nn5n Foundation
Branch of SCP Foundation
nn5n: scp-231-JP 安眠時計
SafeSCP-231-JP 安眠時計Rate: 9
SCP-231-JP
scp-231-jp-1.jpg

SCP-231-JP-1

アイテム番号: SCP-231-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-231-JPはゼンマイが完全に解けた非活性状態で保管してください。緩衝材を詰めた金属製の箱に納めサイト-8181の施錠可能な低脅威度保管ロッカーに収容してください。取り扱いおよび実験の際は防音、密閉された部屋で行い、被験者以外はSCP-231-JP-1が発する音を直接聴くことがない状況で行ってください。被験者が第一段階、第二段階で実験を終了した場合、SCP-231-JPの影響と思われる精神的症状が解消または緩和されるまで観察期間を置いてください。被験者を第二段階より先に進める実験を行う場合はセキュリティクリアランス3以上の職員の了承を得てください。その場合の実験は防音機能を備えた破棄・破壊が容易な実験用コンテナを用いて行い、被験者と実験用コンテナは実験終了時に確実に終了および破棄してください。

説明: SCP-231-JPは収容当初は発見者の証言もあって、何らかの要因で対象の意識を失わせるオブジェクトだと考えられていました。しかし、その後の実験で対象を眠らせるオブジェクトであることが判明し、さらに影響下で長時間眠った対象を奇妙に変異させる特性が確認されたため、SCPナンバーとオブジェクトクラスが割り当てられました。

SCP-231-JPはSCP-231-JP-1とSCP-231-JP-2の二つで構成されています。
SCP-231-JP-1は見た目は一般的な振り子付きゼンマイ時計です。SCP-231-JP-2はSCP-231-JP-1に付属するゼンマイを巻くための合金製のネジです。SCP-231-JP-1はSCP-231-JP-2を用いてゼンマイを巻くことで活性化します。

活性状態のSCP-231-JP-1は、針が動く音と内部の機械構造が稼働する音を通常の時計よりも遥かに大きな音で発します。その音量はSCP-231-JP-1の正面5mの距離で90デシベル相当が測定されました。SCP-231-JP-1が発する音を直接聞いた聴覚を有する脊椎動物(以下、被験者)は急激な眠気に襲われ、被験者や周囲の状態に関係無く、その場で睡眠状態に入ります。睡眠状態に陥った被験者は現在のところ第四段階まで変化することが確認されています。
SCP-231-JP-1についての実験報告書

SCP-231-JP-1は外装は木材で作られているにも関わらず、いかなる損傷・破壊を受け付けません。振り子窓から確認されたSCP-231-JP-1の内部は一般的な時計の機構とは大きく異なり、精密な部品が入り組んだ過密な構造をしています。またそれらの部品には錆や摩耗が一切見られません。SCP-231-JP-1から振り子を含むあらゆる部品を取り外す試みは成功しておらず、小型カメラの侵入も不可能だったため、内部の構造は完全に把握されていません。活性化状態のSCP-231-JP-1は最大で24時間、ゼンマイが解けるまで正確に時を刻み続けます。活性状態のSCP-231-JP-1はゼンマイが解けるまで非活性化しません。激しい振動や強い衝撃など外部からの要因では停止せず、振り子の固定や機構に異物を挟み込むなど故意にSCP-231-JP-1の停止を試みた場合、SCP-231-JP-1は一時的には停止しますが、数分から数十分の間にそれらの要因を破壊します。

SCP-231-JP-2もSCP-231-JP-1と同様、破壊や損傷を受け付けません。SCP-231-JP-2はSCP-231-1にのみ使用可能であり、他のゼンマイ時計では使用不可能でした。同様にSCP-231-JP-1のゼンマイはSCP-231-JP-2でしか巻くことができません。SCP-231-JP-2は何者かに所持されていない状態でSCP-231-JP-1から約5m以上離れた場合、瞬時にSCP-231-JP-1の振り子窓の内部に移動します。所持は生きた脊椎動物の肌や皮膚、体毛など体の一部に直接触れている状態を指します。

来歴: SCP-231-JPは██県██村で発見されました。当時、所持していた██氏はSCP-231-JPを趣味の登山中に発見した廃墟で見つけ持ち帰ったものと証言しています。██氏は件の廃墟からSCP-231-JPの他に複数の機械部品を持ち帰っており、その事を奇妙な噂として聞いたエージェントが確認に向かいSCP-231-JPを発見、収容に至りました。██氏は一度だけSCP-231-JPの影響を受けたようですが、それは不注意でSCP-231-JP-1を落としたことにより、完全に解けていなかったゼンマイが解けたごく短い活性状態でした。██氏は数分から数十分の間だけ睡眠状態に陥り、そのことを気味悪く思った氏はSCP-231-JPを家屋の外の物置に収納していました。それ以降、エージェントが収容するまでSCP-231-JP-1の影響を受けませんでした。SCP-231-JPと廃墟から持ち帰った物品の収容の後、██氏は記憶処理が行われ、廃墟で発見した物品は全て「オカルトチックな失神事件」の後に処分したと記憶が書き変えられました。

