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nn5n: scp-1478-JP 精進落とし
SafeSCP-1478-JP 精進落としRate: 2
SCP-1478-JP
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SCP-1478-JP

アイテム番号: SCP-1478-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1478-JPが存在する建物とその周辺地域はカバーストーリー「老朽化」によって封鎖します。現在、財団フロント企業による公的な買収と新サイトの建設計画が進行中です。封鎖地域と市街地を結ぶ道路には警備員を常駐し、一般人の侵入を阻止してください。侵入された場合は記憶処理剤投与、適切なカバーストーリー適応の上、解放します。

SCP-1478-JP-2は現在サイト-81██の低脅威度物品保管ロッカーに収容されています。新サイトが建設され次第、移送予定です。

説明: SCP-1478-JPは長野県████市████山中にある「██████聖苑」という名の火葬場内に設置された火葬炉13基の内の1基です。SCP-1478-JP以外の火葬炉に異常性はありません。SCP-1478-JPに人間の死体(対象)が乗った台車が挿入され扉が閉まると、約90分の間どのような手段でも炉を開けることが出来なくなります。その後、炉と繋がった収骨室に1名以上の人物がいる場合、音源不明のベルの音1が鳴り、SCP-1478-JP-1とSCP-1478-JP-2(後述)の乗った台車が収骨室側に解放され、収骨室の扉は炉と同じく開かなくなります。収骨室内の曝露者は異常な状況にもかかわらず、SCP-1478-JP-1を躊躇なく摂取し、対象の話題を中心とした歓談を始めます2。SCP-1478-JP-1のほとんどが消費され、歓談が落ち着くと、台車は自動的に炉へ入ります。約10分後、骨壷を乗せた台車が再度解放され、収骨室と炉の扉が開閉可能となります。

SCP-1478-JP-1は懐石料理です。基本的に台車に乗せた対象の肉が使われますが、一部例外もあります。料理には肉以外にもさまざまな食材が使用され、料理に見合ったアルコール類も提供されますが、SCP-1478-JPがどのようにしてそれらを調達しているかは不明です。

SCP-1478-JP-2は1枚のメッセージカードです。対象に対する追悼の意、料理の説明等が印字されています。本文には常に対象の本名が記されますが、SCP-1478-JPが個人情報をどのように収集しているかは不明です。SCP-1478-JP-2を台車に乗せたままにした場合は収骨室から炉へ入った際に消失してしまいますが、SCP-1478-JP-1が消費される前に回収すれば、収骨室から持ち出すことが可能です。

実験記録1478-JP-1 - 日付20██/04/15

対象: D-8156428

実施方法: 健康で損傷の少ない成人男性の死体を使用。収骨室にDクラス職員を数名配置。

結果: 炉が閉まってから約90分後にSCP-1478-JP-1が出現、問題なく摂取された。イベント終了後、SCP-1478-JP-1を摂取したDクラス職員の胃の内容物の調査から肉料理に対象の体組織が使用されていたことが判明した。

SCP-1478-JP-2の内容: ██様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。まだ年若い青年の突然の悲報に、多くの方が驚きと悲しみを抱いたかと存じます。本日はステーキ、カツレツ、たたきといった、██様の瑞々しい魅力を精一杯生かしたお料理をご用意いたしました。故人を思い、親しむ皆様のご歓談の手助けになれば幸いです。

実験記録1478-JP-2 - 日付20██/04/16

対象: D-8133751

実施方法: 老齢の男性の死体を使用。収骨室にDクラス職員を数名配置。

結果: 炉が閉まってから約90分後にSCP-1478-JP-1が出現、問題なく摂取された。

SCP-1478-JP-2の内容: ███様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。壮大な大樹の年輪の如く、███様が刻まれた年月が偲ばれます。本日は煮込み料理を中心に、███様の奥ゆき深い味わいを引き出したお料理をご用意いたしました。故人の安らかなお眠りを皆様が和やかな気持ちでお見送りできるよう、心をこめておつくり致しました。

