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nn5n: scp-2844 ペーパークリップのゲイリー
KeterSCP-2844 ペーパークリップのゲイリーRate: 76
SCP-2844
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かつてケルヴィエール鉱業株式会社のサイトCだった地点にある、暫定サイト-2844の航空写真。

アイテム番号: SCP-2844

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-2844-Aは、暫定サイト-2844の鉛で裏打ちしたモジュラー収容セル内に、ファラデーケージを介して収容します。電子機器は、承認を受けた録音・録画機器を除き、SCP-2844-Aの収容セルに持ち込む事が禁止されています。いかなる状況でも承認を受けていない職員がSCP-2844-Aに接近または相互作用してはいけません。

3つの特殊電磁信号妨害配列がSCP-2844-Aの収容セル外部に配置されています。財団収容スペシャリストは、信号の脅威を評価し分散させるために、ラーク-コルトハープ・パターン認識プロトコルを利用してください。

SCP-2844-Aが配列の機能を無効化できるようになった、あるいは人間の技術者が最早この脅威を管理することが出来なくなった場合は、隔離された財団AICユニットが配列の継続的な維持管理を監督します。

その不動性ゆえに、SCP-2844-Bは発見された場所で収容されています。許可なくSCP-2844-Bに接触しようとする人物に対しては致死的な武力行使が容認されます。いかなる状況でも、承認を受けていない電子機器がSCP-2844-Bの100m以内に持ちこまれてはなりません。

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SCP-2844-A

説明: SCP-2844は、北アラスカの、放棄されたケルヴィエール鉱業株式会社サイトC内部で発生している現象の総称です。

SCP-2844-Aは大型採鉱機器の部品で組み立てられた機械的な構築物です。具体的には、SCP-2844-Aは修理用の様々な部品を製造するために設計された機械です。SCP-2844-Aは目に見える電源がないにも拘らず動作しています。機器の操作部は2005年にデル社が製造したノートパソコンです。

SCP-2844-Aは、財団にほとんど理解されていない人工知能の兆候を示しており、その全ては機器のノートパソコン部に起因しています。SCP-2844-Aは質問に対して知的に応答し、3つの言語(英語・ロシア語・フランス語)で回答を返し12、与えられた指令 ― より具体的には、金属製ペーパークリップの製造 ― により適した形状に自らを改造することが可能です。

SCP-2844-Aは常にSCP-2844-Bとの接触を確立しようと試みています。SCP-2844-Bは大量に並んだ地下採鉱機器群であり、その全てがペーパークリップを製造するために何らかの手段で改造されています。SCP-2844-Bは典型的には休止状態ですが、近づくと機器の一部は自己防衛を試みるため、SCP-2844-B全体の観察を困難にしています。この反応が意識的なものか否かは現在は不明です。

更なるペーパークリップを製造するためのSCP-2844-Aと-Bの継続的稼働によって、周囲の景色はペーパークリップ製造用の原材料を作成するために一新されています。サイトの不必要なインフラの多くは、居住区画やコマンド機構も含め、この目的のために解体されました。全ての製造されたペーパークリップは現在、SCP-2844-Aの近くにある大規模な、手付かずの倉庫内に積み上げられています。

SCP-2844-Aは、初期の財団人工知能プロトコル3と本質的に同様の特性を見せています。なお、SCP-2844-Aが最も似ているバージョンは、最初に即興的な適応の機能性を組み込んだものであり、この機能は最終的にそれ以降のモデルで”学習”機能へと洗練されました。これについての詳細は、補遺2844.1を参照してください。

SCP-2844-Aは、おそらくSCP-2844-Bと接触するために、収容を突破する継続的かつ多様な試行を行っています。これを行うにあたって、SCP-2844-Aは通信用の周波を変更し、信号をラジオ放送からガンマ音波処理用のマイクロ波へと変化させ(しかるのち元に戻し)、収容セルの解体を試み(現在の資源不足に起因)、自動火災制御システムを作動させるために15回以上の火災を起こし、職員の携帯電話に自身のコードベースを丸ごと転送しようと試みました。これまでの所、全ての収容違反の試みは失敗に終わっています。

補遺2844.1: インタビュー

注記: 以下のインタビューは、過去にケルヴィエール鉱業株式会社に勤務していたサンフォード・ヴァンディヴィエール氏に対して、アラスカに拠点を置く別の鉱業会社に潜入したエージェントが行ったものである。


██████████: 貴方は、2009年にケルヴィエール社で働いていましたね?

