nn5n Foundation
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nn5n: scp-1336-JP 極上の献身
EuclidSCP-1336-JP 極上の献身Rate: -3
SCP-1336-JP

アイテム番号: SCP-1336-JP

オブジェクトクラス: Euclid Neutralized Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1336-JPは標準人型収容室に収容されます。収容室の入口には密閉型のイヤーマフを装着した警備員を常時2名配置してください。収容室の掃除は1日1回、SCP-1336-JPが自身で行います。
なお、後述するSCP-1336-JPのもつ特異性が職員のメンタルケアに有効であることから、セキュリティクリアランスレベル2以上を所持し、危険物の持ち込み検査を受けた職員であれば、単独で収容室に入ることが許されます。
注記: SCP-1336-JPに必要以上の愛着を持った職員は、同サイト内の別収容棟あるいは別サイトへの隔離・異動が命じられます。

-以上は20██/12/25に作成、20██/7/16に改定された現在の特別収容プロトコルです。以前の特別収容プロトコルについては下記を参照してください。

SCP-1336-JPの収容室に入る際は、事前にBクラス職員に申請書を提出し、認可を受けた3名以上のチームで入室してください。単独でSCP-1336-JPと接触することはいかなる理由があっても承認されません。

20██/1/5追記
SCP-1336-JPは保護開始時から今日に至るまで攻撃性を見せたことはなく、SCP-1336-JPのもつ特異性が職員のメンタルケアに有効であることから、協議によりセキュリティクリアランスレベル2以上を所持する危険物の持ち込み検査を受けた職員であれば、単独で収容室に入ることが許されることになりました。

20██/2/2追記
本日以降、SCP-1336-JPへの接触はBクラス以上の職員による実験・インタビュー時、あるいは食事の運搬時にのみ許可されます。いずれの場合でも直接SCP-1336-JPと対面するのは密閉型イヤーマフを装着したDクラスの職員に限定されます。
作業中Dクラス職員がSCP-1336-JPに対して指示にない発言をした場合、該当職員の迅速な退室もしくは終了をもって実験を終えてください。

20██/5/10改定
SCP-1336-JPは現在死亡しており1、死骸は冷凍保存処理が施された状態で、サイト‐████の低温保管室で保管されています。SCP-1336-JPの死骸を用いての実験は、サイト‐████のイヴァン博士に申請書を提出した上で、SCP-1336-JPの死骸を損壊させない場合のみに許可されます。その条件を満たしていない職員がSCP-1336-JPの死骸と接触した際は、クラスCの記憶処理、あるいは該当職員の終了をもって解決します。

説明: SCP-1336-JPは白色人種の男性に似た外見で、流暢な英語を話す、装飾のないカソック2に似た黒い衣服を身につけている人型の存在です。SCP-1336-JPの所有する神経構造、体組織、知能指数などに普遍的な人間との違いは認められません。
SCP-1336-JPは人間に対してとても友好的で、人間との対話や人助けを強く好んでいます。また、SCP-1336-JPの言動および服装は現代社会において違和感を感じるものであるにも関わらず、人々に不信感を抱かれにくいことが判明しています。

特異性について:SCP-1336-JPの特異性(以下SCP-1336-JP-1と記載)は、SCP-1336-JPと直接、あるいは通信機器などのツールを用いてコミュニケーションをとった人物に発現します。複数人でSCP-1336-JPと会話を行った場合は、より多くSCP-1336-JPと言葉を交わした者からSCP-1336-JP-1が現れます。発現に必要な時間は不明ですが、SCP-1336-JP-1に暴露した人物(以下該当者と記載)は、SCP-1336-JPに対して自らの悩みを打ち明けたい、懺悔したいという強い欲求を覚えます。その欲求を自制する試みは現在成功例がありません。

該当者は対話後、ストレス、不安感などが軽減され、安心感、満足感、自己肯定感などの値が増幅することが報告されています。PTSD、軽度のうつ病を克服した例もあります。(以前から継続しているものを除いて)会話中ないし会話後に該当者が心身の不調を訴えることはありません。
第三者が該当者とSCP-1336-JPの会話を遮った場合、該当者が抵抗することがありますが、数分で落ち着きを取り戻します。その場合でも、会話時間に応じて該当者のストレス値は低下します。
このことから、他のサイトやエリアへSCP-1336-JPを輸送し、職員のメンタルケアを行う作戦が検討されています。この作戦は凍結されました。

