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nn5n: scp-3744 ダンジョンズ&ディークラス
KeterSCP-3744 ダンジョンズ&ディークラスRate: 3
SCP-3744
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収容以前のSCP-3744。異常性の無い民間人の顔は編集されている。

アイテム番号: SCP-3744

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-3744はサイト-88の標準的なヒト型生物収容ユニットに居住させます。収容ユニットは標準的なCCTVモニターで監視されます。如何なる挙動の変化も速やかに記録し、報告すべきです。SCP-3744が自身の社会活動特権を利用している状況下を除いて、スクラントン現実錨(SRA)を常に収容ユニット内で活性化させ、ヒューム値80を維持する必要があります。

SCP-3744は週に最大5時間まで監督下での社会活動を行うことができます。この期間中、テーブルトーク・ロールプレイングゲームの知識を持つDクラス職員4名が、SCP-3744と共に“ダンジョンズ&ドラゴンズ”のセッションに従事します。SCP-3744の能力の研究を可能とするため、収容チャンバー内のSRAの設定はヒューム値10まで下げることが可能です。全てのセッションは監視カメラ映像を通して電子的に監督しなければいけません。Dクラス職員はキャラクターに成り切り、SCP-3744との友好関係を維持することが奨励されます。SCP-3744が財団の実験に協力姿勢を示さなくなった場合、社会活動特権は撤回される可能性があります。

編注: SCP-3744の“ダンジョンズ&ドラゴンズ”セッションに関わる財団の方針は、事案3744-1後に改訂されました。今後のセッションにはヒューム値40に設定したスクラントン現実錨が必要とされます。また、今後のキャンペーンの参加者は全て事前承認を受けたCクラス職員となります。

説明: SCP-3744は23歳の人間男性であり、体重76kg、身長1.8mです。テーブルトーク・ロールプレイングゲーム“ダンジョンズ&ドラゴンズ”のセッションにおいて、SCP-3744はクラスIV現実改変能力を発揮し、典型的にはゲームのリアリズムを高めるために当該能力を用います。能力には閉鎖空間の内寸の拡大/縮小1、物体や生命体の生成、効果範囲内の人物に対する異常特性の付与などが含まれます。能力の効果範囲はSCP-3744が内部に存在する閉鎖空間に限られています。屋外で能力は発揮されません。

“ダンジョンズ&ドラゴンズ”の設定外において、SCP-3744は未だに顕著な異常特性を示していません。SCP-3744は現在までのところ、財団職員への完全な協力姿勢を見せています。

2015/06/24、SCP-3744は自身の兄 アンディ・M███████による911通報の結果、ウィスコンシン州レイク・ジェニーバの地元警察に拘留されました。M███████氏は“SCP-3744に襲われた、更なる身体的暴力を受けるのではと不安だ”と断言し、加えてSCP-3744の異常な能力に関する主張を行いました。財団エージェントが後ほど調査のために派遣され、問題なくSCP-3744を回収しました。

質問者: マーサー研究員

回答者: SCP-3744

序: 以下は、SCP-3744が財団拘留下に置かれた直後に実施された一連のインタビューからの抜粋である。


<記録開始>

マーサー: こんにちは、SCP-3744.私はマーサー研究員です。既に同僚の何人かとはお話ししましたね? こうして我々に協力していただけることに、改めて感謝します。

SCP-3744: いや、気にしなくていいよ!

マーサー: もし宜しければ、あなたの異常能力についてお話ししたいと思います。最初に能力を見出したのはいつですか?

SCP-3744: あぁ、何年も前。まだガキの頃だよ。俺は、あー… “人付き合いが苦手”、だった。同い年の友達を作るのが大変でさ。アンタは多分どういう感じか分かるだろ。俺より友達作りが下手だったのに賭けてもいいね。科学者はみんなそうだ。オタクの集まり、だろ? だから兄貴は自分の友達仲間に俺を加えて、皆で“ダンジョンズ&ドラゴンズ”をやる時は俺を一緒に誘ってくれた。 (静かに) アンディはいつだってそういうクールな奴だった。

マーサー: あなたが話しているのは、兄上のアンディ・M███████さんのことですか? 我々の注意を引いた911への通報者と同じ人ですね?

