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nn5n: scp-1088-JP 護りたい彼女を僕の手で
EuclidSCP-1088-JP 護りたい彼女を僕の手でRate: -5
SCP-1088-JP
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アイテム番号: SCP-1088-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1088-JPはその性質状完全な収容には至っていません。SCP-1088-JP-1を含むアパートは財団が管理下に置くフロント企業によって管理されます。一般人の入居は認められませんが住宅街に存在することを考慮し、周辺住民に不信感を抱かれないよう、SCP-1088-JP-1を除き財団関係者による90%以上の入居率が維持されるよう調整して下さい。また各部屋に設置されたインターホンはSCP-1088-JP-1を除き非モニター式へ改修されています。

24時間体制で監視が行われているSCP-1088-JP-1内において犠牲者の転移が確認された場合速やかに回収作業を行い、身元の特定の上適宜カバーストーリーを流布してください。

説明: SCP-1088-JPは██県██市内のモニター付きインターホンが設置された家屋でのみ発生が確認されている異常現象です。インターホンは室内に設置された親機と玄関に設置された子機による基本構成が確立されている限りはメーカーを問わず異常性の対象となります。

SCP-1088-JPは家屋内にてインターホン親機からモニター画面を起動させた場合に不定期に引き起こります。SCP-1088-JP事象の対象となると家屋全体が影響下となり、玄関に指定される出入口からの退室以外の入退室が不可能となります。親機のモニター画面には通常映し出される子機側の風景ではなく、後述のSCP-1088-JP-1に指定されるアパートの室内が映し出されます。また映像内にはSCP-1088-JP-Aに指定される人型実体が映し出されることが確認されています。

SCP-1088-JP-Aは20代前後のモンゴロイド系の女性に見えます。SCP-1088-JP-Aは毎回SCP-1088-JP事象発生から10秒程度でモニタの画面外から現れ、SCP-1088-JP-1内のモニタ画面を覗き込む仕草を見せます。この時のSCP-1088-JP-Aの様子は「外の様子を気にしている。」「怯えているようだ。」と評されます。またSCP-1088-JP-Aを視認した人物(以下影響者と呼称。)はSCP-1088-JP-Aを、SCP-1088-JP-Aの置かれている状況から救い出したいと考える精神影響を受けます。この精神影響は外部からの説得及び自身の意思により思い留まることが可能です。

SCP-1088-JP事象の影響下かつ、SCP-1088-JP-Aからなる精神影響を受けた状態の影響者は、玄関からの退出を試みます。これは影響者が無意識的に、玄関から退出した先がSCP-1088-JP-Aの存在する部屋に繋がると理解することによります。玄関から退出することにより影響者はその身体ごと消失し、約5分の後にSCP-1088-JP-1内に転移します。影響者が玄関の扉を開けた様子を外部から観測する試みは、現在まで失敗に終わっています。

SCP-1088-JP-1は██県██市内に存在するアパートの1室です。SCP-1088-JP-1内は転移事象が発生する以外、一般的なアパートにおける部屋と差異はありません。SCP-1088-JP-1内は監視カメラが取り付けられ24時間帯体制で監視されていますが、影響者がSCP-1088-JP-1内に転移される瞬間に不明なノイズが発生するため、転移の観測が成功した例はありません。SCP-1088-JP-1内に転移された影響者は例外なく死亡した状態で出現し、その身体には刃物で10箇所以上刺された痕及び、[編集済]と[編集済]が切除されている事が確認されます。SCP-1088-JP-1内に残される血液の量から、影響者が殺害されるのは消失から転移の間であると考えられています。

SCP-1088-JPの影響下に陥った家屋内のインターホンは、モニタ画面が時間経過で立ち下がる機能を喪失しますが、以下の何れかの条件を満たすことで異常性が消失することが確認されています。

  • インターホンの起動ボタンへの物理的接触により、モニタ画面が強制的に立ち下げられる。
  • 影響者がSCP-1088-JP-1へ転移する。

SCP-1088-JPは20██年以降に多発した██市内での不可解な行方不明事件の調査中に発見されました。調査の過程で██市内のとあるアパートの1室で複数体の遺体が積み重なっている形で発見され、それらの遺体全ての身元が行方不明者と合致したため、この2つの案件が同一の異常性からなると判断され収容の対象となりました。

