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nn5n: scp-2933 ミスター・おっかない
EuclidSCP-2933 ミスター・おっかないRate: 74
SCP-2933
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SCP-2933-1

アイテム番号: SCP-2933

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 如何なる状況でもSCP-2933-1への入場は許可されません。月1回、小型の自動化された監視ドローンをSCP-2933-1へ投入し、SCP-2933-Aの評価を行います。

説明: SCP-2933-1は塩水貯水池の内部にある、部分的に水没した鋼の建造物です。SCP-2933-1の外装および内装は非常に激しく錆び付いているか劣化しており、一部は完全に崩壊していると共に、構造的欠陥が広がっています。現在、SCP-2933-1はSCP-2933-Aを収容するために設計されたと考えられています。

SCP-2933-1の内部は迷路のように入り組み、矛盾した構造を見せています。通路の変化・移動・完全な消失が観察されています。SCP-2933-1の重度の不安定化や腐食が、この主要機能を妨げている様子は見られません。現在、SCP-2933-1の全ての通路はSCP-2933-Aに至る物であり、入り口に帰還する術は無いと考えられています。

SCP-2933-Aは、SCP-2933-1の最下層に居る正体不明のヒト型実体です。SCP-2933-Aの外観や性質については殆ど知られていません。

補遺2933.1: 転写ログ

以下の音声およびビデオログは、SCP-2933-1探査のため派遣されたD-13321により収集された。


D-13321: よっしゃ、聞こえるか?

司令部: ああ、聞こえるとも。入口が開いているから、そこへ進んでくれ。

D-13321: 油みてぇな匂いがするぞ。さては安全じゃねぇな?

司令部: 入口へ進んでくれ。

D-13321: 了解。

D-13321が、以前に現地の財団エンジニアが開いた第一アクセスポイントから、SCP-2933へ入場。

D-13321: ほとんど何も見えねぇ。暗い。

司令部: 必要なら、君のパックにライトが入っている。

D-13321: オーケイ。よし、今は見える。壁は金属だな、床が格子で、これも金属だ。見えるか?

司令部: 見える。物音は聞こえるかね?

D-13321: ああ、本当に微かにだがな。何処が音源だかはっきりしない。

司令部: D-13321、声に力が無いぞ。大丈夫かね?

D-13321: アンタは感じてないのか?

司令部: 何を感じるって?

D-13321: 何かヤバいもんが此処にはある。はっきりこれと言う事は出来ねぇんだが、間違いなくある。予感みてぇな感覚が、壁ん中に組み込まれてるような感じだよ。

司令部: 君は、以前の割当では何ら問題を表明しな-

D-13321: それは他の割当じゃ、俺はヤバい状況から抜け出せるといつも感じてたからだ。今回は何かが違うんだよ。

司令部: 承知した。先へ進んでくれ。

D-13321は主廊下を下っていく。通信はSCP-2933-1の構造に妨げられているが、D-13321は困窮する様子を見せない。

D-13321: さっき聞いた音の話をしたっけか? 俺は、あれは金属と金属が触れ合う音だと思う。何かを砥いでるのか、削ってるのかだ。

司令部: もっと具体的に説明してもらえるかね?

D-13321: うまく言えないんだよ、此処の反響音はマジで酷いんだ。でも、連続した音なんじゃないか? 単に俺がそう思ってるだけかもしれんがな。

司令部: 成程。D-13321、通信が途切れつつある。出来るだけ早く地上に帰還してくれ。

D-13321: 暫くそうしてる。此処から抜け出す方法は無いと思うぜ。スタートに向かって下ってきた廊下は行き止まりだったし、上の階に向かう階段もない。下っていく道しかない。肌も剥がれ始めてるんだ。触ると錆びてて、金属質で、はらはら零れてきやがる。

司令部: 大丈夫か?

D-13321: ああ。この仕事をしばらく続けてきたんだ、大将。これまで十分長い間、運に恵まれてきたが、とうとう俺の番が来たってだけさ。音声とカメラはオンラインで残しとく。

司令部: ありがとう。済まない。

D-13321: アンタが謝ることじゃない、こういう事になっただけだ。ただ伝えてくれないか、[余分な会話データは消去されました]

D-13321は下降し続けている。モニターは、気温の上昇と、空気中に高濃度のガス状汚染物質があることを示している。さらに1時間後、D-13321は息を吐くために立ち止まる。司令部は最早D-13321と通信できないが、音声を受信し続けている。

D-13321: クソッたれ、暑いぞ。何かを砥ぐ音も聞こえる、どこか俺の下の方だ。金属と金属。さっきも言ったが、この音は大きくなって来てる。俺の肌も今やボロボロだ。そこら中から錆が落ちてて、酷い火傷がある。顔にまで広がり始めてるんだ。

D-13321: あの音はもう、金属同士の音だとは思わない。何か他の物がそこにある。正しい響きじゃない。

D-13321: 今は、長い通路にいる。この部屋はデカいな。音はやっと聞こえる程度だ、かなりうるさい。例の同じ忌々しい音だ。

D-13321: マジかよ。

何かの動く音。

D-13321: 人がいるぞ。

別の音声がD-13321のマイクに拾われる。声は聞き取れるが、著しく歪み、金属質である。

SCP-2933-A: や-やぁ! 私は ― (SCP-2933-Aの叫び) ― いや、その、取り乱して済まないね。

D-13321: アンタ、何者だ?