[SCP-3744がたじろぐ。]

SCP-3744: あー… うん。

マーサー: その話はまた後にしましょう。“ダンジョンズ&ドラゴンズ”について教えてください。これは能力の発見とどう関連するのですか?

SCP-3744: あぁ。そいつはマジで素敵な思い出だよ。

マーサー: そうなんですか?

SCP-3744: そうとも。最初のセッション。人生最高のひと時だったね。年長の子供たちは俺に優しかったし、みんな一丸になって大冒険した。あいつらはスゲーカッコいいドラゴンのミニチュアを持ってた。俺は我慢できなくてそれに触った。そして、俺が拾い上げた途端に、そいつは大声で吠えながら俺に火球を吐いたんだ。ジャケットがいい感じに焦げちまった。

マーサー: あなたは以前、テーブルトークRPGの設定でしか能力を使っていないと言いましたね。その通りですか?

SCP-3744: うん。兄貴とその友達はこいつをマジでイカす能力だと思ったから、練習を続けて、とうとう居間を本物のドラゴンの巣窟に変えられるようになった。

マーサー: 何故ゲーム外で能力を使用しなかったのですか?

SCP-3744: (横を向く) その、今じゃもう使えるかどうか分からない。昔はできたんだ、でも… 俺がそれを使おうとした時… いや、俺を目の敵にしてる奴が学校にいたんだよ。そいつをちょっとビビらせたかっただけなんだ。アンディはそれを知ってマジギレした。

マーサー: 兄上は快く思わなかったと?

SCP-3744: まぁね。アンディは俺の能力をD&D仲間以外に見せたがらなかった。危険すぎるし、誰かを傷付けたり怯えさせたりするかもしれないって言ってた。バカみたいな話だと思ったよ。でも兄貴は物凄く怒ってたし、俺の味方になってくれるのはいつも兄貴だけだった。俺も最初のうちは能力が好きだったけど、それ以来、無くなってほしいとしか思わなかった。で、実際に無くなった。何もかも全部、兄貴のお気に入りだった欠片以外はね。D&D系の欠片だ。

マーサー: 兄上はあなたにとって大切な人なのですね。

SCP-3744: うん、俺は兄貴を… 失望させたくなかった。あんな風には。こんな風にも。こんな風には絶対終わりたくなかったのに。

[長い間が開く。マーサー研究員は沈黙を保っている。]

SCP-3744: やっぱり兄貴は正しかった。俺たち… 俺はもっと慎重になるべきだった。

マーサー: 兄上は何故991に通報したのですか、SCP-3744?

SCP-3744: (目を逸らす) ふ — 普通のセッションのはずだったんだ。俺たちは帆船に乗ってて、海賊ゴブリンたちが設定通りに攻撃を仕掛けてきた。そしたら、海賊ゴブリンの一匹がアンディを網で絡め取って、水に突き落とした。兄貴は溺れ始めた。前にやってた血糊トリックみたいな偽の溺れ方じゃない。あれは本物の水だった。それで兄貴は本当に溺れてた。

マーサー: しかし、彼は生き延びた。

[SCP-3744は視線を落とし、自身の手を見つめる。]

SCP-3744: ああ。生き延びたよ。でも…

[SCP-3744の言葉は尻すぼみになる。短い沈黙の後、マーサー研究員は身振りで続きを促す。]

SCP-3744: もう少しで助からない所だった。長い間水没してたから。俺たちが引き上げた時には無意識だった。あと少しで死んでた。俺が数秒遅かったらきっとそうなってたよ。その後、兄貴は怒った。怒るのが当たり前だった。だって自宅の居間で溺死しかけたんだもんな。実の弟から危うく殺されかけたんだ。

