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nn5n: scp-3860 ハヤブサの降着
EuclidSCP-3860 ハヤブサの降着Rate: 54
SCP-3860

アイテム番号: SCP-3860

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-3860はサイト-19高セキュリティヒト型生物収容棟のタイプS対奇跡論的ヒト型異常存在収容室に収容されます。収容室は禁制品の持ち込みと収容違反の試みの両方を毎日検査します。SCP-3860の自己修復試行と精神状態悪化の可能性に対処するため、SCP-3860の生理学的・心理学的評価は毎週行われます。SCP-3860が自らに施した生理学的変化は記録され、収容に対する潜在的脅威度の評価が行われます。

SCP-3860には、貴重な情報の提供を強いる手段として、機械的・奇跡論的な構成部品を提供できます。全ての提供部品は申請前にSCP-3860の実験主任・奇跡論相談役・サイト司令部からの承認を受ける必要があります。SCP-3860の収容違反を補助する可能性がある構成部品は全て却下されます。収容を容易にするため、構成部品はSCP-3860から除去される場合があります。

説明: SCP-3860は、旧称PoI-1115(ヴィンセント・アンダーソン)、GoI-1115(アンダーソン・ロボティクス)1のCEO/創設者だった67歳の白人男性です。SCP-3860の身体は、奇跡論技術と高度補綴技術を組み合わせた様々なシステムによる多数の改造手術を受けています。これらの増強には以下が含まれますが、それだけに限られていません。

  • 両腕および両脚が、アルミニウム・PMMA・ポリカーボネート外装・白いアラミド繊維から成る義肢に置換されている2。これらの義肢は判別可能な動力源を持たず、コバルト-クロム合金ワイヤーのネットワークでSCP-3860の中枢神経系に接続されている。
  • 両目が多数の光学レンズから成る複雑な構造に置換されている。身体検査時にこれらのレンズを観察したところ、無数の奇跡論シンボルが組み込まれていることが示された。
  • 鼻が単一の刻み目状の開口部に置換されている。
  • 胴体の様々な箇所に白いアラミド繊維が移植されている。これらの繊維はSCP-3860の異常でない身体組織に織り込まれていると判明しており、SCP-3860の身体に残った瘢痕組織に移動・充填できる3
  • 肝臓および腎臓が人工的な代替物に置換されていると思われる。これらの構成部品はSCP-3860から摘出しない限り完全な研究が不可能であるため、非異常臓器との差異がどの程度かは不明である。
  • 前頭葉および頭頂葉4、並びに小脳を始めとする脳の様々な部位に増強が施されている。

後のSCP-3860へのインタビューは全ての改造手術が対象自身によって行われたことを示しており、SCP-3860は各機能を自分一人で設計し機能させたと主張しています。SCP-3860がどのようにしてこれらの侵襲的手術を自らに施し、生き残ったかは現在も調査中です。

SCP-3860はまず2018/11/15スリー・ポートランド要注意地域でのおとり捜査中に、機動部隊ガンマ-13(“アシモフ三原則の番人”)隊員によって捕縛されました5。財団職員に知られることなく、SCP-3860は2024/5/24に行われたUIU/財団共同のアンダーソン・ロボティクス本部襲撃までは完全な捕縛を逃れ続けていました6

補遺: 3860-1: インタビューログ3860-6

回答者: SCP-3860

質問者: ローズ・ラブレ研究員

序: 以下のインタビューは、2024/5/24の捕獲に続くSCP-3860初期収容の一環として、2024/8/29に実施された。インタビューの目的はSCP-3860の増強の性質を調査することだった。

<記録開始>

ラブレ: こんにちは、ヴィンセント。

SCP-3860: 昼なのか? 私の部屋には時計も窓も無いから何とも言えないね。とにかく、どういう風の吹き回しでここに来た?

ラブレ: 信じようと信じまいと勝手ですが、私は貴方と話したくて来たのです、その… 貴方自身について。貴方がどのように貴方になったかを。貴方が受けた改造手術の規模は広範囲です。死んでいないのが奇跡ですよ。

SCP-3860は舌を鳴らす。

SCP-3860: ヴィンセント・アンダーソンは一人だけでもこの世界には多すぎる、というのが財団の見解だと思っていたがね。いったい何故、別な奴を作ろうとしている?

ラブレ: していません。しかし、貴方が自分に加えた変化が、我々がここで行っている物事の興味の対象であることは否定できないでしょう。例えば、貴方はその義肢でも未だに奇跡論の儀式や実践を実行できますし…

SCP-3860: ああ、そういう事か! このロボ魔法使いが君たちに協力し続ける限りは—

ラブレ: いえ、そういう事では無く。

SCP-3860: そうかな? 私がどう今の私になったかを君たちが知りたがる理由が他にあるのか? つまりだ、そもそも私が何故こんな苦労を乗り越えてきたか考えた奴は君たちの中に一人でもいるのか?