実験記録1478-JP-5 - 日付20██/04/20

対象: D-8142389

実施方法: SCP-████-JPの影響で白骨化した死体を使用。収骨室にDクラス職員を数名配置。

結果: 炉が閉まってから約90分後にSCP-1478-JP-1が出現、問題なく摂取された。イベント終了後、SCP-1478-JP-1を摂取したDクラス職員の胃の内容物の調査から肉料理には牛肉、鶏肉が使用されていたが、全体的に対象のDNAを含んでいたことが判明した。

SCP-1478-JP-2の内容: ██様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。ご生前のお姿からはとてもお変わりになられていると存じますが、その色合いやフォルムから、とても健康的で愛らしいお姿だったことが感じられます。残念ながらお料理のメインとして皆様にご提供することは叶いませんが、██様の芯に凝縮されたお力を最大限に引き出し、全てのお料理のお出汁として使用致しました。少しでも皆様がご生前のお姿をお心に残せることを願います。

付記: 以降対象の可食部が少ない事例に対しては類似した結果となった。

実験記録1478-JP-12 - 日付20██/04/26

対象: D-8167399

実施方法: 健康で損傷の少ない成人男性の死体を使用。収骨室への人員配置なし。

結果: 炉が閉まってから約90分経ってもSCP-1478-JP-1は出現せず、収骨室の扉が開閉可能であることが判明した。1時間後、骨壷の乗った台車が出現し、通常骨壷と共に出現することの無いSCP-1478-JP-2が添えられていた。

SCP-1478-JP-2の内容: ██様のご逝去に際し、あいにくお見送りのお客様の到着が間に合わなかった様子のため、僭越ながら私共から██様へ弔辞をお送りいたします。██様、貴方様は今この様子を遠い彼方からご覧になり、ご自身が無価値になったような、とても虚しい気持ちに苛まれているかもしれません。しかし、人は人として生まれた、それだけで素晴らしい価値があるのです。残念ながらその価値を分かち合うべき皆様がこの場に集まることは叶いませんでしたが、私共は貴方様を味わい、偲び、心からその恵みに感謝しています。私共のこの喜びが貴方様の御霊に伝わり、安らかなお眠りの一助になることを心からお祈り申し上げます。

補遺1: SCP-1478-JP発見以前、「██████聖苑」のスタッフである████氏が行方不明となっていることが判明しました。以下は同施設で働く████氏の同僚へのインタビューです。

対象: ████氏の同僚である山本氏

インタビュアー: エージェント早贄

付記: インタビューは警察関係者を装い、████氏失踪事件の調査を名目として行われた。

<録音開始>

エージェント早贄: まずは████さんの職場での様子を教えていただけますか。

山本氏: 真面目で丁寧で、あー、人の気持ちを汲んでやれる、よく出来た人だよ。普通ここではそういう他人の事を考えれるヤツは、大体早いうちに潰れちまうもんなんだけど。

エージェント早贄: ████さんもそうだったと?

山本氏: あの人は違ったなあ。俺みたいに無頓着なわけじゃなくてさ、ちゃんと相手の気持ちに寄り添うことができるし、でもそれに引きずられることもなくて、次はもっとうまくやろうとか、そういうの前向きに考えられる人だったよ。

エージェント早贄: 私生活はどのような様子だったか、教えていただけますか?

山本氏: 俺とはシフトや昼飯がかぶることが多かったから結構話したけど、休みの日は旅行で寺とか神社とか回ってるって言ってたな。あと、なんていうか職歴がすごくてさあ。

エージェント早贄: というと?

