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nn5n: scp-426-JP マーシー・マーリン
UnknownSCP-426-JP マーシー・マーリンRate: 0
SCP-426-JP

アイテム番号: SCP-426-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-426-JP-1は現在オブジェクト収容ロッカーに15本が収容されています。未回収のSCP-426-JP-1確保のため、「不良商品の回収」としてフロント企業がリコールを行い回収します。新たに発見されたSCP-426-JP-1は必要量以外は無力化処理をしてから破棄されます。

SCP-426-JP-2群は北極圏の氷床下の、外部からの観測が困難な位置に存在していると考えられます。新たなSCP-426-JP-2が発見された場合、SCP-426-JP-2内に水を注入して空洞部を満たし、内部への物体の転移を防いで下さい。

発見されたSCP-426-JP-Aは確保し、インタビューの後にプロトコル-426-JPを実行します。このプロトコルにより得られた人物は、記憶処理後の経過観察に問題がなければ解放してください。

説明: SCP-426-JPは二つの構成要素からなるオブジェクトです。

SCP-426-JP-1は異常性をもつ製菓用リキュールです。「Mermaid's Sweet Magic 」と印刷された紙製ラベルの貼られた、内容量125mlのガラス製容器に封入されています。ラベルの印字はすべて英語で、原材料としてラム酒、サクランボ、桃、[編集済み]、"純粋な恋心"が記載されています。SCP-426-JP-1は19██年に製造が終了した██████社製の同名の製菓用リキュールに外観、原材料などが酷似していますが、その製造日はいずれも1970年台以降のものになっています。

SCP-426-JP-2は北極圏の氷床の内部に形成された、複数の人型の空洞です1。SCP-426-JP-2は氷床内のランダムな場所に不定期に形成されます。

SCP-426-JP-1を摂取したヒト2(以下「対象」とする)は睡眠中のランダムなタイミングでSCP-426-JP-2の一つに転移します3。その後対象は空気と同様の成分で構成された気体を含む、弱い粘性のある液体に即時に置換されます4。この液体はSCP-426-JP-2の内壁を全て覆うように広がり、十数分後にはSCP-426-JP-2と同様の形をとった、中が空洞の人型存在(SCP-426-JP-A)となります。なお、SCP-426-JP-Aの外見は全て同一であり、20代で青眼金髪のコーカソイド女性の様に見えます。SCP-426-JP-Aは完成すると転移前の場所へ再び眠った状態で転移します。

起床後のSCP-426-JP-Aは対象の記憶を有していますが、同時に自身はマーシー・マーリン( Mercy Marlin)という女性であり、19██年に生じた客船事故で既に死亡しているという認識を有しています。多くの場合起床直後のSCP-426-JP-Aは混乱を示しますが5、最終的にいずれの個体も他者との性交渉を試みます。

SCP-426-JP-Aは他者との性行為を行った場合、就寝後に再びSCP-426-JP-2へと転移します。この後、個体形成時と同様の過程を経てSCP-426-JP-AからSCP-426-JPを摂取する前の対象と同様の個体が形成されます。6対象は転移前の箇所に再び睡眠状態で転移します。対象はSCP-426-JP-Aとなっていた際の記憶を不鮮明ながら有していますが、それ以外の異常性は存在しません。

以下の記録はSCP-426-JP-Aに行われたインタビューの一部です。

対象: SCP-426-JP-A-3(以下「A-3」とする)。元はD-36552(男性)。

インタビュアー: ブライアン博士(以下「博士」とする)

<録音開始>

博士: それではインタビューを開始します。

A-3: よろしくお願いします。

博士: それではまず自己紹介してください。

A-3: ええと、███7 、いまはD-36552、いや、マーシー・マーリン?

博士: 自分が誰かわからないですか?

A-3: なんというか、自分は███だという自覚はあるんですけど、マーシーだった、という記憶も持ち合わせていて。
 
博士: ではまず、███としての経歴を簡単に述べてください。

A-3: はい。[D-36552の出身地、性別、年齢、現在までの経歴などが示される。重要性が無いため割愛。]経歴は以上です。他に話すべき事ってありますか?

博士: いいえ、十分です。ありがとうございます。それでは次に、マーシーとしての経歴などを教えてください。

A-3: わかりました。名前はマーシー・マーリン、女性。誕生日は4/██。ええと、年齢なんですけど、22才の誕生日に、父と母と妹、それに恋人と乗った船が事故で沈没してます。そのときに私、マーシー・マーリンは死にました。

博士: 既に死んでいるという自覚があるのですか?

A-3: はい。ですが、死んでからの記憶も覚えています。
 
博士: それはSCP-426-JP-1を摂取した人がマーシーの容姿と記憶を得たときのものですか?