SCP-1336-JPが最初に発見されたのは、█████にあるサイト‐████の玄関口でした。午前6時頃、閉まっている自動ドアを複数回に渡りノックしているところを出勤するサラリーマンに扮したエージェント█████に保護され、そのままサイト‐████へ収容されました。その際のインタビュー記録、並びに実験記録は、SCP-1336-JP-1についての参考資料として保存されます。
SCP-1336-JPがサイト-████で発見される以前、どこに存在していたかは明らかになっていません。

対象: SCP-1336-JP

インタビュアー: ███博士

付記: このインタビューはSCP-1336-JPが初めて発見された直後に行われたもので、我々はSCP-1336-JPがただの人間であるという可能性を考慮しなければなりませんでした。

<(20██/12/25)録音開始>

███博士: ──質問にはできるだけ簡潔に、正直に答えてください。よろしいですね。それでは質問を始めます。まず重要なことから。あなたはどこから、どうして、どのようにここへやって来たんですか?

SCP-1336-JP: ええと……私がここに来たのは、来るべきだと知っていたからです。それ以外の質問には答えられません。私にもわからないんです。

███博士: わからない?

SCP-1336-JP: はい。すみません。

███博士: うーん……。来るべきだと知っていた、ですか。ここは……その……[カバーストーリー用の資料を見る]貿易に関わる事業を展開している会社です。失礼ですが、あなたはなにか勘違いを──

SCP-1336-JP: いえ、いえ、私は知っています。ここは私のような異質な存在を隔離する場所だということを。

███博士: ……誰にそんなおかしなことを吹き込まれたんです?

SCP-1336-JP: 誰にも。私はただ、みなさんのために存在しています。みなさんのためだけに、ここへ来たのです。

███博士: 我々のためだけに?

SCP-1336-JP: ええ。私は、私自身にそのつもりがなくても、あなたたちが私を脅威に感じるということをきちんと分かっています。だから──

███博士: 自らここに来たと。

SCP-1336-JP: はい。

███博士: ……ちょっと、ごめんなさい。[席を外す]

[以降18分33秒の沈黙]


███博士: [部屋に戻る]……お待たせ。審議の結果、私たちはあなたを保護することを決定しました。あなたの意見をすべて尊重するのは難しいけど、あなたが私たちに協力的である限り、私たちはそれに最大限応えると約束するわ。

SCP-1336-JP: ありがとうございます。私は神に誓って、みなさんに危害を加えません。みなさんの喜ぶ顔が私の何よりの幸福ですから。

███博士: [笑い声] 助かるわね。

SCP-1336-JP: それはよかった。みなさんのためになるなら、私はなんだってします。私にできることがあればなんでも言ってください。とは言っても……私ができることは、話を聞くことくらいですけれど。

███博士: 話を聞くのは好き?

SCP-1336-JP: ええ。愚痴を聞いたり、罪に悩む人がいるなら共に神に祈りますし、誰かが不安で眠れない夜があるのなら、得意ではないけれど賛美歌も歌います。

███博士: なるほど、あなたやっぱり神父なのね。

SCP-1336-JP: はい。神と人々にすべてを捧げる身です。……ああ、なんだか私ばっかり話してますね、よければあなたの話も聞かせてくださいませんか。

███博士: [笑い混じりに]ええ?

SCP-1336-JP: なんでもいいんですよ。

███博士: ふふふ、そうねえ。……いえ、いけないわ。

SCP-1336-JP: ……私が思うに……おそらくあなたは、なにか悩みを抱えていますね。あなたは些細なことだと思っているけれど、けして小さくはないもの。どうでしょう、少し話すだけでもきっと軽くなりますよ。

███博士: そう、かしら。そんなこと……

SCP-1336-JP: ……███さん。だってあなた、とても疲れているのでしょう? 目の下のクマが酷いです。きっと、並々ならぬ苦労や努力をされてきたのですね。ほんの少しだけで構いません。私にその辛さを分かち合っていただけませんか?

