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nn5n: scp-470-JP 生きた匂い
UnknownSCP-470-JP 生きた匂いRate: 0
SCP-470-JP

アイテム番号: SCP-470-JP

オブジェクトクラス:Euclid

特別収容プロトコル: SCP-470-JPは、常にサイト-8141にある標準人型存在収容室に収容され、モニターにより24時間監視されています。SCP-470-JPの収容室内には、毎朝7時に、指定された匂い物質の混合気体を、20分間散布してください。
SCP-470-JPからの要求があった場合、1週間に1人まで、SCP-470-JPの能力の影響を受けた事のない男性のDクラス職員を、最低8時間入室させてください。この間、職員及びSCP-470-JPになんらかの異常が見られた場合、一酸化炭素等の有害な気体の発生を考慮し、指定された酸素ボンベ付き装備を着用した職員2人で、入室していたDクラス職員を退室させてください。
接触終了後、接触していた職員は専門スタッフによるカウンセリングの後、必要であれば記憶処理を行ってください。

追加プロトコル:SCP-470-JPの存在を維持するために、毎日2時間のカウンセリングを繖(きぬがさ)博士、もしくはセキュリティクリアランス2以上の男性職員が行ってください。カウンセリングの内容は全て録音してください。

説明: SCP-470-JPは霧のように見える不透明の白い人型のもやであり、もやの中心には直径2cmの乳白色の球体(SCP-470-JP-A)が浮かんでいます。SCP-470-JP-Aについての直接の物理的干渉を用いた研究は、SCP-470-JPの存続に関わる可能性があるため、現在行われていません。SCP-470-JPの体のもやは、風により拡散することはありませんが、時間経過で少しずつ拡散していきます。この拡散する匂い物質の補給のためSCP-470-JPは1日に1度、最低5種類以上の匂い物質を必要とします。固形物に対する接触はその性質上不可能で、移動の際は漂うような動きをします。SCP-470-JPのもやを構成する気体の成分は様々な系統の匂い物質で、ほとんどが人々に心地よいと感じさせるものです1
SCP-470-JPは嗅覚と味覚を持たず、怒りと嫉妬の感情を示さないことを除いては極めて人間的です。また、若い女性の声を発し、日本語で自身を██県の██████高等学校に通う█████という名の16歳の女性だと主張し、「カオリ」と呼称するよう要求します。SCP-470-JPはコミュニケーションに対し若干の恐怖心を抱いているように見えます。また、常に人に顔を向けないよう俯きがちで、気分が高揚した時を除き大半はたどたどしい話し方をします。ただし、カウンセリングに対しては通常より積極的です。心理分析により、SCP-470-JPは幼少期から重度の虐待を受け、周囲への強い劣等感を抱いていたことが判明しています。

SCP-470-JPと外気を介して接触した場合、接触した人物はなんらかの匂いを感じます。しかし、その匂いを発する匂い物質は、検証の結果、必ず収容室内には存在しない事が判明しています。また、この匂いはそれぞれで変化し、一度嗅いだ匂いはSCP-470-JPと何度外気を介して接触しても変化しませんが、いずれも状態が変質した際はこの限りではありません。この匂いの決定されるプロセスは現在も調査中です。また、SCP-470-JPと収容プロトコルの際のような長時間の接触の後、接触した職員はSCP-470-JPに対して慈しみや同情といった感情を強く持つようになります。これはこのオブジェクトの能力によるものではなく、自発的にそういった感情を抱くという事が心理分析の結果判明しています。しかし、実験により短時間接触した職員にはそのような感情は見られませんでした。これはSCP-470-JPの性格が大きく影響していると考えられます。

SCP-470-JPは、最低でも週に一回カウンセリングと併用した場合1ヶ月に一回、7時間から8時間の間、新しい被験者に匂いを嗅がれる事を必要とします。これが行われなかった場合、SCP-470-JPは徐々に怒りと嫉妬の感情を表すようになります。また、通常時とは異なる、低い男性のような唸り声をあげ、収容室内を徘徊します(不安定化)。不安定化したSCP-470-JPは収容室内に侵入した職員を完全に無視します。また、不安定化したSCP-470-JPは常に一酸化炭素を発生させています。この状態が3日以上続いた場合、体を構成していたもやが消え、SCP-470-JP-Aにヒビが入ります。この状態の際、数時間不快では無い匂い物質を散布すると、ヒビが修復され、再びもやが発生します。SCP-470-JPはこの事に関して「意識を失って、いい匂いがしたから目が覚めた」と話しています。なぜSCP-470-JPが匂いを感じる事ができたのかはわかっていません。
新しい接触を行わなくてはならない理由としてSCP-470-JPは「必要なの」「もっと、もっと埋め合わせなきゃ」と発言しています。その後の質問には何も回答しませんでした。また、女性職員と接触した場合、SCP-470-JPは普段通りに振舞いますが、極めて微量の一酸化炭素の発生が確認されています。男装した場合も同様です。女性職員とのみ接触し続けた場合、SCP-470-JPは激しいストレスを訴え、その数日後に不安定化します。

事案470-JP-1
事案470-JP-1は、20██/9/10に発生したSCP-470-JPの不安定化の記録です。
SCP-470-JPが極度のストレスを訴え、長時間の接触を要求してきましたが、一酸化炭素発生の危険を鑑みこれを拒否しました。その後数時間でSCP-470-JPは不安定化しました。その際、もう一つの人格「タケシ」が確認されました。以下は「タケシ」へのインタビューログを文章化した物です。

繖博士:[えー、君はタケシ君、でいいのかな?]

「タケシ」:[…そうだけど?]