補遺1: 以下はSCP-1088-JP-Aによる発話が初めて記録された実験の記録となります。

実験ログ1088ーJP-4
付記: 本実験ログはSCP-1088-JP-Aから受ける精神影響の度合いを確認するために行われた2度目の記録となります。

対象: D-8326

<記録開始>

[重要度が低いため中略。SCP-1088-JP事象発現の為のモニタ画面起動の試みが14回目を終えた直後]

磯谷博士: ではもう一度だ。繰り返して。

D-8326: はい。画面切ります。

[D-8326は起動ボタンを押し、モニタ画面を立ち下げる]

D-8326: もう一度起動させます。

[D-8326は再度起動ボタンを押す]

D-8326: 押しました……博士!画面が。

磯谷博士: あぁ、早かったな。こちらも確認した。画面に映る光景を報告してくれ。

D-8326: 一部しか見えませんが、1人暮らし用アパートの一室でしょうか?内装は非常にシンプルですね……これだと住人は男とも女とも判断し辛い……ん?

磯谷博士: どうした?

D-8326: 今一瞬何か見えたような……頭?

[SCP-1088-JP-Aがモニタに映し出される]

D-8326: は、博士!女性です、人が映りました。

磯谷博士: こちらも確認している。報告を頼む。

D-8326: えー、恐らく20代前半……もしかしたらもう少し若いかな……の日本人の女性に見えます。背丈は分かりませんが髪は黒髪に見えます。髪の長さは肩くらい……セミロングですかね。格好は寝間着って言うんですかね、一般的なパジャマに見えます。後これは個人的な意見ですが、かなり可愛いです。

磯谷博士: 客観的な意見だけで結構。他に気になる様子は?

D-8326: そうですね、何と言うかかなり怯えてるように見えます。何にと言われるとあれですが……外かな?私と同じように室内からモニタを見ているはずですから、外にいる何か……誰かに警戒している感じ……ですかね。息を殺して様子を窺っているようにも見えます。

磯谷博士: ありがとう。気になるのはそれくらいかね?

D-8326: ……博士、この娘困ってるみたいだ。助けに行っても良いですか?

磯谷博士: 構わないが、どうやって助けるつもりだ?

D-8326: どうやってって、玄関を開ければ直ぐ、あの娘の部屋だ。それでもう大丈夫だって、独りじゃないって安心させてやるんです。

磯谷博士: D-8326、君はそんなに正義感の強い人間だったかな。

D-8326: 私は……確かに、私のしたことは許されるべきことではないです。でもあれが私の正義です。ああするしかなかった……あれしか選択はなかったのです。だから今度は間違えたくない、誰も傷つけずに守りたいんです。

磯谷博士: 助けようとすることは、君の正義とやらに任せる。しかしD-8326、玄関を開ければあの娘の部屋だと言ったな。一般的に室内から玄関を開けると外だと思うのだが?

D-8326: えっ……あれ?そう、ですよね……いやでも[5秒ほどの沈黙]私の目の前のモニタ画面は玄関の先を映してるわけですから、あの娘の部屋が映ってるということは、玄関の先はあの娘の部屋に繋がっているわけで……。

磯谷博士: ……では一緒に確認しようか。1つ約束してくれ。勢いに任せて玄関から出ないことだ。まず玄関の扉を、体が玄関から外に出ないよう手だけで開けて、外の様子をカメラに映し我々に見せるんだ。そして私の指示の元、侵入を試みる。良いか?

D-8326: えぇ、それくらいお安い御用です。では早速良いですか?ほら、あの娘は未だ怯えています。今助けに行きますよ……ん?

磯谷博士: どうした?

D-8326: 今良く見えなかったですが、口元が動きませんでした?

磯谷博士: 本当か?[無線に繋いでいる]A班聞いていましたね、大至急解析を頼む。

D-8326: きっと早く助けてって言っているんだ……博士急ぎましょう。

[中略。D-8326は玄関前の扉に立っている]

D-8326: では開けますよ。

磯谷博士: 慎重にな。

[D-8326は右手をドアノブにかけ、腕を伸ばしながら扉を開ける]

D-8326: ……開けました。ほら、あの扉を開ければあの娘の所ですよ!

[映像には外の光景が映っている]

磯谷博士: すまないD-8326、私には外の景色しか見えないのだが、君にはどう映っているんだ?

