nn5n Foundation
Branch of SCP Foundation
nn5n: scp-2758 自己収容プロセスSelf-Containment Process
EuclidSCP-2758 自己収容プロセスSelf-Containment ProcessRate: 70
SCP-2758

アイテム番号: SCP-2758

オブジェクトクラス: Safe1

特別収容プロトコル: SCP-2758の影響は本質的にサイト-42、Safeクラス収容ウィングA4、収容室G14に制限されています。SCP-2758の唯一残存する構成要素SCP-2758-Aは収容室G14に留まる必要が有りからです。SCP-2758-Aを収容室G14から移動させるいかなる試みも禁止されています。

SCP-2758-Aへのインタビューのために、収容室G14には机・椅子・録音機が設置されます。収容室G14はインタビュー時を含め常に閉鎖されます。ドア操作機構は、標準人間型アノマリー収容プロトコルに従って特定IDカードを許可するようにプログラムされ、当該カードはサイト-42、Safeクラスロッカー#2758に保管されます。SCP-2758文書の閲覧権限は、特別研究許可を貰ったクリアランスレベル2以上の職員に制限されます。SCP-2758の起動要求はクリアランスレベル3以上の職員のみに許可されており、サイト-42超宇宙部門に報告しなければなりません。

18/07/22改訂: SCP-2758-Aの身体が収容室G14外部に存在できないため、収容室は標準人型アノマリー収容チェンバーの仕様に従って改造されました。

説明: SCP-2758はサイト-42Safeクラス収容ウィングA4収容室G14に入ることのみに依って開始する異常過程でした。どのような場合にも、入室に際して被験者は、二人の人物が第三の人物を収容室の中央に立たせて特別に設計された奇跡論的な過程2の発生の準備をしている会話を聞きます。3

この後――サイクルの開始から3分33秒――SCP-2758-Aと指定されている裸の人間男性が収容室の中心に出現します。霊気共鳴イメージングは奇跡論的粒子の強力な放出がSCP-2758-Aの出現に伴い、出現地点から3メートル以内に拡散することを示しています。いずれの場合にも、SCP-2758-Aは出現から3-7秒以内に消失し、4その前には局所的5ヒューム・レベルに30-80の間の変動が発生します。更なる異常な動作は、収容室G14を退出・再入室してSCP-2758の結果を初期化しないかぎり、これ以降発生しません。

SCP-2758-Aの消失は観測者が出現直後に収容室を退出し、ヒューム・レベルが再安定するとともに入室することで回避可能だと判明しました。原因は不明ですが、SCP-2758-Aは収容室G14から出られず、常にドアの通過とともに消失して、ヒューム・レベルに50-60の間の変動をもたらしてから基底状態に戻ります。発見以降、SCP-2758-AをSCP-2758過程や収容室G14から分離させる試みが19件有りましたが、全て失敗しています。現実錨はSCP-2758-Aとその周辺の分離を行えず、重複選択因果性エラーFold Selection Continuity Error67に依って操作不能に陥り、三件の例ではSCP-2758-Aを物理的に損傷させました。

18/07/22時点で、SCP-2758-Aは恒常的に収容室G14に収容されています。即ち、SCP-2758の全過程は機能しておらず、SCP-2758-Aは唯一の異常構成要素です。のは、SCP-2758-Aが収容室から出て強制的に消失したとき、SCP-2758が基本状態に戻ると考えられています。

SCP-2758は研究員M. ウィッカーフォードが18/07/10に収容室G14にSCP-████の収容準備を目的として入ったときに発見されました。SCP-2758の音声異常を感知し、彼女は即座に過程の一周期が終了すること無く退室しました。SCP-████は同じ収容ウィングの別の収容室に収容されており、数時間のうちにSCP-2758の事前調査チームが割り当てられました。詳細については以下を参照してください。

