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nn5n: scp-1453-JP 魂重計
EuclidSCP-1453-JP 魂重計Rate: -2
SCP-1453-JP
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事案記録1453-JPにて出現した実体

アイテム番号: SCP-1453-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1453-JPは現在サイト-81██の収容室内に収容されています。実験を行う際は、セキュリティクリアランスレベル3以上の職員1名以上の許可を得た上で行ってください。被験者以外が非活性化時のSCP-1453-JPの音声を聞いた場合、クラスB記憶処理を適用し、サイト-81██から異動させてください。SCP-1453-JPの消失・転移を防ぐため、常に1名以上のSCP-1453-JP-1が存在するようにしてください。

説明: SCP-1453-JPは平板状のデジタル体重計です。見た目は██社より販売された型と酷似していますが製造番号や社名は記載されておらず、製造元の特定には成功していません。
SCP-1453-JPは後述の場合においてのみ起動します。電源ボタンのような構造は存在するものの、ただの装飾であると思われます。SCP-1453-JPには不明な動力源が存在すると考えられますが、SCP-1453-JPの破壊耐性により内部機構の調査には成功していません。
SCP-1453-JPはおよそ3ヶ月程度にわたってSCP-1453-JP-1によって使用されなかった場合消失し、半径約20km圏内のどこかに再出現します。再出現場所には殆どの場合、一人暮らしの住宅が選ばれます。

SCP-1453-JPには非活性化状態と活性化状態が存在します。非活性化状態において、SCP-1453-JPは起動していません。この時SCP-1453-JPの概ね半径5メートル以内では、不定期に音源不明の音声が流れます。その内容は主に、「救済」「解脱」といった宗教的文言を用いてSCP-1453-JPの使用を促すものです。この音声は影響範囲のどこであっても一定の音量で流れるため、防音装置によって防ぐことは不可能です。
この音声を聞いた人物には「SCP-1453-JPを使用したい」という欲求が生じます。聞き始めならばこの欲求は微弱なものであり本人の自制によっても耐えられますが、聞いた回数や時間が増すほど欲求が高められるため自制が難しくなり、最終的にSCP-1453-JPの使用を試みるようになります1

毎日午後9時になるとSCP-1453-JPは起動し、5分間活性化状態に変化します。起動したSCP-1453-JPを通常の体重計と同様に使用すると、SCP-1453-JPは使用者(SCP-1453-JP-1に指定)の本来の体重を計測・表示することはなく、代わりに「21g」とのみ表示します。この際、SCP-1453-JP-1は「脳に直接語りかけられるような」と表現する音声2を知覚すると同時に、多幸感を得ていることを報告します。これ以後SCP-1453-JP-1はSCP-1453-JPを使用する度に音声を知覚するようになります。この音声はいかなる機器を用いても観測することはできず、SCP-1453-JP-1にのみ知覚できるものと思われます。また、SCP-1453-JP-1へのインタビューより、この音声からは魅惑的な声で「現世に留まることの否定」「空虚こそ至高である」といった内容の「お告げ」が告げられるとの証言が得られました。

SCP-1453-JP-1はSCP-1453-JPの使用後、「痩せなければならない」「今のままでは重すぎる」などと語るようになり、「ダイエット」と称して自己の生活習慣を変化させます。変化後の生活習慣には法則性が見られませんが、毎日午後9時頃になるとSCP-1453-JPを使用し、「重さ」を計測しようとする点が共通しています3
SCP-1453-JP-1が「ダイエット」を続けるほどSCP-1453-JPに表示される数値は減少していきます。それにつれて次第にSCP-1453-JP-1は外部からの刺激に鈍くなり、最終的に無気力状態になります。この無気力状態であっても「ダイエット」は続けられ、毎日SCP-1453-JPを使用する動きは変わりません。
「ダイエット」はSCP-1453-JPに表示される数値が「0g」を示すと終了します。これを確認したSCP-1453-JP-1は興奮した様子を示した後、死亡します。また、SCP-1453-JPの使用を妨害することでSCP-1453-JP-1を死亡させずに、「ダイエット」を続けさせることができます。事案記録1453-JPを参照してください。
「ダイエット」の期間は、財団の観測上最短で4ヶ月、最長で1年9ヶ月を記録しています。