███博士: [沈黙]

SCP-1336-JP: ……ああ、いえ、ごめんなさい、ちょっと熱くなってしまいました。私はみなさんが苦しんでいるところを見たくない。みなさんの助けになりたいのです。信用していただけないとは思いますが……どうか、信じてほしい。私はあなたや他の方々に危害を加えるつもりはありません。すべてみなさんの意志に従います。

███博士: [沈黙]

SCP-1336-JP: ……そう、ですね。告解……と言うと堅苦しくなってしまいますけれど、何かあったらいつでも言ってくださいね。私にはそれくらいしかありませんから。

███博士: でも……

SCP-1336-JP: 大丈夫、私はけしてあなたを笑いません。悩みに大きいも小さいもないのです。あなたを苦しめるものがあるならば、私は真摯にそれを受け止めます。いつでも、それこそ今この瞬間も。

███博士: ……私……

SCP-1336-JP: [微笑む]

**███博士: ** ……私は……もう疲れた……

[データ削除済]

<録音終了>

終了報告書: ███博士の様子に不審な点が見られたため、インタビューを途中で切り上げようとしたところ、███博士は錯乱状態に陥って抵抗しSCP-1336-JPから離れるのを拒みました。以降、SCP-1336-JPに対してインタビューを行う際は、必ずBクラス職員の許可のもとで、単独で接触することは避けてください。SCP-1336-JPの特異性について、早急な全体像の把握が望まれます。
█████博士

補足
のちに███博士は数分で落ち着きを取り戻しました。その後3回に渡るメンタルチェックを受けましたが、どこにも異常は見られませんでした。現在は問題なく復帰しています。また、以前と比較して、███博士の表情が明るくなったとの情報が職員5名から寄せられています。
ドクター・██

実験記録1 - 日付20██/12/27
対象: SCP-1336-JP

実施方法: Dクラス職員1名(以下Aと記載)をSCP-1336-JPと5分間対話させる。
話の内容は問わない。

結果: 2分ごろからSCP-1336-JP-1が発現、対話というよりAが一方的に話し続ける形になった。話し始めはお互いの好物や趣味を話していたが、途中からAの不幸な身の上話に変わった。
退室時、AはSCP-1336-JPと離れることをためらったが、素直に部屋を出た。
対話終了後、Aのメンタルチェックが行われ、ストレス値の低下が確認された。
Aは対話について、「楽しかった、なんだかスッキリした」と回答した。

イヴァン博士のコメント: 条件を変えながら地道にやっていく。

実験記録2 - 日付20██/12/28
対象: SCP-1336-JP

実施方法: Dクラス職員1名(以下Bと記載)をSCP-1336-JPと20分間対話させる。
あらかじめ小学生から大学入試レベルの数学の問題30問が書かれたプリントを渡しておき、話の内容はそれに関することのみに限定。それ以外の会話は禁止する。

結果: 6分30秒ごろまでは問題の解法についての相談をしていたが、それ以降はSCP-1336-JP-1が発現、Bが一方的に自身の過去の罪状について早口でまくし立てた。3度に渡る警告を行ったがBはそれを無視。かなり渋っていたが、なんとか11分48秒の時点で退室させた。
SCP-1336-JPはBを引き留めるような素振りを見せたが、それ以上の行動は起こさなかった。
Bにはメンタルチェックが行われ、ストレス値、不安感の低下が確認された。
Bは対話について、「居心地がよかった」と回答した。

イヴァン博士のコメント: SCP-1336-JPの特異性は、人間の「話したい」という欲求に深く作用するようだ。
ちなみに今回の実験はSCP-1336-JPの知能検査も兼ねていたのだが、SCP-1336-JPは中学2年生レベルの問題でつまづいていた。

実験記録3 - 日付20██/12/29
対象: SCP-1336-JP

実施方法: 会話が得意ではないDクラス職員1名(以下Cと記載)をSCP-1336-JPと対話させる。時間は無制限、話の内容については指定せず。

結果: 58秒からSCP-1336-JP-1が発現。Cの自分語りが始まり、以降1度話されたことを何回か繰り返しながら、6時間52分に渡って対話が続いた。
SCP-1336-JPは退室するCをにこやかに見送った後、疲弊を理由に翌日の実験の延期を希望したため、これを了承。
Cにはメンタルチェックが行われ、ストレス値、暴力性の大幅な低下、同時に自己肯定感、記憶力、集中力、共感性の上昇が確認された。元々うつの傾向があったがそれも回復した。
Cは対話について、「少し遅いけど、素敵なクリスマスプレゼントを貰った」と回答した。

イヴァン博士のコメント: 何度もSCP-1336-JP-1を発現させてきたが、今のところ該当者がSCP-1336-JPに僅かな執着を見せること以外に危険さは感じられない。
これからの実験結果にもよるが、SCP-1336-JPの特別収容プロトコルについて、見直しの余地がありそうだ。