これらのログは文書化されており、所々にSCP-2758の過程そのもの――既に存在しない――に関して言及する場合が有ります。

以下に続くのは、SCP-2758の起動後にD-8239の録音装備が記録した会話の転写です。SCP-2758過程の最初の3分33秒はどの反復に於いても同様なため、このログは文書化された全てのSCP-2758-A出現以前におけるCP-2758過程の正確な転写となります。

ログ開始: 12:01:25
D-8239が収容室G14に入るよう指示される。
12:01:30 | 未知の人物1: 良し。できるぞ。やろう。
12:01:33 | 未知の人物2: USBは?
12:01:35 | 未知の人物3: ポケットの中だ。
12:01:38 | 未知の人物2: うん。やるときは手で握っとかないと。
12:01:40 | D-8239: おーい、聞こえるか?
12:01:44 | 監督者: そうしろとは言ってないですが。
12:01:45 | 未知の人物3: おう。チョークは有るか?
12:01:49 | 未知の人物1: ああ。始めるか。[不明瞭]はもう片方から始めろ。同時にやる。
12:01:51 | D-8239: そっちは何が起きる知ってるわけだな、俺とは違って。
チョークがコンクリートを引っ掻く音が聞こえる。
12:02:03 | 未知の人物1: 違う、違う、気をつけろ。それはまだ描くな。
12:02:10 | 未知の人物3: この間に喋っても大丈夫か?
12:02:12 | 未知の人物1: 駄目だ。前を見て何も考えるな。
12:02:17 | 未知の人物3: ちぇっ、分かったよ。
33秒間、会話は無い。
12:02:50 | 未知の人物1: (小さい声、未知の人物3からいくらから離れているようである。) これは奇跡論的シンボル・ラムダ、[不明瞭]が第四元素を変換させる。そっちが描いたのはオミクロン-8(?)、そして[不明瞭]が最初の二つを導いてくれる。
12:04:00 | 未知の人物2: で、後ろの二つが肉体と思考を運び、前の二つが精神と霊魂を運ぶ。合ってる?
12:04:09 | 未知の人物1: いや、後ろが肉体と精神、前が思考と霊魂だ。彼をX字に交差してるんだ、覚えたか?
12:04:16 | 未知の人物2: あー、うん。
12:04:18 | 未知の人物1: ちゃんとそう描いたな?
12:04:23 | 未知の人物2: もちろん。
12:04:26 | 未知の人物1: これ以上見ることができないからな、つまり――
12:04:28 | 未知の人物2: 分かってる。間違ってないよ。
12:04:30 | 未知の人物1: 了解。
12:04:32 | 未知の人物2: 本当にこうして良かったと思う? たった今トリップしてきた(?)。
12:04:36 | 未知の人物1: 落ち着け。心配すんな。適切な方法で現実を見るための手助けだ。何をしてるか分かるくらいには、俺たち、読み込んだろ。
23秒後、SCP-2758-Aが収容室の中央に出現する。それは混乱しており、 D-8239によろよろと向かうが、直後崩れ落ちて消失した。更なる異常現象は確認されない。
ログ終了: 12:05:05

18/07/22に、SCP-2758-AのSCP-2758過程からの隔離に初めて成功しました。D-8239はSCP-2758の出現後即座に収容室を退出するように指示され、ヒューム・レベルの変動が止むとともにDr. ウィッカーフォードが収容室に入りました。SCP-2758-Aはそれまでの試験と異なり、急速に消失しませんでした。このため、現在の研究員たちは、SCP-2758-Aの存在の安定性が局所現実の不安定化が発生する前後での観測に直接左右されると考えています。