マーサー: 成程。

SCP-3744: 今でもあの時の兄貴の夢を見る。髪は濡れてモジャモジャ、肌は冷えてベトベトする状態で横たわってる。引き上げた時、兄貴の唇は真っ青だったんだ、分かるか? 死人みたいだった。

マーサー: SCP-3744…

SCP-3744: 勿論、俺は大人しくここに来た。アンディだって俺はここにブチ込まれて当然だと思うさ。俺は… 誰も傷付けたくない。

<記録終了>

補遺3744.1: 事案3744-01

SES-3744-01は、当初SCP-3744が進行役を務めていた“ダンジョンズ&ドラゴンズ”ゲームセッションの一連の指定名称です。SES-3744-01の他の参加者はD-3744-1(バーバリアン)、D-3744-2(ドルイド)、D-3744-3(パラディン)、D-3744-4(クレリック)でした。SCP-3744は、キャンペーンのあらゆる点でD-3744-1とD-3744-3が示した暴力性と行動全般に不快感を表していました。

事案3744-01は2015/12/01、SES-3744-01-015の直後に発生しました。SES-3744-01-015の関連する箇所が以下に抜粋されています。

SES-3744-01-015 映像記録

日付: 2015/12/01

関係者: D-3744-1、D-3744-2、D-3744-3、D-3744-4 (プレイヤー); SCP-3744 (ダンジョンマスター)

序: SCP-3744はプレイヤーに対し、ノンプレイヤー・キャラクターの役割である幼い人間型実体(NPC-3744-18)をボートで街へ送り届ける任務を課していた。


<記録開始>

[キャラクターに適切な衣装を着たD-3744-1、D-3744-2、D-3744-3、D-3744-4が船に乗り込む。NPC-3744-18が彼らに同伴する。背が低いため、NPC-3744-18はDクラス職員に歩調を合わせるのに苦労している。SCP-3744は肉体的に存在しないように見えるものの、声だけは聞こえる。]

SCP-3744: 穏やかな波が船に打ち寄せる中、君たちはデセニアの港を離れて、王子を故郷へ送り届けるためにソリンデールの街へと出発する。

D-3744-1: オーケイ、じゃあ… 俺たちゃただ座って到着を待つだけか?

SCP-3744: んー… そうだね。

D-3744-3: 冗談じゃない、エキサイティングな冒険になるはずじゃないのかよ。

SCP-3744: エキサイ — あのな、俺が導入する重要なNPCを一人残らず殺すのを止めてたら、冒険のためにはるばるソリンデールまで行かなくても、デセニアで冒険を楽しめたの。

[D-3744-3とSCP-3744は少しの間あれこれと言い争っているが、最終的にSCP-3744が折れる。D-3744-1とD-3744-3は大量のラム酒を飲みながらD-3744-2との賭博セッションを始め、恫喝的な手段でD-3744-2に貴重な装備品を引き渡すように強いる。D-3744-4は甲板の下に姿を消し、小説を持って戻り、それを読み始める。NPC-3744-18は怯えた様子で船のマストにしがみ付いている。]

SCP-3744: 船に叩き付けられる波はますます大きく、より荒々しくなり始めた。

D-3744-4: (本から目を上げる) あー… 君たち。何か起きてるぞ。

D-3744-1: あん?

D-3744-3: (D-3744-2に意味ありげな視線を投げかける) へぇ? ちょっと脇見て来て。

[D-3744-2は不承不承にボートの縁へと接近する。巨大な触手が水中から出現し、D-3744-2の胸を殴打して数フィート吹き飛ばす。]

D-3744-1: ヤベェ! ぶっ殺せ!