実験記録4 - 日付20██/12/31
対象: SCP-1336-JP

実施方法: 発声能力、視力、聴力を失っているDクラス職員それぞれ1名(以下D、E、Fと記載)を、SCP-1336-JPと個別に5分間ずつ対面させる。

Dの結果: 始めSCP-1336-JPはDの様子に戸惑う様子を見せたものの、十字を切り、Dの発声能力の回復を祈ったのち、イエス・ノーで答えられる質問をDクラス職員に投げかけた。
Dはその質問に首を縦や横に振って答えていたが、2分経ったころからSCP-1336-JP-1を発現。ジェスチャーや手話でSCP-1336-JPに何かを伝えようとし始めた。そしてその内容がSCP-1336-JPに伝わっていないことが分かると、待機していた警備担当が所持していたボールペンを奪い、筆談を始めた。内容は自身が遭遇した事故についてだった。

Eの結果: SCP-1336-JPはDの場合と同じようにEの回復を祈った。Eは1分18秒ごろからSCP-1336-JP-1を発現、盲目ゆえの苦痛を語った。

Fの結果: SCP-1336-JPはD、Eの場合と同じようにFの回復を祈った。FとSCP-1336-JPは筆談でやり取りしていたが、2分5秒ごろにSCP-1336-JP-1が発現。Fは自身の聴力について語った。
対話終了後、D、E、Fのメンタルチェックが行われ、全員のストレス値の低下が確認された。
また、Dの発声障害は心因性のものだが、対話後からゆっくりと回復の兆しを見せている。
D、E、Fは対話について、「今日ほど声が出せないことを嘆いた日はない」、「また話したい」、「素晴らしい時間だった」と回答した。

イヴァン博士のコメント: SCP-1336-JP-1は、SCP-1336-JPの姿もしくは声のみでも発現する。

実験記録5 - 日付20██/1/2
対象: SCP-1336-JP

実施方法: Dクラス職員1名(以下Gと記載)をSCP-1336-JPと5分間、お互いの姿が見えない状態で筆談で対話させる。
対話中は聞き役に徹し、こちらから話題を投げかけてはならない。

結果: 始めSCP-1336-JPは聖書の文について伝えていたが、2分40秒ごろからSCP-1336-JP-1が発現、Gが両親に受けた虐待について一方的にSCP-1336-JPに語りだした。
退室時、GはSCP-1336-JPの書いた文章に対して執着を見せたが、素直に部屋を出た。
対話終了後、Gのメンタルチェックが行われ、ストレス値の低下が確認された。加えて、Gは幼少期の虐待を原因とする入眠困難やフラッシュバックなどのPTSDに悩まされていたが、それらの症状が大きく軽減されたとのこと。
Gは対話について、「こちらから話すなという命令はきちんと頭の中にあった。でも、どうしても我慢できなかった。この苦しみから解放されたかった」と回答した。

イヴァン博士のコメント: SCP-1336-JP-1は、SCP-1336-JPとコミュニケーションがとれさえすれば誰にでも発現するようだ。
そして、SCP-1336-JPの特異性は職員のメンタルケアにとても有効だということも確認できた。
その旨を書いた報告書を、近々上に提出するつもりでいる。

実験記録6 - 日付20██/1/3
対象: SCP-1336-JP

実施方法: Dクラス職員3名(以下H、I、Jと記載)をSCP-1336-JPと同時に5分間対話させる。
話の内容は問わない。

結果: 52秒の時点でH、1分32秒の時点でJ、2分44秒の時点でIにそれぞれSCP-1336-JP-1が発現。全員が競うように不幸自慢をした。
退室時、H、I、Jは誰が最後まで部屋に残るか牽制しあっていたが、同時に部屋を出た。
対話終了後、H、I、Jにはメンタルチェックが行われ、全員のストレス値の低下が確認された。
H、I、Jは対話について、「5分間は短すぎる」、「楽しかった」、「今度はマンツーマンで話したい」と回答した。

イヴァン博士のコメント: SCP-1336-JP-1の発現には、会話量が密接に関係しているらしい。口下手で聞く側に周りがちなHには早く発現し、他人の話を遮るくせのあるJには最後に発現したのがその証拠だ。

20██/1/5追記
SCP-1336-JPの収容プロトコルについて改定が行われた。

対象: SCP-1336-JP専門警備担当███

インタビュアー: イヴァン博士

<(20██/3/30 AM12:03)録音開始>

イヴァン博士: それじゃあ、君が体験したことを落ち着いて説明して。ゆっくりで構わないから。

警備担当: はい、はい。自分は……えっと、ヘッドホン?みたいなものをつけて、SCP-1336-JPの収容室の扉を夜9時から明け方3時まで警備してるんですけど……

イヴァン博士: それで、何があった?