観察記録1453-JP-1
以下にSCP-1453-JP-1の観察記録の抜粋を記載します。全SCP-1453-JP-1の観察記録については観察記録1453-JPを参照してください。

SCP-1453-JP-1 変化後の生活習慣 最終結果
SCP-1453-JP-1-A 毎日ジムに通い、トレーニングをする。 1年1ヶ月後に死亡。
SCP-1453-JP-1-C ポテトチップスとコーラのみを飲食し生活する。 7ヶ月後に死亡。
SCP-1453-JP-1-D。財団が最初に把握したSCP-1453-JP-1である。 5分おきに髪を1本抜き、保管する。2週間おきに保管した髪を全て燃やす。 6ヶ月後に死亡。当氏の異常行動を気にしていた親族からの通報によりSCP-1453-JPが発見され、収容される。
SCP-1453-JP-1-E(D-54189) 『走れメロス』『1984年』の全文暗記・暗唱を試みる。 9ヶ月後に死亡。
SCP-1453-JP-1-H(D-60098) 1日中部屋の隅に座り、微笑みながら監視カメラを注視し続ける。 1年9ヶ月後に死亡。
SCP-1453-JP-1-K(D-82057) 「我が娘のため」と称し梅ゼリーを全身に塗り生活する。なおSCP-1453-JP-1-Kに子供はいない。 4ヶ月後に死亡。

インタビュー記録

対象: SCP-1453-JP-1-E

付記: 本インタビューはSCP-1453-JP-1-Eの実験開始から3ヶ月後に行われた。無気力化が進行しつつあったため、興奮剤を投与した。

<録音開始>

岸田博士: ではインタビューを開始します。

SCP-1453-JP-1-E: お願いです。早くダイエットに戻らせてください。

岸田博士: 大丈夫です。聞きたい要件を話してくれればすぐに終わります。まずSCP-1453-JP-1-E、あなたのダイエットについてですが、なぜあのような内容なんでしょうか?

SCP-1453-JP-1-E: 主にそう告げられたためです。

岸田博士: 告げられた…というのは、SCP-1453-JPを使用する際に聞こえる音声のことですね。しかし、主とは一体何のことですか?

SCP-1453-JP-1-E: 我が主を知らないと言うのですか? なんと嘆かわしい…。しかし、それも仕方ないです。あなたは主の御機4を使ったことがありませんからね。 主は我々の救い主であり、崇高な理念をお持ちの方です。私は初めて御機を使ったときに告げられたダイエット方法を続けているのです。

岸田博士: しかし、ダイエットと言っても、あなたが痩せていっているようには見えませんよ。データによると、むしろあなたの体重は増加しています。

SCP-1453-JP-1-E: とんでもない。私は『走れメロス』を暗唱し、『1984年』を暗記するとき、確かに軽くなっていくのを感じます。あぁ、牢獄から脱し束縛を踏みつけ自由を手にするような快感です。人類は皆肉体の牢獄から解き放たれるべきですよ。

岸田博士: 肉体の牢獄…。もしや、「軽くなる」というのは…「魂が」ですか?

SCP-1453-JP-1-E: やっと気づきましたね。その通りですよ、博士。『メロスは激怒した。必ず、かの邪知暴虐の王を除かなければならぬと決意した。』 あぁ…また軽くなった! 本当に、今となっては暴君ディオニス、ビッグ・ブラザーすら愛おしい…。

岸田博士: しかし、科学的に考えて魂に重さなんてありません。仮にそうだとしても、魂が軽くなる…ということは感情や人間性を失うことではないのですか? 現にあなたが無気力になりつつあるように。

SCP-1453-JP-1-E: いやだなぁ博士、空虚こそ至高ですよ。感情なんてものがあるから無駄に人は悩み、苦痛を味わうのです。あるのは主への信仰心だけでいい。人間性なんてクソ喰らえ。主は私にそうお告げになられた。主へ魂を捧げることが最良の救済であり喜びです。

岸田博士: …そうですか。では、次の質問に移ります。

<重要度が低いため省略>

岸田博士: では、インタビューを終了します。

SCP-1453-JP-1-E: あぁ、最後に1つだけいいですか?

岸田博士: 何でしょうか?