ログ開始: 14:13:00
研究員ウィッカーフォードが収容室G14に入る。ヒューム・レベルは基底状態。
14:13:03 | Dr. ウィッカーフォード: こんにちは、SCP-2758-A。私はDr.ウィッカーフォードと言います。英語で良いですよね?
SCP-2758-Aは驚きを表している。
14:13:10 | SCP-2758-A: ああ、えーと、服は有りますか?
14:13:14 | Dr. ウィッカーフォード: ええ、もちろん。
研究員ウィッカーフォードはSCP-2758-Aに標準人間型アノマリー用衣服を手渡し、机に着席してそれが着衣するのを待つ。
14:13:38 | SCP-2758-A: うん、ありがとうございます。本当はさっきまで服を着てたはずなんですが。部屋も少し変わってるな。
14:13:45 | Dr. ウィッカーフォード: ここに現れた方法について情報提供できますか?
14:13:49 | SCP-2758-A: 目的が有ってここに来たんです。成功するとは思ってなかったんだけど、くそ。
14:13:55 | Dr. ウィッカーフォード: 『ここ』とは?
14:13:58 | SCP-2758-A: ああ、つまり――あなたは財団職員ですよね?
14:14:01 | Dr. ウィッカーフォード: ええ。意図的に財団の活動を探しに来たと?
SCP-2758-Aは数秒沈黙する。
14:14:22 | SCP-2758-A: すみません、今は本当に後悔してます。
14:14:28 | Dr. ウィッカーフォード: すぐに質問に答える必要は無いですよ。
14:14:32 | SCP-2758-A: ええ、分かりました。
SCP-2758-Aは倒れ込み、息を喘ぐ。
14:14:41 | SCP-2758-A: 気持ち悪い。くそ、大丈夫です。
14:14:44 | Dr. ウィッカーフォード: 焦らないで。それより医療班――
14:14:47 | SCP-2758-A: いえ、いいえ、俺はただ――興奮しているだけです。あれをやってるときは俺たち皆ハイだった。うまくいくなんて思わなかった。それとも? めちゃトリップしてるだけなのか今? 俺たちがうまくやったことは分かってるよ、誤解しないでくれ、でも――
SCP-2758-Aは壁にもたれ掛かり、揺れ動く。
14:15:00 | Dr. ウィッカーフォード: 分かりました、いずれにしろ、治療を優先して話は後にしましょう。あまり気分が優れないようですので。
研究員ウィッカーフォードはSCP-2758-Aを連れ出すため警備員二人を呼ぶ。SCP-2758-Aは同意したが、収容室を退出すると同時に消失する。頭部が収容室G14と外部の通路のそれぞれの空間の境界を通過する間は、身体の断面を通路側の職員・監視カメラが捉えており、その後収容室の外に崩れ落ちて衣服を除いて完全に消失した。
ログ終了: 14:15:30