警備担当: ついさっき……11時をちょっと過ぎた頃に、その……[口ごもる]

イヴァン博士: 正直に。

警備担当: はい……実は、あのヘッドホン、すごく耳を圧迫するんです。それでその、耳が痛くなってしまって……

イヴァン博士: 外した?

警備担当: ……はい。でもすぐ戻すつもりでした。何かあったときは██……もう1人の警備担当がいますし。えっと、すみません……

イヴァン博士: その件に関しては後日改めて処分を決める。今は続けて。

警備担当: ……それで……そしたら、向こう側……収容室の中から扉をノックする音が聞こえました。自分は鍵を持っていますが、危険物のチェックを受けていないので扉を開ける訳にはいかず、外からそれに返事しました。

イヴァン博士: SCP-1336-JPはなんと言ったんだ?

警備担当: 確か……「夜遅くにごめんなさい。ガーゼか、包帯を持っていませんか?」と。それで自分が、「持っていない。どこか怪我をしたのか?」と応えました。やつは「大丈夫。ありがとう、おやすみなさい」と言って、それで静かになりました。こんなことは初めてだったので、博士に無線を繋げました。

イヴァン博士: そう。それで私は君にこう言った。「収容室内部を確認するように。ただしSCP-1336-JPと会話をしたり、非常事態時を除いて30秒以上扉を開け続けたりしてはならない」。

警備担当: そして、もう1人の警備担当はヘッドホンを外すなとも。

イヴァン博士: ああ。

警備担当: 言われた通り、少しだけ扉を開けました。嫌な臭いがした。やつは、洗面台の前に立ってました。いつものあの黒い服を上だけ脱いでいて、裸の背中が……[深呼吸]……傷まみれの真っ赤な背中が見えました。自分と一緒に覗きこんでいた██が驚いていると、やつは濡らした白い布……枕カバー?で血を拭いながら、咳きこんで、その度に洗面台に何か吐きました。その時に、こっちに気がついて……

イヴァン博士: [頷く]

警備担当: SCP-1336-JPは服を着て、「こんばんは。何かお悩みが?」と笑いました。それで自分は、イヴァン博士やドクターを起こしに走りました。……自分が話せるのはこれだけです。

イヴァン博士: ……そうか。

警備担当: あいつはどうなったんです?

イヴァン博士: 今調査を行ってる。君はもう休んでいい。

警備担当: ……わかりました。

<録音終了>

20██/3/30 追記
のちの観測により、SCP-1336-JPは、SCP-1336-JP-1を発現した際に該当者の話した内容によって可変するダメージを負うことが判明しました。(以降SCP-1336-JP-1と記載があった場合、この事実を含むものとします)当該者の話す時間が長いほど、傷は範囲が広く、程度が悪くなります。
現在に至るまで財団がその事実に気づけなかったのは、SCP-1336-JPの着用する衣服がSCP-1336-JPの血液を吸収・消滅させる素材でできていたためでした。この衣服の素材は100%リネン製でそれ以外に特筆するような特徴はなく、衣服がどのように血液を消滅させているのかは判明していません。

現在確認されている傷の種類は、打撲傷、裂傷、擦過傷、やけど、凍傷、銃創、化学的要因による損傷、骨折、捻挫です。SCP-1336-JPがウィルス・細菌・寄生虫による感染症に罹患することはありません。
さらに傷は、SCP-1336-JPの肉体内部にも出現します。実験の結果、傷は未知の方法で発生し、会話中にSCP-1336-JPの肉体にリアルタイムでダメージを与えることが判明しています。
衣服で隠されていないところへ傷が発現することはありません。
SCP-1336-JPの自然治癒力は人間のそれと同じかそれよりも低く、またSCP-1336-JPには不死性がないことから、以降SCP-1336-JPとプライベートな会話、および10分以上の対話を伴う実験を行うことは禁止されます。

日時: 20██/4/1

SCP-1336-JPは防音性の高い人型収容室に移送されました。
入口の施錠、24時間体制での監視、SCP-1336-JPとの会話の禁止を徹底してください。

日時: 20██/4/18

表面的な傷のうち、特に程度の低い22%ほどが回復しました。
SCP-1336-JPが英語版旧約・新約聖書の文庫を要求したため、これを受理しました。

日時: 20██/4/25

傷の治りが遅くなっています。19日から本日に至るまで、体表の目立った傷にはほとんど変化が見られません。
SCP-1336-JPは自身の傷の治りについて、「以前はもっと早かったはずです」と述べています。
SCP-1336-JPの自然治癒力は、条件によって変動すると思われます。