山本氏: 葬儀ディレクターとか、納棺士とか、とにかく葬儀関係ばっかで、法事の仕出し料理出すとこの調理担当とか、坊主の見習いやってたこともあるって言ってたよ。

エージェント早贄: それは、すごいですね。

山本氏: ほんと葬式のことなら任せろって感じ。

エージェント早贄: ████さんはなぜそこまでの熱意を持って働いていたのでしょうか。

山本氏: ちょろっとだけ聞いたことがあるけど、何でも子供のころに両親亡くして、それが飛行機事故で遺体が見つからなかった上に頼れる親戚もあんまいなかったらしくってさ、ちゃんとした葬式してやることが出来なかったんだって。それがきっかけで、遺族が後悔無く見送ることの出来る方法について考えるようになったらしい。最後に故人を直接お見送りできることは、悲しいけど素晴らしいことなんだって、これから生きる人たちの慰みにして欲しいって。

エージェント早贄: なるほど。

山本氏: こだわりある人だったけど、だからって周りに同じレベルの対応強いることもないし、上下関係無くスタッフ全員への気遣いなんかも出来てたし、要するにめっちゃいい人だったわ。

エージェント早贄: そうですか。████さんがいなくなる前になにか変わったことはありましたか?

山本氏: えっと、いなくなるちょっと前くらいに京都に旅行に行った時の話を聞いたんだけど、そこでたまたま大学時代の同級生に会って色々話したら、なんか社長だか資産家だか知らないけど偉い人になってたらしくて。

エージェント早贄: ほう。

山本氏: 今まで疎遠だったけど久しぶりに話したらすっげえ盛り上がったみたいで、もしかしたら自分の理想の形を見つけたかもしれない、その人が実現のための手助けをしてくれるんだって、すっごく嬉しそうに話してたよ。俺は相手が葬儀会社かなんか経営してて、そこがよさそうだから転職すんのかなーと思ってさ、「████さんここ辞めちゃうんですか?」って聞いたんだ。そしたら、「そんなことない、ここが気に入っているからまだまだ一緒にここで働くよ」って言ってくれて、それ聞いてちょっと嬉しかったんだけどなあ。

エージェント早贄: しかし、それからしばらくして████さんはいなくなったと。

山本氏: そ、急に出勤しなくなってさ。独身だし親戚とかも疎遠だし、上司が大家に言って家に入ったらしいけどもぬけの殻だし。捜索願は会社が出してくれたみたいだけど、大人だし、家荒らされた後もないし、警察もあんま真剣に探してくれないんじゃないかなーと思ってたんだ。だけど、俺なんか事情聴取してくれたり、結構ちゃんと調べてくれてたんだね。

エージェント早贄: ええ。

山本氏: ████さんは、見つかりそう?生きてるかどうかもまだわかんないの?

エージェント早贄: あいにく現段階でお答えすることは出来ませんが、気になりますか?

山本氏: あー、そうね、いや、できれば生きててまた一緒に働ければ一番いいんだけどさ、やっぱ結構時間経ってるし、ほら、最悪の事も考えられるじゃない?縁起悪いけどさ、そしたら俺が████さんの葬式だしてやりたいんだよ。金はかけられないけど、できるだけ綺麗に見送ってやれたらなあって思って。だって、あんなに人様の見送りに真剣に向き合ってた人がさあ、自分の見送りしてもらえないなんて、なんか悲しいってか、やるせないよ。

エージェント早贄: そうですね、善処します。

<録音終了>

補遺2: 財団によるオブジェクトの本格的な収容直前、SCP-1478-JPを指定した火葬の依頼がありました。以下は搬送された遺体の胃の中から見つかったメモです。

████くんへ

少々面倒な手合いに目をつけられたかもしれない。その話が本当なら、次の食事会には出席できないだろう。

遠方でもゆっくり上等の柘榴料理が楽しめる、良い場所ができたと嬉しく思っていたんだがね。
非常に残念でならないよ。

まあ、今の君なら新しい環境でもそれなりにやっていけるだろう。今後も精進し給えよ。

手塚

page revision: 3, last edited: 16 Oct 2019 15:22
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