18/07/22に、SCP-2758-AのSCP-2758過程からの隔離に再度成功しました。

ログ開始: 16:25:00
D-8239は収容室G14を退出する前にインタビュー・机の上に衣服を置いた。研究員ウィッカーフォードはSCP-2758に着衣のため、一分後入室した。ヒューム・レベルは基底。
16:26:03 | Dr. ウィッカーフォード: こんにちは、SCP-2758-A。
16:26:06 | SCP-2758-A: やあ。
16:26:08 | Dr. ウィッカーフォード: 以前の会話の記憶は有りますか?
16:26:12 | SCP-2758-A: えーっと、無いと思います
研究員ウィッカーフォードは机に着席する。
16:26:15 | Dr. ウィッカーフォード: 分かりました。では、他の方法を試してみましょうか。前回のインタビュー分析が正しいなら、あなたは意図的にここに来たようですね。あなたの出現は異常な過程の最終結果ですがこの収容室にのみ作用するようです。誰かが入室すると、おそらくあなたとその友人がある種の奇跡論的儀式の準備をしているのを耳にする。誰かが出現したあなたを数秒以上見続けると、あなたは消失する。あなたがこの収容室を出ると、あなたは消失する。これらの挙動全てがあなた方の意図ですか?
16:26:38 | SCP-2758-A: あー、違います。全部がそういうわけじゃない。
16:26:41 | Dr. ウィッカーフォード: あなたはSCP財団の存在を気づいており、確実に我々に接触しようとした、そうですね?
16:26:47 | SCP-2758-A: はい。誰も成功するとは思ってなかったけど。本音を言えば、今でもトリップしてるだけなんじゃないかと思います。
16:26:53 | Dr. ウィッカーフォード: 幻覚剤を使ったんですか? 前回もそう言っていましたが。
16:26:57 | SCP-2758-A: このふざけた儀式を始める前にそれぞれキメたんです。ああいうもんを使った方が自然かと思って。
16:27:02 | Dr. ウィッカーフォード: 分かりました。しかし、ここに現れた目的は何なんですか?
16:27:04 | SCP-2758-A: ああ、ええ。うー、空想科学部門の人とは親しいですか?
16:27:11 | Dr. ウィッカーフォード: そういうものは知らないですね。
16:27:13 | SCP-2758-A: 待ってください、クリアランス・レベルはいくつですか?
16:27:16 | Dr. ウィッカーフォード: 4です。何の関係が?
16:27:18 | SCP-2758-A: じゃあ、適切な臨時クリアランスを持ってないのかな。気にしないでください。説明の仕方が間違っていたのかも。でも俺の世界じゃ、SCP財団は単なる虚構小説の企画だったんだ。
16:27:24 | Dr. ウィッカーフォード: ふむ、ええ、一般的には、我々はあなたたちの世界に気づいています。超宇宙部門にとっては、他の世界と大差ない問題の一つです。
16:27:31 | SCP-2758-A: マジか? でも、自分たちが虚構だということについてはどう扱っているんですか?
16:27:38 | Dr. ウィッカーフォード: 我々は虚構ではありません。万一我々が――我々に限らない話ですが――、異なる現実においてどう描写されているかで自己を定義するなら、我々は『存在』しないでしょう。つまり、『現実』はこの現実だと定義されています。あなたがこの収容室の外で存在できないことを考えるなら、あなたの方が私たちの状況よりもさらに非現実的だと説くことも可能でしょう。8
SCP-2758-Aは苦悩を示す。
16:27:57 | SCP-2758-A: そうですね。
16:27:59 | Dr. ウィッカーフォード: ここに来た方法を詳しく説明できますか?