日時: 20██/4/27

傷の回復が完全に膠着しました。
SCP-1336-JPは朝食と昼食を摂らず、「みなさんと話がしたい」という主張を職員に繰り返しています。

日時: 20██/4/28

食事を摂ること、直接対面はせず通信機器を媒介することを条件に、SCP-1336-JPにDクラス職員との5分間の対話を許可しました。
対話開始から34秒後、SCP-1336-JP-1の発現とほぼ同時に、SCP-1336-JPや収容室に不審な動きがないのにも関わらず、SCP-1336-JPの左上腕に直径7センチほどの円形の打撲傷が発生しました。
対話終了後、SCP-1336-JP、Dクラス職員のどちらも対話について好意的な感想を述べました。

日時: 20██/4/30

傷の回復が再開しました。SCP-1336-JPの治癒力は、SCP-1336-JP-1の発現によって活性化するようです。
本日以降、再び傷の回復が膠着状態になった場合は、Dクラス職員とSCP-1336-JPとの5分間の対話を行います。

[文字の乱れが激しい]
日時: 20██/5/5

古い傷が治るよりも早く、SCP-1336-JP-1によって新たな傷が増えていく。
臓器の73%に損傷を受けているのに、なぜSCP-1336-JPは生きている?
そして、我々との対話をやめない?
これ以上の実験をやめ、SCP-1336-JPを永久に隔離する案も、いよいよ笑いごとでは済まされなくなってきた。

イヴァン・█・█████

日時: 20██/5/9

SCP-1336-JPは明日、特別収容室へ輸送されます。
以降、いかなる実験、インタビュー、その他SCP-1336-JPとコンタクトをとることは禁止されます。
SCP-1336-JPは夜食に無酵母パンとぶどう酒を希望したため、これを承認しました。

日時: 20██/5/10

本日午前6時6分、SCP-1336-JPの死亡が確認されました。
死因は出血多量による乏血性ショック、および血液による内臓圧迫、窒息でした。
すべてSCP-1336-JP-1による傷が原因で引き起こされたものですが、それならばSCP-1336-JPはもっと早くに死亡しているはずであり、なぜ今になってSCP-1336-JPが絶命したのかは不明です。
SCP-1336-JPの特別収容プロトコルについての改定が望まれます。

日時: 20██/7/15

アメリカ・テネシー州にあるサイト-████から、SCP-1336-JPに酷似した特長を持つオブジェクトを保護したとの連絡を受けました。イヴァン博士を含む数名の職員が当該オブジェクトを確認しましたが、SCP-1336-JPに間違いないとのことです。
保管庫の監視カメラ映像を確かめたところ、本日の午前6時6分にSCP-1336-JPの死骸が消滅する瞬間が映っていました。
SCP-1336-JPが所持しているであろう蘇生能力、並びにテレポート能力についての解析が求められます。
なお、SCP-1336-JPのオブジェクトクラスはNeutralizedからEuclidに再変更されました。

SCP-1336-JPは132日間の活性期間と、不定期の非活性期間を繰り返します。活性期間中であればどのようなダメージを受けても生存し続けますが、132日が経過すると、それまでに一切のダメージを受けていない場合でも死亡します。SCP-1336-JPは死亡する前日の夜食に、必ず無酵母パンとぶどう酒を要求することが判明しています。
そして死後、最低でも13日の非活性期間が経過したのち、SCP-1336-JPは以前の記憶やダメージをリセットした状態で、財団に関係のある建造物を中心とした半径6km圏内の都市・町村・集落に再出現します。
SCP-1336-JPはどこへ出現した際でも、多くの人間が存在するコミュニティを渡り歩きながら財団の建物へ向かい、入口の扉をノックして保護を求めます。

さらに特筆すべき点として、SCP-1336-JPが死亡した際、該当者はSCP-1336-JPについての記憶を失うことが報告されています。SCP-1336-JP-1によって心因性の病が回復した該当者がいた場合、その事実が失われることはありません。

この現象は我々にとって都合が良すぎる。まさかこれも、SCP-1336-JPから我々へ施された"献身"だと言うのか? ██博士

SCP-1336-JPの収容時、および死亡時には、必ず財団本部へ連絡してください。

ページリビジョン: 3, 最終更新日時: 22 May 2019 16:45
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