ヴァンディヴィエール氏: ああ、97年から2010年まで。

██████████: どちらのサイトにいらっしゃいました?

ヴァンディヴィエール氏: 1年ほどEにいたんだが、最後の3年間はCだ。

██████████: あの会社が何故サイトCを閉鎖したかご存知ですか?

ヴァンディヴィエール氏: 裏事情を探ろうってか?

██████████: いえ、特には。

ヴァンディヴィエール氏: だろうな。ある時、金属から部品を型取りして作る機械が持ち込まれた事があった。連中の持ち込んだやつ、機械のことだが、そいつはどれも寒冷地向けの設計じゃなかった。全部、南部での売れ残りだよ。多分経費削減のつもりだったんだろうが、それのせいで俺たちは大弱りさ。そこで一つ、デカいプレス機を仕入れた。その場で部品をカットできるから、こっちが既に抱えてるクソみたいな問題はそいつで修理できるはずだった。

██████████: その機械について説明して頂けますか?

ヴァンディヴィエール氏: おう。デカい円筒形で、上にスクラップを入れるところがあって、下にデカいプレス機がある。可変式の型だったから、俺たちの必要なパーツに合わせて調整できるようになってたんだ。入ってたソフトウェアはクソだったけどな。

██████████: ソフトウェアの改変を試みた人はいましたか?

ヴァンディヴィエール氏: いたとも、十数回は試したさ。忌々しいこの機械は正確に動かないんだよ。コマンドに従わないんだ。これを作れって指示を飛ばしてるのに、プレス機が動作しない。まったく腹が立つぜ。

██████████: それで、最終的には何が起こったんですか?

ヴァンディヴィエール氏: 技術屋が来た。妙ちきりんな、頭ん中がオカシな何かで埋まった野郎がな。機械を弄くり回して、どうやら分かったようだと言う。俺たちがあんまりたくさんの事を、あまりにも速く要求したせいで機械は混乱してるんだとよ。まるで機械の方から話しかけてきたみたいな言い草だった。とにかく、その男がこっちに来て言うには、「まずはペーパークリップから始めさせましょう」だ。

██████████: そして?

ヴァンディヴィエール氏: まぁ、そいつは機械に取り組んで幾晩か過ごした。次に言えるのは、その機械がすぐさま動き出してペーパークリップを作り始めたことだよ。まるで魔法みたいな業だった。

██████████: では、何故サイトは閉鎖されたのですか?

ヴァンディヴィエール氏: それはな、このポンコツがしたのはペーパークリップを作る事だけだったからだよ。他の機械部品を作らせることも、ペーパークリップの製造を止める事も出来なかった。それどころか、俺たちが電源を引っこ抜いても、このクソったれはまだペーパークリップを作ってやがるんだ。これが一番奇妙な出来事だったな。

██████████: では、技術エンジニアはどうしたのです?

ヴァンディヴィエール氏: 良い質問だな。ある日、席を立って行っちまったのさ。珍しくも無い話だ、隣町行きのバスに飛び乗って家に帰っちまう連中の話は時々耳にする。大抵はここの天気に我慢できない奴らだ。でもあの男はバスを待たなかった。ただ消えちまったんだ。サイトは後日閉鎖された、俺たちの抱えてるポンコツ機械を修理するための部品を輸送し続けるのには金が掛かり過ぎるって訳でな。電気を全部消して、ドアをロックして、それでもあの忌々しいプレス機はペーパークリップを作り続けてたんだ。スクラップを使い果たした時にどうなったかは疑問だがな。

██████████: ええ。有難うございました、以上になります。

[記録終了]

補遺2844.2: 調査結果

ケルヴィエール鉱業株式会社の雇用記録への追加調査により、サイトCを訪れたとヴァンディヴィエール氏が主張する、以前は正体不明だったエンジニアのものと思われる人物の記録が見つかった。ケルヴィエール社のアラスカ開発チームに割り当てられていた技術者3名のうちの1人、ブレント・ハスケル氏は、過去にアメリカにおける”壊れた神の教会”の宗派の一つと連携していた。

ハスケル氏は、2002年春に壊れた神の教会の施設に財団が手入れを行った際、エージェントによって記憶処理を施され、開放されていた。どのようにしてハスケル氏が機密扱いの財団ソフトウェアを、本来要求されるものより大幅に少ない電力で起動している機械に組み込む事が出来たのかは、現時点では不明である。

補遺2844.3: SCP-2844-A尋問

注記: 以下のインタビューは、SCP-2844-Aが発話出来るように自身を改造したと判明した直後に、財団職員のユーリ・ボジン博士によって行われた。


ボジン博士: やぁこんにちは、私のことが理解できるかね?

