDクラス被験者を用いて行われます。実際の手順に移る際には、実行者が少なくとも3回連続してリハーサルに成功することが必要です。実際の手順を実施する際には、実行者にそれがリハーサルではないことを知られてはなりません。

手順の実施後、内側の金属殻への通電を30分間停止することで第一の検査が行われます。金属殻に電気的特性の変化や構造的な損傷の徴候が現れなければ検査は合格と見なされます。第二の検査は視覚的に行われ、保護スーツを着用した担当者が内側の金属殻に入って空間画像フィルタリングシステムを停止します。この手順に成功したならば、金属殻の中にはもはや何も存在していないことが確認できます。

補遺3: 文書2470-x

この文書はエリア-141の医療スタッフのみを対象としたものです。内容を漏洩した者は終了されます。この文書の内容に関する知識を示した他の担当者は(適切な懲戒処分の後に)Aクラス記憶処理を受け他の財団施設に転属となります。

エリア-141の医療スタッフは職員の定期健康診断において、心理状態の評価に特別な注意を払ってください。過酷な労働条件から自然発生する障害を除き、次の一連の症状の発見に特別な努力が不可欠です。

  • 繰り返される夢。脈打ちながら成長する観念的な黒い塊を特徴とし、検査対象はこれをSCP-2470と認識している。
  • この直後(一週間以内)に発生する、夢の完全な停止。
  • 感情の平坦化、徐々に増大する周辺状況への無関心さ、刺激への反応の画一化。
  • 異常な好奇心を持って、見慣れた物体を繰り返し長時間見つめる行為。

2週間連続して夢を見なかった場合、これは勾留と隔離に値する十分な理由と見なされます。隔離措置には、評価に関与していない医療スタッフとの対話の完全な停止が含まれます。

診断を信頼できるものとするため、職員との信頼関係を構築して維持する必要があります。現状の気晴らしと心の安寧を目的として、心理検査の予備段階となる、夢に関する定期的な話し合いを実施する提案を行うことが推奨されます。悪夢への関心の高まりは、その裏にある緊張と抑圧された恐怖の手がかりとして理由付けることが可能です。

封じ込め区画や金属殻の中での手順に関与している担当者、特に何らかの理由で殻内で予定外の時間を過ごした担当者に対して、上記の診断は最優先で行われる必要があります。後者は直ちに隔離され、2週間以上の徹底的な検査を受けるべきです。外側の金属殻の中で1時間半以上、または内側の金属殻の中で1時間以上過ごしたあらゆる人物は、現状にかかわらず検査に不合格と見なされます。

全ての不合格事例は可能な限り早く処理されるべきです。症状を示す担当者は些細な外科手術と偽って人工的昏睡状態に置き、Dクラス用記憶処理サイクルを2回施します。これに続き、担当者は神経毒の注入により安楽死させられ火葬されます。他の職員には、この担当者が健康上の理由により解任され他の財団施設に移送されたことを暗示するカバーストーリーが公布されるべきです。

あなたは、内部保安部門の現場担当官から上記の活動に関する指示を受けることになっています。

ページリビジョン: 2, 最終更新日時: 12 Jan 2017 22:28
Unless otherwise stated, the content of this page is licensed under Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License

Privacy Policy of website