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nn5n: scp-1470-JP サイト-81VAの緊急避難経路
EuclidSCP-1470-JP サイト-81VAの緊急避難経路Rate: 70
SCP-1470-JP
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避難経路.jpg

光源点灯時のSCP-1470-JP

アイテム番号: SCP-1470-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1470-JPの2つの出入り口の存在地点を中心とする半径1kmの範囲を、カバーストーリー(”個人所有地”)を適用し、立ち入り禁止区域としてください。SCP-1470-JP内部は等間隔に光源を設置し、常時途切れることのないようにしてください。実験は得られる結果が収集し終わったとして今後無期限に凍結されます。

説明: SCP-1470-JPは放棄済サイト-81VAに存在する緊急避難経路です。経路は地下3kmに存在しており、外部から観測できる全長はおおよそ3,600mで、反対側の入り口は付近の[削除済]に接続しています。エコーロケーションなどで外部から内部の状況を調査する試みは、存在を隠匿するために用いられていた[編集済]などの影響により失敗しています。

SCP-1470-JPの異常性は、備え付けられた電灯群を消灯した状態で内部に侵入することで発生します。内部に被検者が侵入したのち、1つ、または多数の足音が確認されます。これらの音源は特定されていません。この足音は被検者がSCP-1470-JPの奥深くへと進んで行く毎に、近づいてくるように確認されますが、この原因は不明です。また、内部では被検者の恐怖の感情が通常より強く発露します。財団の作成した″耐恐怖指数テスト″で50以下のスコアの被検者については、大抵の場合内部50m以上の調査をすることが出来ないため、出来るだけ高いスコアを記録した被検者を実験に使用することが望まれます。

内部に侵入した後は被験者が死亡、もしくはSCP-1470-JPから脱出するまで、不明な原因により備え付けられた電灯群、もしくは外部からの照射機が機能しなくなります。例外として被験者が内部に持ち込んだライトなどは使用することができますが、光源の強さに関わらず最大0.2m程度しか視認することはできません。

被検者: D-1856

支給された装備: 標準探索装備、2L(水)のペットボトル2本、携帯食料。

付記: D-1856は[削除済]年の自宅放火事件で逮捕されており、被虐待歴があります。耐恐怖指数は82です。

[録音開始]

D-1856: 侵入したぞ。

ラン博士: オーケー、D-1856。まわりに何か見えるか?

D-1856: いいや、なにも。というか真っ暗で足元すらぼやけて見えるぜ。前方には、通路の出口なのかな、小さい光が見える。小指ぐらいの大きさしかないけどな。

ラン博士: 前方の光は待機している奴らが出口側から内部を照射している光だろう。では奥へ進んでくれ。何か異変があれば報告するように。壁に落書きがあるとか、それ位のことでも構わないよ。気晴らしぐらいには付き合おう。

D-1856: ありがたいね。不気味だし、俺もあんまり長居したくない場所だ。さっさと通り抜けるよ。

[省略]

D-1856: うぉっ、なんだこれ。

ラン博士: どうした。D-1856。

D-1856: 地面が真っ赤だ。薄暗くて気が付かなかったな。多分歩き始めは普通だったような気がするんだが。

ラン博士: 赤……、血か?

D-1856: いいや、違うな……。[D-1856がしゃがみ込む音] クレヨンで塗りつぶしたみたいな……、いいや、口紅か?

ラン博士: 口紅?

D-1856: わかんねぇ、真っ暗なんだよ。でもなんかの匂いがする……。[D-1856の舌打ちの音が入る]気にしてもしょうがなさそうだ。進むぞ。

ラン博士: そうか、またなにか気が付いたら報告してくれ。

D-1856: あぁ、なんかあったらな。今は気分が悪いから黙りたいが。

[省略]

ラン博士: D-1856、目視では出口までどれぐらいのところに来た?

D-1856: 大して変わらねぇな。小指ぐらいの出口が親指ぐらいになったぐらいだよ。ここ、ホントに出られんのかよ。

ラン博士: 入り口があるのだから出口もきっとあるだろうさ。

D-1856: そうだと良いけどな。

[所持している計器からD-1856の心拍数の上昇が確認される。]

ラン博士: D-1856、なにかあったか?

D-1856: いいや、何もないな。……いや、後ろから足音が聞こえる……ハイヒール?