補遺-1: SCP-231-JP-1に被曝した被験者へのインタビュー記録

対象: Dクラス職員:D-23106

インタビュアー: ██研究員

付記: D-23106は第二段階を48時間経過後にSCP-231-JP-1の影響を取り除かれ、その後27分後に起床しました。D-23106の睡眠時間の合計は120時間です。その後6日間、通常のコミュニケーションが不可能な異常な興奮状態が続いたため、聴取はD-23106の精神状態が落ち着いてから精神安定剤を処方され行われました。実験終了直後、鎮静剤を用いた上で健康診断が行われましたが、身体的な異常は見られず実験開始直前と同様の健康状態であることが判明しています。

<録音開始>

██研究員: では、D-23106。話を聞かせて頂きます。

D-23106: あぁ。分かった。

██研究員: では、実験開始から。貴方が時計のネジを巻いてからですね。どのようなことがあったか話して貰います。

D-23106: どんなことって言ってもなぁ。あの時計、すっげぇでかい音が出たろ。それでビックリしたんだが、なんか、急に眠たくなったんだよ。力が抜けるっていうか。あぁ、もうこれ寝ていいかなって思っちまって。

██研究員: おかしな質問かもしれませんが、眠っている間に何か変わったことは? 例えば夢を見たとか、何か感じたとか。

D-23106: ホントにおかしな質問だな。いんや、特に変なことは無かったな。夢も見ないくらいグッスリ寝れた……気がする。

██研究員: 気がする、とは?

D-23106: ん、なんていうか、寝たんだよな、俺。すっごいよく寝れたんだ。けど、時間の感覚が無いんだよなぁ。ほら、よくあるだろ、夜中に布団入ったらもう朝が来てた、とか。そんな感じなんだ。

██研究員: そうですか。今もよく眠れますか。

D-23106: いいや、普通だな。普通。

██研究員: 普通とは?

D-23106: そりゃあ……んー……そうだな。寝てすぐ朝が来るなんて感じじゃなくて、ちゃんと寝た気がするってとこか。夢見たり、夜中に起きちまったり。

██研究員: そうですか。では、あなたは何度も時計のネジを巻いていましたね。何故ですか?

D-23106: 何故って。うーん、なんでだろうな。寝足りなかったんだ。寝足りなくてもう一回寝ようとしたんだけど、時計が止まってて、あぁ、そうだ。時計を動かしたらまた寝れるって思ったんだ。

██研究員: なるほど。では実験終了後。貴方が起きた時のことですが、覚えていますか? 時計が無くなっていた時のことです。

D-23106: えっ、あ、あー。[7秒沈黙]何か、酷く暴れた気がするんだが。あれ、夢じゃないんだよな。

██研究員: えぇ、夢ではありません。その時のことを話してください。

D-23106: あー。詳しくっても、何というか夢みたいな感じなんだよな。よく覚えてないんだ。

██研究員: そうですか。

D-23106: そういや、あの時計って今どこにあるんだ? なんか、あの時計が無くって、なんか、こう、不安っていうか、そんな感じの気分になったみたいな感じなんだ。なんであんな古時計にそんなこと思ったのか分かんねぇけどな。

██研究員: 不安、ですか。

D-23106: うん。あぁ、あれだ。子供の頃ってお気に入りの毛布とか枕とかあったろ。そうそう、落ち着くってのが一番しっくりくるな。あんなバカデカい音なのにな。不思議と落ち着いたんだ。

██研究員: 子供の癇癪みたいな、ということでしょうか。

D-23106: そう言われるとなんか嫌な感じだな。まぁ、うん。近いもんだと思う。

██研究員: 今もあの時計の音を聞きたいと思いますか。

D-23106: そりゃ、な。普通に寝るよりあの時計の音を聞きながらの方がよく寝れそうな気がするし、何より落ち着くしな。そうだ、あの時計の実験? とかいうのって俺はまた参加できるのか?

██研究員: 申し訳ありません。私の方から答える事はできません。他には何かありませんか? ないようでしたら、このあたりでインタビューを終わらせていただきますが。

D-23106: じゃあ、部屋に目覚まし時計とかって用意してくれねぇかな? デジタルのじゃなくて、針が動くやつで。

██研究員: 申し訳ありません。私の方からは用意できません。報告だけはしてみます。

<録音終了>

対象: ██研究員

インタビュアー: ███博士

付記: ██研究員は非活性化したSCP-231-JPを抱え、サイト内の廊下で倒れているのが発見されました。██研究員は実験が終了したSCP-231-JPを保管する際に、完全に非活性状態に出来ていなかったSCP-231-JP-1に被曝したと当初は思われていました。この件で他のSCPオブジェクトへの影響はなく、██研究員以外の被曝者はいませんでした。██研究員は発見後9分ほどで目を覚まし、簡単な事情説明をした後にインタビューが行われました。

<録音開始>

███博士: では、██さん。少しインタビューさせて頂きます。

██研究員: はい。[5秒沈黙]申し訳ありませんでした。

███博士: 一体何があったのですか? ██さんは何故廊下で寝ていたんですか?

