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nn5n: scp-1742-JP キツツキの腹中で
SafeSCP-1742-JP キツツキの腹中でRate: 9
SCP-1742-JP

アイテム番号: SCP-1742-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1742-JPはサイト-8181の低脅威度収容チャンバーに収容されます。SCP-1742-JPの内部から発せられる音は録音され、通常の状態から逸脱していないか検査されます。

説明: SCP-1742-JPは背に穴が空いたキツツキ目キツツキ科クマゲラ属(Dryocopus martius)を模した彫刻です。体長は6m72cmです。SCP-1742-JPは背面に人間が侵入できる楕円形の穴が空いており、縦の長径は72cm程です。内部は完全な暗闇になっており外部からは視認できませんが、内部から音が発生しており、その音響の波形により内部の大きさはかなり広大であることが確認されています。内部調査を行うため、Ⅾクラス職員の派遣が決定されました。以下は調査の音声記録です。

音声記録1742-JP

被検者: D-1725

付記: D-1725には標準的な探索装備を支給しています。

<録音開始>

D-1725: えー、内部の侵入に成功しました。映像と音声は届いていますか?

千賀博士: 音声は届いています。映像記録については事前の推定通り映っていませんね。 

D-1725: 了解しました。じゃあ説明すると、とりあえずここは博物館?かなにかのエントランスのように見えます。天井は高くて、ここを見渡せるような通路が各所にあります。少なくとも6階まではあるように見えますね。ただ、その上にもまだ階があるのが見えます。

千賀博士: 他には何かありますか?

D-1725: 正面に1つだけ扉があります。

千賀博士: では、中に入ってみてください。

D-1725: 分かりました。……廊下に出ました。左右に児童が描いたような鳥の絵がたくさんありますね。あれ、博士…?聞こえてますか?

千賀博士: 問題ありません。聞こえています。

D-1725: おかしいな…返答がない。1度部屋を出てみますね。

[この後、数度の検証により外部からの通信のみが遮断されていることを確認した。]

D-1725: えー、じゃあ続けます。次の部屋です。同じように鳥の絵がたくさんあります。絵は違いますが上手さは大して変わらないですね。

[省略]

D-1725: 児童が書いたような鳥の絵がある部屋から8番目の部屋まで来ました。段々上手になってますね。絵の数は変わらず左右の壁に30ずつあります。

[省略]

D-1725: 23番目の部屋まで来ました。だいぶ絵が綺麗になってきてますね。……ああ、さっきは鳥と伝えましたが、木を突いてる絵が多いのでキツツキのかも知れません。

[省略]

D-1725: 86番目の部屋です。キツツキの絵は写真になったようです。いや、模写でしょうか…見分けがつきませんね。

[省略]

D-1725: [小さな悲鳴]……すみません少し取り乱しました。179番目の部屋です。本物のキツツキが置かれて…いや、彫刻ですかね。ガラスケースの中に入っているのでよく見えませんが……動いていないので多分彫刻なのではないかと思います。次にいきます。

[省略]

D-1725: 548番目……だったかな。カウント器を使ってはいるんですが自信がなくなってきました。少し疲れてもきてます。時間は……ああ、入ってから15時間も経過していたんですね。そちらではもう夜でしょうか。

ただ、空腹や眠気は感じません。さっき疲れたといいましたが、どちらかと言うと精神的なものが大きいです。現に足の重さは感じません。ただ少し休憩を取りたいと思います。

[簡易寝袋などを広げていると思われる音が記録される。4,5分程度の時間がたった後、再び音声が入る。]

D-1725: 休憩を取ろうと思ったんですが、なんでしょう…キツツキに見られている感じがして、落ち着けなかったのでやめました。部屋を戻ろうかとも思いましたが、2つ前以上の部屋は開かなかったので断念しました。

実際のところキツツキに見られているんだと思います。でも、彫刻ですから、なんでしょう、昔見たトリックアートのような仕掛けでもあるのかもしれません。体の疲れはないので先に進みます。

[省略]

D-1725: 926番目の部屋です。キツツキが本物になりました。ずっとこちらを見ているので気味が悪いですね。こっちに飛びかかっては来ないようで、それだけは安心です。進みます。

[省略]