ラン博士: 後ろから?何か見えるのか?こちらは何も聞こえないぞ。

D-1856: いいや、音だけだよ。でも確かに後ろから来てる。気味が悪いな。

ラン博士: 何か音に変わりがあれば教えてくれ、些細なことで構わない。

D-1856: 分かった。気持ち悪いから少し急ぐからな。

[心拍数の上昇が再び確認される。]

D-1856: こっちが足を速めると向こうもついてくるみてぇだ。クソ、音がでかくなってきてやがる。

ラン博士: こちらでも音を確認した。なるほど、ハイヒールか何かだな。

D-1856: 分析どうも、マイクから陽気な音楽でも流してくれないか。不安でしょうがないんだよ。

ラン博士: 生憎、持ち合わせがないな。

[心拍数の上昇が確認される。]

D-1856: 頼むよ、恐ろしくて仕方がねぇ。足音がさっきより近いんだよ。

ラン博士: こちらでも音が大きくなったのを確認している。

D-1856: そういう問題じゃねぇよ!なんかが確かに来てんだよ。頼むよ。音楽でなくともなんでもいい。

[心拍数の上昇が確認される。]

D-1856: ああ、また近づいて来てる。もう耳元で鳴ってるみたいだ。助けてくれ。走らないと、もっとはやく。

ラン博士: D-1856、落ち着くんだ。

D-1856: 近い、近い、近い。後ろまで来てる。追いつかれちまう。肺がいてぇ。脚がもつれる。

[録音されている足音がD-1856の音声をかき消すほどにまで大きくなる。]

ラン博士: D-185……。

[心拍数の上昇が確認される。]

D-1856: [悲鳴]

[急激に心拍数が上昇し、計器が心肺活動が停止したことを示す。録音された鈍い音はD-1586が倒れた音だと思われる。]

ラン博士: D-1856。応答を。

[D-1856は応答しない。先ほどまで確認されていた足音は遠ざかっていき、2分35秒後に消失した。]

[録音終了]

被検者: D-1857

支給された装備: 標準探索装備、2L(水)のペットボトル2本、携帯食料。

付記: D-1857は[削除済]年の愛犬家一家殺人事件で逮捕されています。また、その時の怪我により右脚が義足です。耐恐怖指数は86です。

[録音開始]

D-1857: 博士、侵入したぜ。

ラン博士: よし、内部の状況はどうだ?

D-1857: 入る前に聞いてた情報と変わりねぇな。後ろは真っ暗、前に小さな光が見えるだけだ。

ラン博士: そうか、足元はどうだ?赤くないか。

D-1857: 足元……?いや、コンクリートか何かだな。赤くはない。

ラン博士: そうか、先を行くと何か変化が出るかもしれない。進んでくれ。

D-1857: 了解。

[省略]

D-1857: おっと、あぶねぇ。

ラン博士: どうした?

D-1857: なにも。ただ地面が荒れてて足を取られただけだ。危なくてしかたねぇな。壁伝いに歩いた方が良さそうだ。

ラン博士: そうか、万が一とは思うが義足が壊れないか気を付けてくれ。ゆっくりで構わん。

D-1857: ゆっくりね、さっさと抜けちまいたいところだがな。

[省略]

D-1857: 博士、さっき気が付いたんだが、壁にでっかい絵みたいなのが描いてある。

ラン博士: 絵?どんな絵だ。

D-1857: 良くわかんねえ。本当に壁一面に描かれてるし、子どもが色鉛筆で描いたみたいな出来なんだ。ただ、茶色くて……脚が4本あるのかな、それと耳がついてる。なんかの動物だと思う。

ラン博士: 動物か。他には何かあるか?

D-1857: なんも、気味が悪いし鼻がむずついてきたからさっさと進むぜ。

ラン博士: 鼻がむずついてきた?

D-1857: 俺、動物とかのアレルギーなんだよ。なんか体もむずついてきたしそれかもしんねぇ。早くここから出てぇよ。薄暗くて気持ち悪い。

[計器からD-1857の心拍数の上昇が確認される。]

D-1857: 待ってくれ、博士、なんか聞こえる。

ラン博士: こちらは何も聞こえない。

D-1857: なにかが走ってくる音が聞こえる……、4本脚?人間じゃねぇ。

ラン博士: 人間じゃない?動物じゃないか。さっきの絵と関係があるかもしれない。

D-1857: 絵と関係?絵から出てきたって言うのかよ。勘弁してくれよ。

[D-1857の心拍数の上昇が確認される。]

D-1857: クソ、近づいてきてる。助けてくれ。

ラン博士: 足音がこちらでも聞こえた。一応、音楽を流す用意ならあるんだが。

D-1857: いらねぇよそんなもん。どうやってこっから出ればいいんだ。

ラン博士: 前に進むしかない。

D-1857: クソッ!まだ何kmもあるんだぞ!

