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nn5n: scp-2632 怒りは無い
SafeSCP-2632 怒りは無いRate: 112
SCP-2632

アイテム番号: SCP-2632

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-2632はサイト-88の7階にある標準人型収容房に置かれます。拘束されている場合を除き、SCP-2632が職員と直接触れることは許可されていません。

説明: SCP-2632は異常な長寿を示す人間の一個体であり、あらゆる手段によって危害を加えることが出来ません。財団収容下に置かれている間、SCP-2632の老化は一切進行していません。

SCP-2632の物理的特徴は68歳の男性に準ずるものです。歴史的記録から、SCP-26321は1810年、西フロリダ共和国に生まれたことが確認されています。SCP-2632の観察結果、前述の歴史的記録、SCP-2632自身の証言から、異常性の原因となった事象は1878年に発生したことが示されています。

SCP-2632は他の異常性を持たず、多発性硬化症と合致する症状を示しています。SCP-2632の異常特性によって神経への追加的な損傷は発生していないと考えられる一方で、SCP-2632の応答は中度の神経障害を患った患者のそれに類似しています。

2003年、アメリカ合衆国ワシントン州において不成功に終わった死刑執行の後にSCP-2632は回収されました。SCP-2632は1994年にジョナサン・ガレットを殺害した罪に問われ、死刑判決を受けました。SCP-2632は処刑方法の選択を拒否した為、州法に基づいて2003年1月に絞首刑を受けました。SCP-2632の異常特性により、刑は無効となりました。試みの後、ワシントン州更生課に在籍していたエージェントらによって速やかに回収が行われました。

以下のインタビューは四回目に行われたものです。2

日時: 2003年2月5日
インタビュー担当: ウィリアム・ホスキンズ博士、SCP-2632研究主任
対象: SCP-2632
場所: サイト-88、C区域

対象の協力の促す為、ホスキンズ博士は対象との信頼関係の構築を指示されました。インタビューにおける当該部分は簡潔の為に省略されました。

SCP-2632: 正直に言えば、終身刑が良かったんだがな。

ホスキンズ博士: どうしてですか?

SCP-2632は数秒間言葉を止める。

SCP-2632: どうしてこうなったかをまだ言ってなかったな。

ホスキンズ博士: そうですね、話してみたいと思いますか?

SCP-2632: ずっと胸につかえてた話だからなあ、それは。

ホスキンズ博士: 私はこの場を離れることはしませんし、あなたもそうでしょう。話しましょうか。

SCP-2632: 誰かにこの話をする度に、そいつを殺すはめになるんだ。

SCP-2632は当人とホスキンズ博士を隔てるガラス壁を指で叩く。

SCP-2632: これがある今なら大丈夫そうだ。ワイオミングのクロスロードには行ったことあるか?

ホスキンズ博士: いいえ、無いですね。

SCP-2632: 綺麗な小さい町だ。昔はそうだった。嫁と弟を連れて、1867年にそこに引っ越した。

ホスキンズ博士: 妻、弟とは?

SCP-2632: べサニー・マンフレッドとジェイコブ・マンフレッドだ。弟はクソ臆病な奴で、戦争にも出なかった。嫁の方の父親と兄弟達は'海への進軍'で死んだ。母親は数年前に死んだ。あいつはどこにも行くところが無かったから、俺が引き取ったんだ。

ホスキンズ博士: クロスロードに連れて行ったのですね?

SCP-2632: ああ。ジェイコブが葬儀屋の仕事を始めるのを手伝ってくれるっていうんでな。あの欲深いクソ野郎にしては名案だった。毎週のように死体を埋めていたよ。

ホスキンズ博士: そして?

SCP-2632: 死ぬとか無くなるとかそういうのを、どうにか出来ないかと思い始めてな。誓って言うが、最初はやましい気持ちなんて無かった。それで酒屋でインディアンの一人に会った。最初は訳の分からん戯言だと思っていたが、少し酔いが覚めると、儀式について話始めたんだ。奴は死ねないらしい。それで興味が引かれたね。

ホスキンズ博士: インディアンはどうなったのですか?

SCP-2632: そいつがちょっと複雑でな。奴が言うには、友人の四人と一緒に儀式をやったらしい。一つ落とし穴があった。一緒に儀式をやった人間はお互いを傷つけることができる。唯一死ねる方法だ。

ホスキンズ博士: それでは、他の人達はどうなったのですか?