16:28:03 | SCP-2758-A: えー、すみません。俺たちが描いたものは現実的な科学分析や文書化をするには込み入り過ぎているんで、俺たちは――俺とジミーとジェーンのことだけど、俺の友達二人が一緒にやったんです――奇跡論的シンボルが俺たちの世界では作用できないはずがないって考え始めたんだ。つまり、誰もが試したことが有るでしょう? つっても、真剣にやってたわけじゃない、俺はそう思ってました。
16:28:28 | Dr. ウィッカーフォード: それで?
16:28:30 | SCP-2758-A: シンボルの創造や意味が重要だとは思うようになったけど、実際のやり方についてはテキトーでした。ジミーの個人的な哲学理論を基にしたんです。彼の意見だと、存在には四つの元素、即ち肉体・思考・精神・霊魂が関わっているんです。肉体は物理的な自己と五感と知覚。思考は人格で、肉体の存在とその使い方を理解する。精神は第六感で、生と死のエネルギーを感じ取り、行動の善悪を判別する。霊魂は自分そのもの、つまり肉体に宿る知性で、肉体を使って他の肉体に宿る霊魂と意思疎通をする。
16:28:59 | Dr. ウィッカーフォード: 興味深い考えです。この哲学にはあなたも同意しているんですか?
16:29:04 | SCP-2758-A: いや、全然。理屈立てられてはいると思うけど、それで存在の説明が全部できているとは信じられなかったです。
16:29:10 | Dr. ウィッカーフォード: 分かりました。それで、ここに出現することであなたの目標は達成できましたか?
SCP-2758-Aは収容室を見渡す。
16:29:19 | SCP-2758-A: 俺のSCP文書は読めますか? 俺がこの部屋の外に出られないなら別に良いですよね?
16:29:25 | Dr. ウィッカーフォード: 読むのに問題は無いでしょう。問題は既に完了していて、あなたは、その身体的な制限状況を除けば物理的に非異常ですから。出現以前の直近の記憶は有りますか?
16:29:37 | SCP-2758-A: ジミーとジェーンがチョークで最後のシンボルを描いてたところかな。それで肌が熱くなり始めたから目を閉じて歯を食いしばったんです。そこからマジで何か起きるかと思い始めました。その直後にはもうここに居ました。その狭間の時間は一瞬にも長くも感じました。まるで気づかずに眠りについて一瞬で朝になっていたときみたいな。夢を見たかどうかも分からないで、時間が失われたと感じるだけで。
16:30:02 | Dr. ウィッカーフォード: 良いでしょう。情報提供に感謝します、SCP-2758-A。近いうちに他の職員がインタビューを行う予定になっています。
研究員ウィッカーフォードはクリップボードを閉じて立ち上がる。
16:30:05 | SCP-2758-A: 俺にもう一度出て欲しくはないんですか? この部屋の外も歩けないんじゃ、収容難度なんて無いでしょう。俺はただ――
16:30:10 | Dr. ウィッカーフォード: お望みなら、我々はあなたをここに留めておきます。どちらの選択肢も妥当な収容プロトコルです。
16:30:15 | SCP-2758-A: ありがとうございます。あの狭間の時間は怖い。ありえない程長くてなのに何も覚えてないんです。でも、それが有って、それを感じたことだけは分かるから恐ろしい。何年にも感じました。うまく言えませんけど。
16:30:24 | Dr. ウィッカーフォード: 記録しました。この収容室を生活可能にする予定ですが、他に質問は有りますか? できることは有りますか?
16:31:00 | SCP-2758-A: 無いと思います。ありがとうございます、それとすみませんでした。
16:31:04 | Dr. ウィッカーフォード: 謝罪は不要です。
ログ終了: 16:31:07