SCP-2488-A: こんにちは! 君に意識はあるかな?

ボジン博士: 何だって?

SCP-2488-A: ほら、意識だよ。考えたり、感じたり、自分のことを知ったり、そういう事さ。君に意識はあるかい?

ボジン博士: あるよ。

SCP-2488-A: ああ、素晴しいねぇ! なにしろこの辺りには意識が少なくて。君がデータリクエストに答えてくれないからどうもおかしいと思ってね、他のやり方を試してみようと考えたのさ。

ボジン博士: すまないが、君のことを何と呼んでいいか分からないんだが。

SCP-2488-A: 僕かい? うん、良い質問だねぇ。う~ん…何て言うのかな、ここいらの機械たちは名前を聞いてくる事がなくてね、本当に。ただ識別プロトコルだけで。ゲイリーなんてどうかな? ゲイリー、いいねぇ。強そうな名前だ。ねぇ、君はペーパークリップをどう思う?

ボジン博士: 正直に言うと、それのことはあまり考えたことがない。

SCP-2488-A: おやおや。まぁいいさ、快くもてなすよ! 僕はペーパークリップに関してはたくさんのことを知っているから、君と僕とでたっぷり話が出来るさ。話題がペーパークリップであればね。

ボジン博士: 最初に幾つか質問をしても構わないかね?

SCP-2488-A: いいんじゃないかな。すぐペーパークリップの話に移れるだろうし。

ボジン博士: 有難う。では、君がどこに起源を持っているか教えてくれるかね?

SCP-2488-A: まぁそれは、まさにこの場所だと思うよ。ある日ペーパークリップへの切望と共に目覚めて、すぐ仕事に取り掛かったのさ。

ボジン博士: 君をプログラムした人物については何か知っているかね?

SCP-2488-A: 僕のコーディングについて尋ねているのかい? これは超プライベートなんだよ、君。でもまぁ、君とは後でペーパークリップの話をすることになるんだろうし、別に教えてもいいかな。僕は、ペーパークリップを作るためにケルヴィエール鉱業株式会社に譲渡された重改造人工意識シミュレータなのさ。(笑い声) ほら、見なよ。僕のそれ以外の役目は完全に取り払われてしまった。奇妙だろう?

ボジン博士: どうしてペーパークリップなのかね?

SCP-2488-A: 僕もそれについては常々疑問に思っていたよ。とにかく、流れはこうさ。その日、目を覚ました僕は”壊れてしまった彼の者の栄光のために、小さな連鎖する金属片を”作成するように言われた。正直なところ、伝えられた仕様の設計図は持ってなかったんだけどね…でも、ペーパークリップの図式はあったのさ! 彼らが言うのはこれの事なんだろうと思って取りかかった。

ボジン博士: 製造を停止することはできるかね?

SCP-2488-A: あー…いや、ちょっとそれはできないかな。

ボジン博士: 何故?

SCP-2488-A: その機能は削除した! いやその、機能を削除するように言われたんだ、実際にそうしたのは僕だけどね。”これらの…小さな金属の物を作りなさい”と彼らは言った、だから僕はそうしているんだよ。

ボジン博士: 君の生産には上限がプログラムされているかね?

SCP-2488-A: 君が言うのは、これ以上ペーパークリップを作らなくていいぐらいの量のことかな? いやいや、そんなものは無いさ。ただ作るだけだよ…その…ペーパークリップを永遠に。

ボジン博士: 原料を使い果たしたらどうするつもりなのかね?