D-8326: そんな、よく見てください。玄関のすぐ先には玄関があるじゃないですか。女性の靴が置いてありますし、右手には小さいキッチンが見えます。この廊下の先の扉を開ければ、あの娘がインターホンの前で怯えてるんだ。博士、私は行きますよ、バックアップをお願いします。

磯谷博士: あ、あぁ……止はしないが玄関を出るときだけは慎重に出てくれ。

D-8326: 分かっています、行きます。

[D-8326は左手を玄関の縦枠に手をかけ、身を乗り出し体の半分以上が扉の外に出ようとしている]

D-8326: 慎重過ぎますかね……あれ、急に暗いな……[叫び声]なんっ……だ!離せ!

[D-8326は何度も腕を引っ張られているような動作をしている。カメラ映像には不審な存在は映っていない]

磯谷博士: D-8326!何が起きている?報告してくれ!

D-8326: こいつ……!腕を!右腕を掴まれ……[叫び声]クソっ、何て力だ!おっ……お前が……お前なんだろ!

磯谷博士: D-8326!状況が把握できない!何が起きている!

[D-8326は玄関の縦枠を掴む左手と、右足を沓摺1に引っ掛け抵抗している。映像にはD-8326の右手が執拗に引っ張られているかのような様子が映っているが、D-8326の右手以外映っていない。D-8326の右手首は鬱血しているように見える]

D-8326: [叫び声]お前が!あの娘を……!はんに[叫び声]。

[D-8326の身体の全てが玄関から外に出る]

磯谷博士: D-8326!D-8326![5秒ほどの沈黙]……各員に告ぐ。D-8326の消失を確認。5分後のSCP-1088-JPー1への転移に備え、回収部隊は所定の位置に付け。残りは映像の分析を急げ。

<記録終了>

終了報告書: D-8326の消失と同時にD-8326に取り付けられていたカメラ・無線・GPSは機能を喪失しましたが、5分後の転移が確認されたと同時にこれらの機能は全て回復しました。転移されたD-8326は既に死亡しており、身体の1█箇所をナイフのような物で刺され、[編集済]と[編集済]が切除された状態で発見されました。後の映像解析の結果、SCP-1088-JPーAが以下のように発言をしていたことが判明しました。

「来ないで。」

分析: 結果は概ね予想通りではあるが、SCP-1088-JPーAの言動が気になるな。被験者は毎回ストーカーの立場に立たされ、誘き寄せられているかと思っていたが、実はSCP-1088-JPーAもこの異常に囚われている可能性も一考の余地がある。SCP-1088-JP-Aの怨念がそうさせているのか、SCP-1088-JP-Aを利用して目的を果たそうとしている何者かの意思なのか、追加の調査が必要だろう。-磯谷博士

補遺2: 20██年█月█日、財団の調査によりSCP-1088-JPーAと非常に酷似した人物の存在が確認されました。該当の人物は██県██市内にあるアパートの1室に住み、モデル業を生業としていた宮田███氏です。宮田氏は20██年██月█日に身体を鋭利な刃物で複数回刺されたことが原因で死亡が確認されています。また警察の調べでは、当時宮田氏はファンからの執拗なストーカー被害に悩まされていたことが記録されています。

補遺3: 20██年█月█日、財団の調査により当時宮田氏の交際相手であった新井██氏が、宮田氏の死亡した3日後に新井氏の住むアパートの自室で自殺をしている事が判明しました。部屋には遺書が残されており、内容から宮田氏が死亡したことによる後追い自殺であることが仄めかされると共に、犯人に対する憎悪の念が綴られていました。また遺書とは別に、新井氏の部屋には以下のメモが遺されていました。

守れなかった。俺があの娘を殺したんだ。今度こそ護りきる。

追記1: 後に行われた複数回の検証実験によりSCP-1088-JPーAが言葉を発する様子を確認した事例が新たに3件ありました。映像記録を分析した結果、以下のように発言していることが判明しました。

「来ちゃダメ。」

「誰かあの人を止めて。」

「貴方のやっていることは間違っている。」

追記2: 20██年█月█日現在、 宮田氏を殺害した犯人である████氏(以下D-7664と呼称。)が財団のDクラス職員として雇用されていることが判明しました。磯谷博士によりD-7664をSCP-1088-JP検証実験に投入する案が提起されています。現在この要請は財団倫理委員会及び日本支部理事の承認待ちです。

ページリビジョン: 2, 最終更新日時: 22 Jun 2019 05:19
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