ラブレ: 悪くない始め方ですね。何故貴方はこれほど多くの増強を受けたのですか? 何故こんな超人的な努力をしてきたのですか?

SCP-3860は椅子の上で身じろぎし、短い間沈黙する。

SCP-3860: 生まれた時から自分を包んでいる殻を破る手段があったから、リスクを犯した。最初はフィニアスが助けてくれたが、最終的に私は自分の身体を制御した。こう、私は半マイル先から1ポイントのフォントを読めるし、雨の一滴が落ちる音も聞き取れるし、この収容室の1ヘクトメートル以内にいる君たちのスタッフを香水の銘柄で特定できる。もし君が自らを普通の人間が経験できる以上の高みへ押し上げ、その領域の先駆者となったなら、その道を極めようと励むものじゃないかな?

ラブレ: 確かに魅力的ですが、私としては、貴方はこの変容で負った犠牲を過小評価しているように感じます。

SCP-3860は自分を指して、上がったり下がったりの身振りを示す。

SCP-3860: 好き好んでこんな、デル・トロの映画に出てくるペイルマンのような見た目になったと思うかい?

ラブレ: 多分そうではなかったと思いますね。

SCP-3860は頷く。

SCP-3860: この過程で数え切れないほど間違いを犯し、個人的に対価を払ってきた…

SCP-3860は自身の右側を見つめ、拳を握る。

SCP-3860: 手品師はタネを明かさないんだよ、ラブレ嬢。私がどうやって今の姿になったか、財団は最後まで知ることは無いし、理解することも無いだろう。すまないね、だが私から他に君に話す事は何も無い。

<記録終了>

補遺: 3860-2: 更新 2027/2/2

一部の増強部位を機能させるのが困難になりつつあることから、SCP-3860は過去6ヶ月間に自己修復に利用する構成部品の要求数を大幅に増やしています。これらの要求部品の有意に高い割合が奇跡論的性質を有していると考えられます。同様に、SCP-3860はこれらの部品を取得する手段として財団の調査活動への協力姿勢を高めています。SCP-3860は現時点ではインタビュー中の態度の変化を否定しています。

補遺: 3860-3: インタビューログ3860-13

回答者: SCP-3860

質問者: MTF部隊長 クラリッサ・シャウ

序: 以下のインタビューは、機動部隊ガンマ-13が継続中のSCP-2806収容の一環として、2027/6/13に実施された。

<記録開始>

シャウ: おはようございます、ヴィンセント。

SCP-3860: 我が友クラリッサか。それで、今回は私が熾したどの炎に関わる助けが欲しくて来たのかな?

シャウ: 私のインタビューの傾向に気付いてくれて幸いですよ…

シャウはSCP-3860にファイルを手渡す。

シャウ: 貴方がここに拘留されて以来、我々は貴方の製品の大半を掃討していますが、ジャーファルコン・シリーズの義肢は巧みに捜査網を逃れています。恐らくマーシャル・カーター&ダーク社の顧客が装着しているからでしょう。貴方の修復リストから我々が選んだ幾つかの要求部品と引き換えに、可能であれば、貴方に遠隔からそれらを停止してほしいんです。

SCP-3860: なかなか面白い考えだ、クラリッサ、しかしできない。

シャウ: 何故ですか?

SCP-3860: 遠隔停止手段が無いからだ。あれにはどんな種類の受信機もないし、奇跡論的なやり方で停止すれば凄まじい副作用が伴う。シャットダウン用の機器をインストールするためにドローンを派遣することなら可能だろうが、そのためにはまず相手の身元を知らなければならない。

シャウ: 不可能という事ですか。

SCP-3860: 鋭敏だね。

シャウ: あれは遠隔的に検出できる奇跡論オーラを帯びていますか?

SCP-3860: ジャーファルコン・シリーズの奇跡論部品は動力源に見せかけるための物だから、否だ。今回の火消しは手伝えそうにないね、隊長。

シャウ: ではここまでのようです。有意義な話し合いでした、ヴィンセント。

シャウは立ち去る準備をする。

SCP-3860: 待て… 一つ案がある。

シャウが立ち止まる。

シャウ: 聞かせてください。

SCP-3860: 例の小次元空間に閉じ込められたロボットの幽霊たち。もし彼らを検出する手段があるなら、その検知器がまだ機能しているドロイドにも反応するか確かめてみたまえ。もし可能なら、ジャーファルコン・シリーズの利用者を検出するのにも使えるはずだ。

シャウ: それは… その人々も死んだらあそこへ辿り着くと言いたいのですか?