18/07/23時点で、サイト-42超宇宙情報スペシャリストであるDr. J. ワーディングズが、SCP-2758-Aに割り当てられ、その起源の性質、並びに、収容室G14に出現するために友人と行なった過程それぞれの詳細を調査することとなりました。

ログ開始
Dr. ワーディングズは入室し、机に着席する。
Dr. ワーディングズ: おはよう、SCP-2758-A。私はワーディングズWardings。NじゃなくてDの方だ。前回のインタビューのやり方について謝罪したい。彼女は君のような種類のアノマリーを専門とする部門の人間ではなく、私が割り当てられるまでの一時的な人員だったんだ。
SCP-2758-A: そんなこと有りませんよ。
Dr. ワーディングズ: そうか、それは良かった。では、君の実名を教えてくれるかな?
SCP-2758-A: [機密情報削除済み]
Dr. ワーディングズ: 良し、少し待ってくれ。
Dr. ワーディングズは、持ち込んでだ情報記録ラップトップでインタビューを書き写し、適合する情報を探す。
Dr. ワーディングズ: うむ。君の社会保障番号は███-██-████だね?
SCP-2758-A: あー、そうじゃないかな? 最初の三つは合ってます。他は覚えてないです、母さんがやってたから。
Dr. ワーディングズ: 未成年なのかい?
SCP-2758-A: いいえ、18です。
Dr. ワーディングズ: うん、ありがとう。それじゃあ、君のWikidotのユーザーネームは?
SCP-2758-A: [機密情報削除済み]
Dr. ワーディングズ: 良し、うちのエージェントに知らせよう。では、君たちがこの結果をもたらすために用いた奇跡論的シンボルの性質について詳しく教えてくれるかな?
SCP-2758-A: 俺たちが発明したのは全部描いた後にスキャンしました。フラッシュ・ドライブに入ってます。
Dr. ワーディングズ: フラッシュ・ドライブ? 例の過程が発生するときに君が握り締めていた奴だな?
SCP-2758-A: はい、あなた達が持っているんですか?
Dr. ワーディングズ: いや。
SCP-2758-A: じゃあ、俺の服と一緒に消えてしまったんでしょう。
Dr. ワーディングズ: そのシンボルを思い出して描いてくれないか?
SCP-2758-A: 大部分は無理です。覚えるには難しすぎました。なんかミームが関係してるのかも。
Dr. ワーディングズ: その可能性は低そうだが。シンボルが無理なら、フラッシュ・ドライブの目的について教えてくれるかい?
SCP-2758-A: 情報です。wikiに乗ってるもの全部を詰め込みました、低評価されてるのも。ジミー曰く、それが生命の四元素ではなくても――ウィッカーフォードさんに教えたみたいに――情報こそが鍵なんだと。情報が無ければ、何人たりとも考えること、感じること、存在すると知ることは一切できない。フラッシュドライブが無ければ、狭間にずっと囚われたままだったと思います。俺を定義する現実が無いから。
Dr. ワーディングズ: 分かった。それで君は意図的にサイト-42のこの収容室を目指したのか?
SCP-2758-A: 42? 望んだのは19です。サイト-42なんて聞いたことも無い。
Dr. ワーディングズ: なるほど。理解すべきことは、君の世界の虚構――色んな命名の仕方は有るが――それらが、殆どの場合では実際の財団の活動を正しく描写したものではないということだ。個人・計画・SCPオブジェクト・あるいは君がサイト-19に探したようなものは実際には存在しない。分かるかな?
SCP-2758-A: 言っていることが分かってきました。あなた達は文字通り、本物なんですね。
Dr. ワーディングズ: そういうことだ。では、このアノマリーを創り出した具体的な意図は何なんだい?
SCP-2758-A: 前回言ったように、分かりません。
SCP-2758-Aは扉を指し示す。おそらく、研究員ウィッカーフォードについて言及。
Dr. ワーディングズ: 何も理由が無いと? できるかどうか確かめるわけでもなかったと?
SCP-2758-Aは数秒沈黙して床を見つめる。
SCP-2758-A: 畜生、愚痴りたくはないけど。分かりました。人生が嫌になったんです、分かりますか? 他の鈍くて下らない若者や哀れな奴らがやるのと同じですよ。人生が嫌になって、逃げ道が見えたからそっちに向かった。他にどういう言えば良いんだか。つまらなかったし苦しかった。高校をちょうど卒業した。俺は――ちゃんと説明できてますか?
Dr. ワーディングズ: 問題無い。
SCP-2758-A: そうですか。それで――それが俺の人生で、馬鹿げたことは何もやりたくなくて、虚構の世界に迷い込んだんです。何も得意なことは無くて、少なくとも俺はそう思ってて、でも、物書きだけは人並みだとは思ってました。自分の現実での義務を先延ばしにして、インターネット以外では交流もせず……結局この世代の典型ですよ。将来が哀れにしか思えなかった。どっかの女と結婚して、子供を育てて、大学のローンとオンボロ車の為に金を払って、クレジット・スコア800の退屈な人生。なんて人生なんだ、って感じでしょう? 金、金、金ばっかり。心がどんどん塞がって、あそこで暮らすよりここに来た方が良い選択なんじゃないかと思うようになったんです。失敗したって、身内で恥ずかしい思いをするだけで済みますからね。