[他のプレイヤーたちが立ち上がり、武器の準備をする。D-3744-1は長剣を生成し、触手に切り付ける。触手は後ろに引き、水中へと退却する。]

D-3744-4: あんな程度で効き目があってたまるか

[海鳴りが響き始め、巨大なタコに似た水棲実体が海中から出現して、跳ね上げた塩水をボートの上に撒き散らす。水棲実体は1本の触手を繰り出し、D-3744-1を打ってボートから弾き飛ばす。その後、水棲実体は別の触手で空中のD-3744-1を受け止め、大きく開いた自らの口の上で揺らす。]

水棲実体: (低い唸り声) 食い物よこせ… そうすりゃこいつの命は勘弁してやってもいいぜ。

[D-3744-2、D-3744-3、D-3744-4、NPC-3744-18は再び集まってどうすべきか話し合う。会話が進むにつれて、D-3744-3はその方向性に不満を露わにしてゆく。]

D-3744-4: 落ち着け、君。あれがそんな事を望むわけ無いだろう。いいか、私たちがここでやるべき事は自明だ。イカに食料をくれてやって—

D-3744-3: 何を腰抜けみたいなこと言ってんのさ。これはそもそも本物の子供じゃないんだよ?

[D-3744-3はNPC-3744-18の手首を掴む。NPC-3744-18は悲鳴を上げ、啜り泣き始める。]

NPC-3744-18: やだ! お願い、お願いだから離してよ、何でもするから、お金なら父上が出してくれるから、僕—

SCP-3744: 冗談だよな。そんな—

[NPC-3744-18の叫び声と、D-3744-2およびD-3744-4の愕然とした反応を無視して、D-3744-3は船の舳先へとNPC-3744-18を引きずっていき、水に突き落とす。NPC-3744-18は短時間空中で手足を振り回した後、飛沫を上げて水中に落ちる。数秒後、NPC-3744-18は再浮上するが、水の中でもがきながら叫んでいる。]

D-3744-2: (静かに) 溺れてる…

[突然、全てのノンプレイヤー・キャラクターとセットの構成物が不自然に静止する。唯一聞こえる音はSCP-3744の急速な呼吸である — SCP-3744は過呼吸を起こしつつある。]

SCP-3744: お — 俺 —

[動きが再開する。海は激しく泡立ち始め、それによってボートが不安定に左右に揺れて、D-3744-2、D-3744-3、D-3744-4が甲板の反対側へ吹き飛ばされる。水棲実体が消失し、D-3744-1が海中に転落する。NPC-3744-18が再び叫び始める。数秒後、水が血のような赤色に変わり、何千体もの喘ぎながら手足をばたつかせる死体で唐突に埋め尽くされる。これらの死体は点滅するように実体化と非実体化を繰り返している。空が次第に存在しなくなり、やがて塩がこびり付いている湿った髪の垂れ下がる天蓋として復帰する。]

[まだ映像に映っているDクラス職員はD-3744-4のみ。彼は船の右舷に不安定な体勢でぶら下がっており、全身ずぶ濡れで、半ば髪の毛に絡め取られている。]

D-3744-4: もう嫌だもう嫌だやめてくれこれをやめてくれ

[セット全体が突然消失し、収容ユニットが本来の寸法で再出現する。4名のDクラス職員はユニットの片隅に寄り集まっており、膝を付いているD-3744-4以外は全員無意識のように思われる。SCP-3744は反対側の隅で喘いでいる。青ざめた顔のD-3744-4がSCP-3744に手を差し伸べる。]

D-3744-4: これは— こいつはまったく、もう、一体 — 大丈夫か?

SCP-3744: (荒々しい呼吸) 俺 — ダ — ダメだ。

[SCP-3744は床にうずくまり、膝を抱え込んで顔を埋める。SCP-3744はこれ以降の質問に反応を示さない。]

<記録終了>

この後、今後の“ダンジョンズ&ドラゴンズ”セッションに係る新たな方針 — SCP-3744のチャンバー内におけるスクラントン現実錨のより高いヒューム値設定と、将来的なキャンペーン参加者の厳格な規制を含む — が講じられました。

ページリビジョン: 3, 最終更新日時: 01 Oct 2018 13:37
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