SCP-2632: 被害妄想を拗らせて、仕舞いだ。全員殺したんだと。全員。

ホスキンズ博士: はい。そしてあなたも儀式を執り行ったのですか?

SCP-2632: しばらくしてだ。準備をするのに少し時間がかかった。体の震えが始まっていたから、急ぎはしたが。

ホスキンズ博士: そして?

SCP-2632: それで、長い、長い人生の中で最大の間違いをやらかした。弟と嫁を儀式に付き合わせた。

ホスキンズ博士: 全員で行ったのですか?

SCP-2632: 大変な所は大体俺がやった。あの骨無しどもには辛い部分もあったからな。終わったときには、世界が変わったのを感じたよ。

ホスキンズ博士: 妻と弟はどうなったのですか。

SCP-2632: 終わった時に嫁は24だった。奴は36。俺は68だ。これ以上悪くならないとはいえ、体はロクに動かなかった。あとは想像通りだ。

ホスキンズ博士: 不倫ですか?

SCP-2632: 俺の目と鼻の先でな。落とし穴については黙っていたから、俺がやろうと思えばやれるとは知らなかった訳だ。

ホスキンズ博士: 実際にそうしたのですか?

SCP-2632: 直ぐにはしなかったさ。

ホスキンズ博士: つまり、いずれは?

SCP-2632: 儀式に使った子供の骨があってな、それをジェイコブの家に埋めたんだ。保安官に大金払ってガサ入れさせた。

ホスキンズ博士: 弟はどうなりましたか?

SCP-2632: 保安官が逮捕した。裁判はすぐ終わって、来週には絞首刑だ。俺は奴を弁護する振りをした。少しのモルヒネをやって、死んだ振りをしろと言った。

ホスキンズ博士: 成功しましたか?

SCP-2632: ああ。絞首刑は笑ったよ。誰かに感づかれないか心配だったが、頭もまともに上げられないみたいだった。掘った穴に運ぶまでの間もずっと寝ていたよ。7フィート直下だ。

ホスキンズ博士: 埋めたのですか?

SCP-2632: ああ。

ホスキンズ博士: 妻はどうしましたか?

SCP-2632: あいつはいい顔をしなかった。奴を埋めた墓で顔を出しにきた。全部白状して、目が覚めたら二人で町を出るんだと。

ホスキンズ博士: どうしたのですか?

SCP-2632: シャベルで頭の後ろをぶっ叩いて、穴に放り込んだ。

ホスキンズ博士: 二人とも埋めたのですか?

SCP-2632: ああ。あいつは死んで、弟は寝たままな。結局最後まで奴は起きなかった。

ホスキンズ博士: その後何が起こりましたか?

SCP-2632: 一人で町を出た。残る理由もなかった。

ホスキンズ博士: 弟が目覚め、自力で脱出するという事態を心配はしましたか?

SCP-2632: 土は重いもんだ。奴はあの中で120年は埋まっていた。

ホスキンズ博士: 120?クロスロードから転居したのは1867年でしたよね?

SCP-2632: ああ。まあ、俺は世界中を旅してきた訳だが、ことあるごとにクロスロードの様子は見てきたよ。人によっちゃ後悔に見えるかもしれねえが、俺としてはただあの男が土の中に埋まっているのを確認したかっただけだ。

ホスキンズ博士: 今はそうでないと?

SCP-2632: ああ。埋まっちゃいない。

ホスキンズ博士: つまり?

SCP-2632: 92年も昔、また一度確認に戻ったんだ。そしたらあの墓の真上にショッピングセンターが建つらしくてな。でけえ図体の機械がそこら中を掘り返していた。

ホスキンズ博士: 弟は見つかったのですか?

SCP-2632: 見つかったんだろうな、奴が俺を見つけたからには。実際に見たことはねえ。あの臆病モン、後ろから俺を掴みやがった。あんな風に怪我をしたのは何年ぶりだっただろうな。走りに走ったよ。どうしてそのまま逃がしたのか、今でも分からん。

ホスキンズ博士: その後はどうしましたか?

SCP-2632: 俺は家でただ焦ってた。結局、奴から逃げ切るには刑務所に入るしかないんだろうと思った。だからレーニア山に行って、パラダイスで見つけたキャンパーを一人殺した。ハイキング客が通りかかるまで、死体の横で座って待った。

ホスキンズ博士: なるほど。

SCP-2632: 俺にもう少し知恵があれば、死刑のない州を選んだがな。それすらしくじった。

ホスキンズ博士: 弟が追ってくる不安は今でもありますか?