[D-1857の心拍数の上昇が確認される。]

D-1857: また近づいてきてる。どうにかなりそうだ。助けてくれ。

ラン博士: D-1857、とにかく落ち着いて進むんだ。

D-1857: 脚が痛ぇ。右脚が痛くてたまんねぇ。脚が進まねぇよ。追いつかれちまう。頼む。

[D-1857の心拍数の上昇が確認される。]

ラン博士: 落ち着くんだ。右脚は義足だ。痛まない。

[足音がD-1857の音声をかき消すほどにまで大きくなる。]

D-1857: 痛いんだよ。動けない。でもまた近づいてる。追いつかれる。後ろに来てる。追いつかれ……[悲鳴]

[D-1857の心拍数が急激に上昇した後、心肺活動が停止したことを計器が示す。]

ラン博士: クソ、またか。

[D-1857は応答しない。先ほどまで確認されていた足音はイヌの鳴き声と共に遠ざかっていき、1分47秒後に消失した。]

[録音終了]

被検者: D-1858

支給された装備: 標準探索装備、2L(水)のペットボトル2本、携帯食料。

付記: D-1858は今回の実験において恐怖の感情を発露させないため、扁桃体1を切除する開頭手術を行っています。耐恐怖指数は98です。

[録音開始]

ラン博士: D-1858、聞こえるか。

D-1858: 聞こえてますよ。大丈夫です。

ラン博士: そうか、周囲の様子はどうだ。

D-1858: 事前に聞いた情報通りで変わりありませんね。

ラン博士: 了解した。奥へ進んでくれ。

D-1858: 分かりました。

[省略]

D-1858: [小さな金属音] 何かを蹴飛ばしたみたいです。金属……ですかね。

ラン博士: 何の金属だかわかるか。

D-1858: どうでしょう。間近で見てみないと。[衣擦れの音] いたっ。

ラン博士: どうした。怪我をしたのか。

D-1858: 少し指先を切りました。これは……メス、でしょうか。手術道具の。

ラン博士: メス……、メスか。怪我をした指先の方は大丈夫か?

D-1858: 少し血は出ていますが。特には。

ラン博士: そうか、出来るだけ気をつけて奥に進んでくれ。

D-1858: 分かりました。

[省略]

ラン博士: D-1858、異変はないか?

D-1858: 何もありませんが、なぜでしょう。

ラン博士: 事前の説明通り、そろそろ何かが起こる頃合いなんだ。何か音は聞こえないか?

[D-1858の心拍数に変動はない。]

D-1858: いいえ、特には。

ラン博士: そうか、気を付けて進んでくれ。些細な変化でも良いから報告するように。全てが重要事項だ。

D-1858: 分かりました。必要があれば。

[省略]

ラン博士: D-1858、出口までどの位あるか、検討は見当はつくか?

D-1858: 出口まで……、大体5キロ位に見えます。だんだん近づいて来ています。

ラン博士: 良い傾向だな、後ろから物音はしていないか?

[D-1858の心拍数に変動はない。]

D-1858: しきりにそればかり気にしますね。全くなにも。

ラン博士: そうか、普通であればそろそろ頃合いのはずなんだ。聞こえるはずだと思うんだが、立ち止まって確認してみてくれないか?

[D-1858の心拍数に変動はない。]

D-1858: いいえ、やはりなにも。

ラン博士: そうか、気にしないで進んでくれ。

[省略]

D-1858: だいぶトンネルの出口の近くまでこれました。あと1キロもしないうちに出れそうです。

ラン博士: そうか、後もう少しか。少し拍子抜けだな。

D-1858: このまま、外に出れば良いんですよね?

ラン博士: ああ、反対側で他の職員が待機している。見付けたら合流してくれ。

D-1858: 分かりました。

[省略]

D-1858: もうそろそろ、外に出られそうです。200mも歩けば出れるはずでしょう。

ラン博士: そうか、出られそうか。最後まで気を抜かないで進んでくれ。向こう側にいる職員達はみえるか?

D-1858: いいえ、白い光だけがあるようで、その先は見えません。でもしっかりと出口は近づいてますよ。

ラン博士: ならいいんだがな。もうすぐだ。頑張ってくれ。

D-1858: そういえば——

ラン博士: どうした?

D-1858: この通路、反響しないんですね。

ラン博士: ああ、そうだな。普通の通路みたいには音は響かない。

D-1858: 別の物が反響してるのかな。

ラン博士: なに?聞こえなかった。もう一度言ってくれるとありがたいんだが。

D-1858: いいえ、独り言です。それより、今から外に出ます。

ラン博士: ……分かった。合流できたらその場の職員の指示に従ってくれ。

D-1858: 分かりました。それでは。

[D-1858の心拍数に変動はありませんでした。]

[録音終了]

付記: 探査後行われた検査では、D-1858の人体に一切の外傷は確認されませんでした。

ページリビジョン: 18, 最終更新日時: 05 Jan 2019 16:02
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