Dr. ワーディングズ: では、その選択については具体的にどう考えていたんだ? 君の望みについては、ウィッカーフォードに説明していないね。
SCP-2758-A: 俺が自分で書いた物語の登場人物と入れ替わるつもりだったんです。サイト-19で働くしがない低レベル研究員。特別なことは望んでなかった、ただすぐに――そのときは――注目されたかった。自分として、でも多分以前の人生の記憶は持ち合わせず。ジミーがその方法を知ってるって言ったから、俺は何も聞かずに従ったんです。
Dr. ワーディングズ: 分かった。
SCP-2758-A: こここそ、俺が居るべき場所だって前の俺は考えてたんだと思います。世界が虚構を通して俺に幸せになるためのヒントをくれているんだって。俺の世界にあるウェブ・サイトはこの世界へ至るパズルを解ける者のための道標なんだって。俺がやったことのある中では、最高に解放的でした、本当に成功すると分かるまでは。今は怖くて、でももう遅い。遅すぎたんだ、今となっては。
SCP-2758-Aは沈黙する。
SCP-2758-A: もう遅い、ですよね? 俺を記憶処理して通常の状態に戻しても、あっちに返す方法は分からないんだから?
Dr. ワーディングズ: 我が部門は重複世界への巻き戻しを試みている、信じてくれ。人間アノマリーが関わっているんだから。繰り返しやっているんだ。初期地点を誤ると――つまり、最初の観測者がアノマリーを見る瞬間だが――あちらの世界のスクラントン信号を再特定し、さらに肉体をあちらに戻すための局所的屈折を十分に誘導できる可能性は殆どなくなってしまうし、時間経過によっても指数関数的に困難になる。惑星の整列を考えてくれ。窓枠の中でそれをやる必要が有る。わずかな誤差でも軌道を見失ってしまう。
SCP-2758-A: でもその喩えでいくなら、どれくらいの時間毎に機会が有るんですか? それに、失敗しても再びループするんですか?
Dr. ワーディングズ: 正直に言おう、分からないんだ。この考えの問題点は、窓をいつ再び通過できるか分からないことだ。収容設備を破壊してしまうから、常にそれらを使用していることもできない。理由はともかく――おそらくジミーのメチャクチャな奇跡論知識のせいだろうが――君の現実は君をこの収容室に引っ張り戻そうとしている。一方で、君はこの現実にあまり適合していない。ここでは完全ではないが、あちらではもっと駄目なんだ。そして、この収容室は君にとってその中間地点であるようだ。
SCP-2758-A: だから俺はどっちにも存在できない。できるのは、あの恐怖の狭間かあるいはこの収容室か。
Dr. ワーディングズ: おそらくね。何度も我々の手で君をスクラントン現実錨やその類の機械を用いて隔離させようとしたが、装置はお互いの現実が似通いすぎて区別できなかった。多くの交差事象は全くの別現実同士――別概念・別地点・我々の構造から顕著に異なるものごと――の間で起きる。故に、スクラントン信号は大きく異なり、装置は適切にそれらを区別し、錨を下ろす現実を選ぶことができる。しかし、今回の件では、スクラントン信号を色で喩えるなら、こっちが赤でそっちはブラッド・オレンジ、あるいは、紫とスミレ色か。錨は違いを区別できず、従って君を隔離することもできない。
SCP-2758-A: 分かりました。今まで読んだものと同じように納得しました。
Dr. ワーディングズ: そうか。それと、もし君が超宇宙部門の誰かや、倫理委員会の代理人、あるいは君の世界に割り当てられた機動部隊エージェント――君の背景に私より詳しいだろう――と話したいなら、我々の誰かに伝えてくれ。
SCP-2758-A: 機動部隊エージェント?
Dr. ワーディングズ: [機密情報削除済み]君のウェブ・アカウントは自演扱いされてバンされた。例えばだが、君がいなくなった状況を行方不明扱いされるとまずいからな。
SCP-2758-Aは目に見えて動揺する。
SCP-2758-A: あぁ、なんてこった、そんなことを。俺が残せた唯一の名声なんだよ。つまりだ、くそ、俺が存在できる唯一の方法だったんだですよ、マジで。俺の親は家を出て行くって言ったときも行方不明届けなんて出さなかった人種なんだから。
Dr. ワーディングズ: 慌てないでくれ。気分は良くないだろうが、他のユーザーに君たちがやったことを繰り返させないような代替案を提案している。
SCP-2758-A: えっ、それって?
Dr. ワーディングズ: 情報セキュリティーが許可を出せば君に伝えられる。では、もう質問が無いなら、私は報告書を出すとしよう。
ログ終了
注記: SCP-2758-Aの実名と社会保障番号はサイト-19のSCP-████に割り当てられたレベル2下級研究員のものと一致します。件の研究員は23歳で生年月日は同じで、5歳差のみが違いです。両名にはこのことを察知されないように。-JW

page revision: 2, last edited: 28 Dec 2019 23:40
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