SCP-3860: 私に分かる訳が無いだろう。多分そうじゃないか? 今言ったようにただの思い付きだよ。

SCP-3860は短く笑った後、黙り込む。

SCP-3860: 最後には、私もそこへ逝くのかもしれないね。

<記録終了>

補遺: 3860-4: 更新 2038/3/3

SCP-3860は過去3ヶ月間に構成部品の要求数を大幅に減らしており、2038/2/15以降は追加部品の要求を申請していません。この間、SCP-3860は栄養レベルの変化や識別可能な疾病が無いにも拘らず衰弱し続けています。SCP-3860は財団の調査活動への高い協力姿勢を維持しています。以前と同様に、SCP-3860は態度の変化を否定しています。

補遺: 3860-5: インタビューログ3860-32

回答者: SCP-3860

質問者: サイト管理官 サーシャ・メリオ

序: 以下のインタビューは、自身の変容に係る情報をある不特定の活動と引き換えに明かすことにSCP-3860が合意した後、2040/11/15に実施された。SCP-3860は交渉相手に機動部隊ガンマ-13の元・隊長であったサイト管理官サーシャ・メリオを指名し、この件に関しては他の如何なる職員からの接触も拒絶した。

<記録開始>

SCP-3860: 随分と長い時間が経ったな、サーシャ。優雅に歳を取ったものだ。

メリオ: 君もだろう、ヴィンス。歳を取っているようには見えないが。

SCP-3860: ゲイブはどうしている? ジェシーは君の後を継いだようだね。誠のガンマ-13エージェントだ。彼女の指に嵌まっていたのは婚約指輪かな?

SCP-3860は溜息を吐く。

SCP-3860: 私自身のが数年前に結婚した話はしたかな? 時間というのは実に—

メリオ: 私の時間というのは実に貴重なのでね、ヴィンス。何が望みだ、代わりに君からは何を提供する?

SCP-3860: そうだな。すまない。ここ最近の私は少し感傷的になっているようだ。

SCP-3860はくすくすと笑う。

SCP-3860: 私には、私個人の改造手術に関する全ての図式を、完全に公開する用意がある。必要な儀式と外科的手法も含めてだ。私には君の選択する1人以上の人物にその施術を行う意思もある。交換条件として、私は、君たちに捕らえられた襲撃に際してオフィスから押収されたフィニアスのAI構造7の終了処分を要請する。

沈黙。

メリオ: それは… 気前が良いな、ヴィンス。何故だ?

SCP-3860: 何だって?

メリオ: 何故フィニアスを私たちに殺させたい? 二度も?

SCP-3860: 彼が望んでいるからだ。

メリオ: フィニアスAI構造とは対話したことがある。君の夢を壊すのは本意じゃないが、彼は自殺念慮を示していない。

SCP-3860: 勿論そうだろう。彼を創造したすぐ後に加えたプロトコルだ。もし自己終了が可能なら、自分にケリをつけるように誰かを説得できるなら、彼はきっと一瞬も無駄にはしないさ。

メリオ: それは伝聞証拠に過ぎない。仮に真実だとしても、何故今さらになってこの交渉を持ち出した?

SCP-3860: それが正しい行いであり、今こそが為すべき時だからだ。

沈黙。

SCP-3860: 私のシステムは故障しつつある。持って2、3年といった所だろう。その前に可能な限り多くの過ちを正したい。私がフィニアスにした行いを無かった事にはできない、だがせめて彼の望みを尊重したいんだよ。君は思いやりの無い人間じゃないだろう、サーシャ。それが分かるぐらいには長く君のことを知ってきた。この死にかけの男を助けてはくれないか。

メリオ: 私だって君を長らく知っているさ、ヴィンス。君が心の琴線を弄び、札束を財布に滑り込ませて自己満足する男だと知っている。

SCP-3860: なら私のためでなくとも良い、サーシャ。頼む。フィニアスのためにやってくれ。彼が今よりも報われるべき男だと分かっているだろう。お願いだ。

メリオ管理官は頭を振る。

メリオ: たとえ君を信用しても、私にはその手の指示を出す権限が無い。諦めるんだな。

SCP-3860は頷く。

SCP-3860: 時間を無駄にしてすまなかったな、サーシャ。君と、君の娘のキャリアの今後が実りあるものであることを願う。もしまた顔を合わせる機会が無いなら、そうだな… 楽しい時間だったよ。

メリオ管理官は溜息を吐き、振り向いて去る。

メリオ: さようなら、ヴィンス。

<記録終了>

ページリビジョン: 1, 最終更新日時: 08 Jan 2018 09:37
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