A-3: [逡巡の後に回答する。]そうです。
 
博士: わかりました。では次に、その沈没事故の時のあなたの詳細と、できればあなたがそのようになった経緯を述べてください。

A-3: はい。事故が起きたのは19██年の時です。事故自体の詳しいことはわかりませんが、私は家族と恋人と共にその船に乗っていました。
 
博士: あなたは自分の家族と共に一緒にいたんですか?

A-3: 事故が起こる前までは、私は恋人と同じ部屋、妹と父と母が同じ客室内で就寝してました。事故の衝撃で目が覚めた私は、慌てて恋人と二人で父たちの部屋に向かい合流しました。その後廊下にでると、船員が「緊急事態だから脱出するように」というので、みんなで救命ボートのある場所で向かおうとしたんです。
 
博士: 向かおうとしたということは、できなかったのですか?

A-3: 全員で向かうことができなかったんです。
 
博士: はぐれたということですね。

A-3: はい。たくさんの乗客が一気にパニックになってしまったので、船内はどこもかしこも救急ボートに向かう人たちであふれかえっていて……

[以降、事故の詳細な記録が述べられる。重要性は低いため割愛。]

A-3: 私たちはなるだけ離れないようにと手を繋いでいたんですけど、それでも駄目でした。五人散り散りになったんです。私ははぐれた皆を探したんですけど、その間に救命ボートが無くなってしまったらしくて……。
 
博士: それであなたは逃げ遅れて沈没に巻き込まれ、死んでしまったと。事故に関しての記憶は以上ですか?

A-3: はい。

博士: ありがとうございます。よければあなたがその次に目覚めた記憶を聞きたいのですが。

A-3: いいですよ、あの時のことははっきりおぼえています。目が覚めたら私は生まれ町の宿の一室にいました。慌てて外にでたのですが、その時、私の中に違う人の記憶があること、宿の周りの風景が一変していたことに気がついたんです。気が動転してたみたいでそのときら家の目の前に移動した間の記憶はないんですけど、なんとか帰宅しました。家がまだあそこにあのときのままあったのが奇跡でしたね。
 
博士: 家には誰かいましたか??

A-3: 私の妹8が。年をとって顔も髪もすっかり変わってしまったんですけど、訪問した私を見るなり膝から崩れ落ちて泣き出して……ひたすらに謝罪の言葉を連呼していました。
 
博士: 謝罪というのは、自分が生き残ってしまっていた事への?

A-3: 始めは私もそう思ったんですけど、それだけじゃなかったんです。
 
博士:と、いうと?

A-3: あの事故で生き残った家族は、救命ボートに乗れた妹と母、そして他の船に救助された私の恋人だったそうです。母は父と私を失ったことで気を病んで亡くなり、私の恋人も心を壊して、廃人のようになってしまったと聞きました。妹は彼を付きっきりで励ましたそうです。十数年かけ彼はほとんど元の精神状態に戻りました。そこまではよかったのですが……。
 
博士: 何か不都合なことが?

A-3: 正気を取り戻した彼は、私の妹に恋をしてしまったんです。十数年もの間、献身的に尽くしてくれたんですから、まぁ、そうなるのも分かるんですけど……。彼は妹と愛し合い、妹と結婚し、死ぬまで妹とあの家でずっと仲むつまじく暮らしていたそうです。
 
博士: あなたが再びこの世に現れたとき、彼は既に亡くなっていたということですか。

A-3: [ゆっくりと頷く動作。] そして私、その話を聞いたとき、運命に憤りと失望を感じたんです。せっかく死んだ私がこうして現世に再び戻れたのは、きっと神様がチャンスをくれたからだと思っていたのに……結局、彼の心は離れてしまって、愛し合う事は永遠にできなくなってしまいましたから。
 
博士: なるほど。ありがとうございます。最後にお伺いしたいのですが、なぜあなたは出現後に誰かとの性行為を行おうと試みるのですか?

A-3: 妹の話を聞いた後、私は怒りにまかせて町に飛び出しました。そこでたまたま私を誘ってきた男性と、行きずりで、その……セックスしたんです、自暴自棄で。一通り終わって眠った後、目が覚めたら町の外れのお屋敷の一室にいて、以前とは違う人の……たぶんそこのご子息の記憶を持っていました。そのときは屋敷の主に無理やり襲われて……。そしてまた違う場所、違う人の記憶を持って目覚めました。そんなことを何度か繰り返していた内に、セックスは私を一時的に死者に返すための条件なんじゃないかって思い始めたんです。当てずっぽうな推測なんですけどね。

A-3: ……先生、できればこれ以上私をこの世に蘇らせないでください。私はただ彼と互いに愛し合いたかっただけだったんです。

博士: 善処しますよ。ありがとうございました。これにてインタビューを終了します。

<録音終了>

補足:
SCP-426-JP-Aの述べた客船事故は実際に存在し、乗客の中にマーシー・マーリン等の名前が存在することも確認された。

ページリビジョン: 6, 最終更新日時: 31 Jul 2016 22:34
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