SCP-2632: 今はそうでもないな。多分奴は俺がここにいることも知らないだろう。

ホスキンズ博士: どうして彼はあなたを追っているのだと思いますか?

SCP-2632: あんた、マジで言ってるのか。

ホスキンズ博士: ええ、記録の為です。

SCP-2632: あんたは、120年もの間動けず、息も出来ず、叫ぶことも出来ないままでいるのが想像できるのか?

ホスキンズ博士: それだけの時間であれば、発狂したのでは無いですか?

SCP-2632: だろうね。何度か頭がイカれただろうさ。そうしてまたシラフだ。俺が何を言っても気は変わらないだろうよ。きっと怒ってすらいないんだろう。奴は俺のしたことを分かってるし、理由も知ってる、奴は俺を同じぐらい痛めつけるまでやめはしないだろうな。

ホスキンズ博士: 分かりました。御時間をありがとうございます。明日以降はまた別の質問にくるかもしれません。

SCP-2632: 俺は構わないよ。

事件2632-63:

複数回のインタビューの後、SCP-2632に対してホスキンズ博士による形式外のインタビューが行われました。これらのインタビューは、異常性の獲得に至った儀式の詳細及び儀式の伝達を行った人物の特定を目的として行われました。インタビューの結果、両目標は達成されませんでした。2015年11月12日、12年の継続した収容の末、SCP-2632はホスキンズ博士を無防備なインタビューの最中に殺害しました。

SCP-2632と財団職員を隔壁で隔てない形でのインタビューは今後行われません。SCP-2632と研究員が直接立ち会う場面では、常にセキュリティ人員による警護が行われます。

エリザベス・レーン博士、SCP-2632研究主任

事件2632-65:

ホスキンズ博士の死を受けて新たな研究主任が任命されました。後続の研究主任であるエリゼべス・レーン博士によるインタビューは12月18日に予定されました。博士がエージェント・ビル・キャシディーと共にインタビュー室に入室した所、SCP-2632は精神異常によるものと思われる苦しみを訴え始めました。

SCP-2632は明瞭な返答を行うことが出来ず、エージェント・キャシディーの臨席に対して動揺していると推測されました。対象の平静の維持の為、以降のSCP-2632関連研究に際してエージェント・キャシディーが警護を行うことはありません。

エリザベス・レーン博士、SCP-2632研究主任

SCP-2632の非協力的な態度、精神状態、財団職員に対して危害を加える懸念、異常性を鑑みて、SCP-2632研究主任の命によって以下の対応が2016年12月20日に実施されました。

SCP-2632に関する研究は休止状態に再分類されます。

SCP-2632は拘束され、鋼鉄製の台の上におかれます。SCP-2632の損壊に対する耐性を利用し、SCP-2632とおよそ同サイズの鉛ブロックを押圧することでSCP-2632の型を取ります。押圧によるSCP-2632の拘束はSCP-2632関連研究の再開まで維持されます。

SCP-2632研究チームに所属していた人員は活動状態のプロジェクトに再配置され、以上の対応を以て特別収容プロトコルは改訂されます。

エリザベス・レーン博士、SCP-2632研究主任

提案された変更は消極的ながら認可されます。レーン博士には数日内の面会を要請します。あなたがエージェント・キャシディーの収容技術をこのような形で用いたことに関して話す必要があります。予定を考慮し、可能な限り速やかに面会に来て下さい。

シメリアン博士、倫理委員会連絡会

2016年6月8日、倫理委員会はSCP-2632に関するシメリアン博士の提案を承認しました。関連作業は2016年8月24日に完了しました。作業結果は以下に記載されます。

SCP-2632の親族に関する証言の正当性を判別する為、遺体発掘作業が行われました。SCP-2632が説明した埋め立て場所が発見され、同所から遺体が発掘されました。遺体は約50cmの深さに埋められていましたが、過去に少なくとも一人が埋め立て場所から除かれたか、自ら脱出したことが明らかになりました。

以下は、回収された遺体より再現された頭部の外見です。

SCP-XXXX-B%20Facial%20Reconstruction.jpg

遺伝子照合により、当該故人はSCP-2632の近縁な親族であることが示されています。故人の性別から、遺体はジェイコブ・マンフレッドの物であると考えられます。現時点におけるベサニー・マンフレッドの所在は依然として不明です。

ページリビジョン: 6, 最終更新日時: 25 Jul 2017 12:08
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