SCP-1453-JP-1-E: お仕事に疲れたら、いつでも主の御機を使っても良いんですよ。「ここ」は、一瞬で全てが無に帰しかねない砂上の楼閣のような場所みたいです。きっとストレスも尋常ではないはずです。嫌なことは全て忘れて、あなたも共に救われると良いでしょう。

岸田博士: …インタビューを終了します。

<録音終了>

事案記録1453-JP
実験としてSCP-1453-JP-1-GによるSCP-1453-JPの使用を妨害した際に、妨害を行った財団の警備員が死亡しました。以下に本事案発生時の映像記録の書き起こしを記載します。

撮影者: 岸田博士

前記: 当事案の3週間前から、SCP-1453-JP-1-GによるSCP-1453-JPの使用を財団の警備員が妨害していた。そのため、あと1度SCP-1453-JPを使用すればSCP-1453-JP-1-Gは死亡すると思われる状態であった。

<録画開始>

[岸田博士と警備員が実験室へ入室する。]

岸田博士: こんばんは、SCP-1453-JP-1-G。今日も練り消しを作り続けているのですね?

[SCP-1453-JP-1-Gは反応を返さずに消しゴムをすりつづけている。SCP-1453-JP-1-Gの両手の爪は全て剥がれ、皮膚が裂けているものの気にする様子は見られない。]

岸田博士: やはり今日も無反応のようです。では、午後9時になるまで待機します。

<重要度が低いため省略>

[午後9時になり、SCP-1453-JP-1-Gが立ち上がりSCP-1453-JPに向かい始める。]

岸田博士: 午後9時になりました。では、SCP-1453-JPの使用を妨害してください。

警備員: 了解。

[警備員がSCP-1453-JP-1-Gの前に立ち、通行を妨げる。]

SCP-1453-JP-1-G: ………またあんたか。

警備員: 驚いた。そんな状態でも話せるんだな。

SCP-1453-JP-1-G: ……どけ。

警備員: 悪いがそれはできない。もうしばらくダイエットを続けてくれ。

[警備員がSCP-1453-JP-1-Gの両肩をつかむ。SCP-1453-JP-1-Gはうつむいて抵抗しない。]

SCP-1453-JP-1-G: ………たのに…。

警備員: 何だ? すまないが聞こえなかった。

SCP-1453-JP-1-G: ……待って…やった…のに。

警備員: 何のことだ?

SCP-1453-JP-1-G: …見たく…なかったのに。

警備員: …どうしたんだ?

SCP-1453-JP-1-G: ……もう遅い。[SCP-1453-JP-1-Gが興奮した様子で天を仰ぐ。] さぁ今こそ裁きの時! 魂の救済を邪魔する冒涜者よ! 恥を鉄道のレールに美術は書店を捨てコーラスさながら狂乱の孤独と共に臓物を焼き殺し運命を消毒。サファイア色の綻びが大地を揺らし拷問が開始され…

警備員: おい博士! 様子が変だ! だっ、離しっ

[突如警備員の頭上に現れたポータルより浅黒い人型の腕が出現し、警備員の頭部をもぎとる。警備員の遺体はSCP-1453-JP上に倒れ、未知の腕は警備員の頭部を持ってポータルより消失。]

岸田博士: …妨害は非常に危険であると思われるため、このまま撮影を続行します。

SCP-1453-JP-1-G:………こんな…低俗な減量なんて…見たく…。

[SCP-1453-JP-1-Gが警備員の遺体をどけ、SCP-1453-JPを使用する。SCP-1453-JPには「0g」と表示される。]

SCP-1453-JP-1-G: ……あぁ…救済…解放……主…主! たった今、禊は終わりました! 感謝致します! 私を、脱け殻にして下さって…。さぁ、私を…私をあなたの元へ…導い…て……。[SCP-1453-JP-1-Gが仰向けに倒れる。この時点でSCP-1453-JP-1-Gは死亡したと見られる。]

岸田博士: …ほ、微笑んでいる……。

<録画終了>

事案分析: 本事案を受けて、警備員を殺害した実体が「主」である、もしくはそれに類する存在ではないかとの提言がなされているものの、現在まで真相は不明。また、監視カメラの映像によると、警備員が上に倒れ込んだ直後のSCP-1453-JPには「0g」と表示されていた。

補遺: SCP-1453-1の遺体を解剖調査した結果、全てのSCP-1453-JP-1の松果腺5が喪失していることが判明しました。原因については現在調査中です。

ページリビジョン: 2, 最終更新日時: 06 Aug 2019 10:44
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