██研究員: 申し訳ありません。私が動かしました。

███博士: 動かした、というのはSCP-231-JPをですか? まさか、1のネジを巻いたんですか?

██研究員: はい。あの、今、SCP-231-JPは?

███博士: 問題無く元の場所へ収容されました。何故動かしたのですか?

██研究員: [沈黙]

███博士: ██さん、答えてください。何故、SCP-231-JPを動かしたのですか?

██研究員: 申し訳ありません。少し、興味が湧いてしまったんです。実際に聞いたらどんな音で、それで寝れたらどんな感じなんだろうって。

███博士: それが収容違反だと理解していても、ですか? それにあれで眠り続けた被験者がどうなるかも知っていますよね?

██研究員: はい。し、しかし、数分だけなら何ともないはずです。それに、あの辺りは人の出入りも少ないしSCPオブジェクトもないですし。

███博士: 人が少ないから大丈夫という訳でもないでしょう。それにあれの性質を考えれば人がいないほうが危険でしょう。少しだけ少しだけと巻き続けて延々と眠り続けた被験者もいたでしょう。██さん、あなたが目を覚まして、周りに誰もいなかったら、同じことをしないという保証も無いんです。

██研究員: はい。仰る通りです。

███博士: 不用意な行動ですが、興味以外の理由はありますか? 被曝者の記録として残しますので教えてください。

██研究員: 被曝者。[5秒沈黙]そうですね。あの、実は、私、ここ最近よく寝れなかったんです。それで、SCP-231-JPを使ったらひょっとしたら、って思ってしまって。

███博士: なるほど。不眠症を解消できるかもしれない、と思ったのですね。それで、実際に聞いて眠ってどんな感じでしたか。

██研究員: えっと。そうですね。確かに寝たはずなんですけど、なんだかあまり寝た気がしないんです。

███博士: 寝た気がしない、とは?

██研究員: これは、今までの被験者のインタビューでも聞いてきたことなんですけど、寝てすぐ起きたみたいな、目を閉じているうちに一気に時間が経っていたみたいな感じなんです。私は時計、いえ、SCP-231-JP-1のネジを巻いて倒れたんですけど、気付いたら医務室にいて。まるで気絶したような感じでした。

███博士: そうですか。他には?

██研究員: あの、私はどうなるんでしょうか? SCP-231-JPの実験は?

███博士: 現時点で明確なことは言えませんが、今回の件がオブジェクトによる精神影響の可能性が全く無いとも言い切れません。SCP-231-JPには依存性も確認されていますし。しばらくは観察期間、というよりも調査期間が置かれることになるでしょう。

██研究員: そう、ですか。

███博士: 他に無ければ、これで聴取終了とします。

<録音終了>

終了報告書: 音声記録越しにSCP-231-JP-1の音を聞いた他の職員に同様の傾向は見られず、本件はSCP-231-JPの精神に作用する影響ではなく██研究員個人の資質と推測されます。██研究員はSCP-231-JPの収容違反およびオブジェクトの私的利用により、SCP-231-JPの実験から外されることになりました。

本件の後、SCP-231-JPは不眠・過眠を問わず、睡眠障害を持つ被験者に強く働きかけることが発覚しました。また██研究員はSCP-231-JPによる影響が懸念され、実験への復帰は見送られることになりました。

結局、彼女の不眠症はSCP-231-JPでは治らなかったみたいだけど。
                        ―███博士


補遺-2: ██氏が発見した廃墟は調査の結果、明治末期から昭和初期頃に建てられたものだと判明しました。しかし、不動産登記や建築記録などは発見されず、土地の所有者も存在しない人物でした。廃墟内にも建物や土地の持ち主および来歴を示す物品・資料は残されておらず、SCP-231-JPの来歴も同様に不明です。廃墟の大部分はSCP-231-JP-1の影響による侵食を受けており、建材や家財道具などの多くが海綿状に変化していました。また廃墟内に残されていた遺骸から少なくとも██人がSCP-231-JP-1の影響を受けていたと推測されます。

補遺-3: 事案231-█を受け、SCP-231-JPの実験に参加した財団職員は実験直後に1時間以上の睡眠または休憩をとってください。この時、腕時計や携帯電話を含めアナログ時計の形式で表示される時計が撤去された環境であることを必ず確認してください。

ページリビジョン: 13, 最終更新日時: 13 Jul 2016 15:03
Unless otherwise stated, the content of this page is licensed under Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License

Privacy Policy of website