SCP-2933-A: 私? 私の名はミスター・えがお ― (SCP-2933-Aの呻き声と、大きく金属質な音がマイクに拾われる) ― 失礼、ただ、ど-どこもかしこも痛むもんでね、酷いもんだ、ええ? そう、ミスター・えがおだよ。ほら、この、この私の足に書いてあるだろう?

D-13321: 書いて ― (D-13321の咳) ― 書いてあるな。“ザ・ファク-

SCP-2933-A: あ、ちょ-ちょっと待ってくれ。

SCP-2933-Aが自身の足から錆を削ぎ落とす。カメラは辛うじて、SCP-2933-Aが皮膚を露出させる前に、錆に「ザ・ファクトリーの資産、ミスター・おっかない」と記されているのを映し出す。

SCP-2933-A: ほら、えー、完了だ! こ-これで大分良くなった。そうだ、ミスター・えがお! 私のことだ!

カメラはSCP-2933-Aの足に「リトル・ミスターズ®の一員、ミスター・えがお by ワンダーテインメント博士」という言葉が入れ墨されているのを映し出す。

D-13321: アンタはこんな所で何をしてるんだ? 此処は一体何だ?

SCP-2933-A: 父が私のために此処を建ててくれたのだよ。彼はわ-私に ― (SCP-2933-Aは再び悲鳴を上げ、鈍い金属質の唸りがマイクに拾われる) ― 済まない、彼は私に、此処なら…私を安全に守れるだろうと言ってくれたんだ。それとも、私から皆を安全に守れるだろう、だったかな? 私には…今では思い出せない。何もかもがひ-酷く痛む。しかし大丈夫さ!

D-13321: 何だって?

SCP-2933-A: 父はね、私に言ったんだ、おっと、嗚呼、済まない、私 ― (金属を引き裂くような叫び) ― か-彼は、仕事を終えたら私の所に、も-戻ってきてくれると。父は何かのために私が必要で、私は…できる限り最高のむ-息子でありたかったんだ。

D-13321: 待て、ちょっと待ってくれ。何かのためにアンタが必要ってのはどういう意味だ? アンタは何のために必要だったんだ?

SCP-2933-A: (唸り声) ああ、実はね、父はひ-酷い病気だった。彼の中に錆が広がっていたんだ。それで父は私にや-約束してくれた、私がこの錆を彼から引き受けてくれたなら (数秒の沈黙) 彼は皆を笑顔にしてくれると! それが重要だったんだ、皆が…笑顔になるというのが!

D-13321: 待てよ、じゃあどうして、そいつはアンタをこんな所に放り込むんだ?

SCP-2933-A: わ-私に錆を移した後にね、父は…そう、父は恐ろしくなったんだろうね。本当に…彼が…彼を本当に怖がらせてしまう何かが錆にはあったんだ。父はもう私のこ-ことを見たくもなかった。でもそれで良いんだ! 私は完全に理解できているから。 (唸り声)

D-13321: どのぐらい前のことだ?

SCP-2933-A: ああ、ええと、しばらく前かな。正直なところ、これほど酷く痛むとはよ-予想していなかったよ。しかし…私の父は今まさに、外で人々を笑顔にしている、そしていつの日かすぐに私のために戻って来てくれる、私たちはまた一緒になれるんだ。ただ待てばいいんだ! (SCP-2933-Aは著しく顔を顰める)

D-13321: そうか。なぁ、アンタならこいつをどうできるか分かるんじゃねぇかな。

D-13321は腕をかざす。完全に鉄錆に覆われ、幾つかの大きな部位が欠落している。

SCP-2933-A: あぁ、ダメだよ、それに対してできることはな-何もないんだよ。痛みはそこからますますあ-悪化していくばかりだ。君の中に錆が入ってしまったが最後、そいつは広がって…広がっていく。後に何も残らなくなるまで。ただ油と、煙と、錆だけが残るまで。

D-13321: そうか、ありがとな。(溜息と咳) アンタ、煙草はやるかい?

SCP-2933-A: いや、私は吸わないよ。私のし-真珠のような白い歯に何かあってはい-いけないからね! なにしろ私はミスター・え ― (呻き声) ― えがおなんだから!

D-13321: やっぱりな。

SCP-2933-A: き-君は…体の中に錆を感じるかね?

D-13321: ああ、確かに感じるよ。

[記録終了 ― 通信途絶]

補遺2933.2: 回収された文書

以下の文書は自動化されたドローンによってSCP-2933-Aの近くで観察された。

補遺2933.3: 遠隔観測

複数回の探査の試みが失敗した後、SCP-2933-Aを観察するために、遠隔操作ドローンがSCP-2933-1へ投入された。ドローンは喪失するまでの3時間、司令部との通信を維持した。以下は、明瞭さを最大限にするべく編集された集音音声からの抜粋である。

ページリビジョン: 5, 最終更新日時: 12 Jan 2017 16:16
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