D-1725: 2796番目の部屋です。多分。キツツキがうるさく鳴いているので早めに抜けます。

[省略]

D-1725: 3879番目の部屋です。最初は汚い絵だったキツツキが、模写といえるほどにまでなり、彫刻になり、本物になりました。どこまで続くんでしょうかこの部屋は。

[省略]

D-1725: 4108番目の部屋です。4次元のキツツキになりました。進みます。

[省略]

D-1725: 17921番目の部屋です。9次元。進みます。

[省略]

D-1725: 続く扉はなくなりました。ここが最後の部屋なんでしょうか。[削除済]番目の部屋です。カウント器が4桁までしかなかったので少し誤差はあるかもしれませんが。

最終的にキツツキは4次元、5次元と続き[削除済]まで来ました。この部屋はキツツキの中です。内包されています。どこまで行ってもキツツキの中ですが、とりあえず帰還を試みてみます。最後の部屋まで来たので帰れるかもしれません。

[省略]

D-1725: 最後から3つ目の部屋も開きました。帰ります。

<記録終了>

終了報告書: 実験開始から約23日後、オブジェクトの背面からD-1725が帰還しました。軽度の精神的疲労を訴えていましたが、肉体的な問題はなく、精神的なケアを行う予定です。

補遺2: D-1725は探査終了より強い恐怖感を訴えています。記憶処理はこの対策に効果を持ちませんでした。継続的なメンタルケアが求められます。
追記: D-1725はメンタルケアの最中に恐怖感の原因について触れました。D-1725がその理由について触れたのはこれが最初です。以下はその内容です。

面談記録D-1725-11

面談者: 一能医師

対象: D-1725

<抜粋開始>

D-1725: 先生は……私が探査した場所についての場所についての報告書を読みましたか?

一能医師: ええ、たくさんの……キツツキがいたそうで。

D-1725: ええ、たくさんのキツツキがいました。でも、あの場所の本質はそこじゃないんです。

一能医師: 本質……とは?

D-1725: 私はキツツキを見ました。2次元、3次元、4次元、それよりもっと上のものも。でも、それはキツツキが見えたのではないのです。ただ、上の次元を眺め見ただけなんです。

一能医師: 上の次元とはなんでしょうか。

D-1725: 私達はいわゆる3次元という場所に生きています。そしてその上、4次元より上までは見ることが出来ません。私達の影は平面、つまり2次元です。それより下の1次元は見ることが出来ません。見る方法を知らないで生きているからです。

私が見たのは[削除済]次元のキツツキですが、そのために私は[削除済]次元まで1度辿り着いたのです。そこにいたのは、[削除済]次元だけではなく、3次元、2次元、4次元などたくさんのキツツキでした。

私が得たのは他の次元への到達方法です。2次元と3次元しか知覚できない世界で生きてきた私は、他次元への到達にあのキツツキの中で成功したのです。あの扉は、次元の跳躍を許す扉でもありました。私は、その次元にいられるなら、新たな次元のキツツキを見ることができるようになったのです。おそらく、あなた方がたった今なんらかの手段で上の次元に辿り着いたとしてもキツツキは見えないでしょう。しかし私は見ることが出来ます。

ただし、ここに帰ってきてからもう4次元以上のキツツキは見えません。私たちは、自分の次元にいる以上の次元を知覚できないのです。

私は、いくつもの次元を扉を介して越えてきました。始まりの扉は2次元から始まりました。私は、あのエントランスが最初の次元であったことに、帰ってきてからようやく気が付いたんです。

<抜粋終了>

補遺3: 20██/██/██にD-1725が自室で死亡しているのが発見されました。取り付けられた監視カメラからの映像にはD-1725がキツツキについて言及しながら収容房を走り回る様子と、走り書きを残す様子が映されていました。メモには短いメッセージと点が残されています。D-1725が行動を始めてから3分27秒後、D-1725は悲鳴を上げながら死亡しました。ただし、検査の結果からはD-1725の体に一切の外傷は発見されていません。以下は、その映像の中でD-1725が記したメモの画像です。

一次元ツツキ.jpg

D-1725により残されたメモ。

ページリビジョン: 3, 最終更新日時: 19 Oct 2018 14:07
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