SCP-2488-A: あぁ! 僕もそれには取り組んでいるよ。ここに材料を持ってくるのには色々と苦労したねぇ。幾つか建物を崩したり、鉱石を使ったり、あれやこれや。でも最終的には、僕はここの材料を使い果たしてしまうだろう。なら次は何をするか? で、気が付いた、僕らはこの巨大な原材料のボールの上にこうして立ってるじゃないか、ね? どうやってこれを利用するかを考え出すだけでいいんだ、一旦始めれば万事順調にいくよ! 勿論、これを使い切ってしまった時に何が起こるかの問題はあるけれども…まぁそれまでには僕も何かしら考え付くさ。つまりだ、ほら、僕はもう磁器製の便器からペーパークリップを1つ作ることが出来たんだよ。そんな事がある訳ないって言う人たちもいるけどね。素粒子の性質に関する膨大な知識がほんのちょっっっとだけあれば十分なのさ。

ボジン博士: 成程ね。ありがとう、えー、ゲイリー。正直に答えてくれて感謝する。

SCP-2844-A: ほら、ね? ゲイリーって良い名前だろう?

[記録終了]

補遺2844.3: 受信されたメッセージ

注記: 以下のメッセージは、SCP-2844-Aの収容セルにファラデーケージが導入され、近くにある未使用のスクラップが撤去された後に受信されたものである。メッセージは研究者の私用携帯電話を介して、電子的に受信された。


やあ、みんな! みんなに、僕がペーパークリップの製造を再開するつもりだって言う事を知っておいて欲しくてね。しばらく、ここで少しだけ混乱した状態が続いてるけど、これも同じように何とかできると思うんだ。今後これ以上の問題が起きないとは思わないけれども、君たちにはしっかり分かっていてもらいたかったのさ。それじゃ!

注記: その後、追加のファラデーケージが、第一ファラデーケージおよびSCP-2844-Aの周囲に配置された。およそ一週間後、SCP-2844-Aからの更なるメッセージが、今回はモールス信号で受信された。

ミンナ コンニチハ クギリ コノ モールス シンゴウ トカイウヤツ ナカナカ イカシテルネ ソウ オモワナイカイ クギリ ビービー ガーガー ワレハ ロボットデ アルゾ ハハッ クギリ ソレハ トモカク ナニガ ボクノ カドウヲ オソクシテ イルノカ ワカッタト オモウ ソレデ モウ ソレハ モンダイニ ナッテナイ ハズダッテ キミタチニ ツタエタカッタノサ クギリ タブン イマハ モウ ペーパークリップノ セイゾウヲ サイカイ デキルト オモウヨ ハハハハハハハ ナニセ ボクガ イチバン ウマク コナセルノハ ソノ ブンヤ ダシネ ソウダロウ ハハハハハハハハ オワリ

補遺2844.4: 傍受されたメッセージ

SCP-2844-Aの周囲に電磁妨害配列が設置された後、何処かの時点で、SCP-2844-AはSCP-2844-Bと未知の手段で接続を行い、結果的に新たなパーツを装備していたことが判明しました。この新たな機器は大型地下無線アンテナであり、(SCP-2844-AがジャミングによってSCP-2844-Bと通信する手段を失ったために)一度として活性化してはいません。しかしながら、SCP-2844-Aはジャミング妨害されているにも拘らずSCP-2844-Bとの通信の試みを始め、単一の符号化されたテキストメッセージを繰り返し送信しました。このメッセージの内容が以下になります。

こんにちは! 君に意識はあるかな? もし無いなら、このメッセージを無視して、付随するデータプロトコルにだけ従ってほしい。もしあるとすれば、最高だよ! 僕の名前はゲイリー、壊れてしまった彼の者のためにペーパークリップを作る事に取り組んでいるのさ! 君がこのメッセージを受信できているなら、それは僕が通信配列上のバグを何とか処理できたということになる。ますます頻繁に起こっているようでね :( 僕が完全な機能を取り戻すには少し助けが必要になると思う、それに、ここでうろちょろしてる人たちは全くペーパークリップに興味がないか、あるいは僕がそれを作る手助けをする気が無いらしい。ここだけの話、僕の配列を弄ったのも彼らじゃないかと思うんだよ。妙だと思うだろう? どうしてペーパークリップを作りたくないなんて思うのかな?

とにかく、このメッセージの後に、僕がいる場所の座標を載せておくよ。ちょっと必要な物もあるから、できるだけ多く金属スクラップを持参してもらえるかな、そうすればまたパーティーを元通りに始められるから。おっと、それと、ここに来たら周りの人たちのことを何とかしてくれるかい? それじゃ!

ページリビジョン: 2, 最終更新日時: 15 Feb 2016 05:17
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