繖博士:[なぜ、君はそこに-]

「タケシ」:[ああったくうるさいなぁ!話しかけるな!お前の事は知ってるぞ、カオリに馴れ馴れしくしやがって!彼女は渡さない!]

繖博士:[あー、いや、私は別に…]

「タケシ」:[もう気が狂いそうなんだよ!いつもいつもいつもいつもいつも、お前らは彼女にすり寄って!僕はそれを見てるだけだ!見てるだけだぞ!彼女の夫であるべきで、彼女の子供を育てるべきだった、僕には責任があるのに!…それに、誰より彼女に会いたいのに…彼女は寂しくて不安なんだ、僕が必要なんだよ…]

繖博士:[………]

「タケシ」:[ああ、会いたい、彼女をもう一度抱きしめたい、あの香りを、もう一度だけ…]

(以降、「タケシ」と思われる人格は完全に沈黙しました)

追記:20██/12/14、午後15時47分に、再びSCP-470-JPは不安定化しました。この際も「タケシ」は出現しましたが、不明瞭に「カオリ」と叫ぶ、あるいは聞き取れない言葉を話すだけで、会話は成立しませんでした。しかし、こちらの呼びかけに対し僅かな反応が見られました。
彼は本当に心が壊れる寸前なのだろうな。安全な収容のためにも不安定化の実験は行うべきではないだろう-繖博士

付録470-2-A
この記録は、SCP-470-JPの第一発見者である[削除済み]氏への、SCP-470-JP発見時に関するインタビューです。

録音開始

████研究員:[では、あなたがSCP-470-JPを発見した時のことを、お聞かせ願えますか?]

██氏:[はい。私はあの日、夏休みの部活の監督をしていました。ちょうどお昼休憩の時です。事務員さんから連絡があって、3年2組の教室からタバコの匂いがしたから見てきてくれないか、と頼まれました。私は生徒指導部長でもあったので、すぐに了解の旨を伝え、教室に向かいました]

████研究員:[最初に教室に入った時、あなたは何を見ましたか?]

██氏[最初は…最初は、暑さで頭が参ってしまったのかと思いました。だって、目の前に、霧の体の少女がいるんですよ?私が狼狽えていると、彼女は、見たことない先生だけど、新人さん?と聞いてきました。(この後しばらく、██氏とSCP-470-JPは自己紹介など世間話をしていた。不必要だと思われるため省略する)

████研究員:[あなたは、SCP-470-JPがなんなのか、詳しく聞きましたか?]

██氏:[ええ。彼女は、昔ここで男の子と心中したと言いました。また、自分は生きているかはわからないが、幽霊ではないから安心して欲しい、とも言いました]

████研究員:[なるほど。他に何か話しておくべきことはありますか?]

██氏:[いいえ、ありません]

████研究員:[それではこれでインタビューを終わります。ありがとうございました]

録音終了

この後、██氏は記憶処理の後、解放されました。

付録470-2-B
██氏へのインタビュー後、SCP-470-JPへも事実確認のためインタビューが行われました。

録音開始

████研究員:[では、██氏の証言に関しては、事実ですか?]

SCP-470-JP:[そう。あの先生、タケシに似てた。]

████研究員:[タケシ、というのは?]

SCP-470-JP:[は、はじめての、恋人…私を認め、て、何よりあ、愛してくれた、人。真っ暗でしかなかった私の、たった一つの光]

████研究員:[えー、SCP-470-JP、あなたが発生する直前までの記憶はありますか?]

SCP-470-JP:[え、ええ。あるわ]

████研究員:[話してください]

SCP-470-JP:[私は、あ、あの教室でタケシと心中し、したの。えと、私は、その時、にん、妊娠してた。彼、は、責任取るって言ってく、れた。だから、私、は、じゃあ、結婚のかわり、で一緒に死んで、って言った]

████研究員:[あー、避妊はしなかったのですか?]

SCP-470-JP:[(微笑みながら)したよ?私がアレ、買ってきたの。穴空いてた、のかな?]

████研究員:[どのような方法で心中を図りましたか?]

SCP-470-JP:[一酸化炭素。理科室に、あったの、知ってたから。彼、が持ってきたち、小さなテントを、テープで、密閉した。(薄く笑顔を浮かべて)知ってる?あれ、何の、匂いもしな、いの。でも、じ、じわじわ死んでるのは、わかった。最期に、って、彼を抱きしめた。彼も、私をだきしめ、た。今も、覚えてる。彼の匂い。彼も私の匂いを嗅いでた。「いい香り」っていってくれた。ふふ、かわいいよね、彼]

████研究員:[あー、えー、ありがとうございました]
録音終了

付録470-2-C
この記録は繖研究員によるSCP-470-JPへのカウンセリングの最中の音声を文章化したものです。

繖博士:[…では、この間話してくれた母親からの虐待の記憶が、君の根幹に居座っているという事かな?]

SCP-470-JP:[このあい、だ?私、繖、さんに、そ、その事話したっ、け?]

繖博士:[ああ、話してくれたよ。忘れてしまったかな?数ヶ月前だから仕方ないかもしれないが]

SCP-470-JP:[わす、れた?…ああ、またか]

繖博士:[また、とはどういう事かな、SCP-470-JP?]

SCP-470-JP:[え、あ、昔、私は、頭で記憶し、してた。でも今は、あの、体全部で、き、記憶してる。大事なことも、そうでないことも]

繖博士:[ふむ。君は今、忘れっぽくなってるのかい?]

SCP-470-JP:[う、うん。あと、大切な事、もおな、同じように、体が入れ替わってく、と、忘れるようになった。タケシとの、思い出も、みんな、みんな…]

繖博士:[なるほど。匂い物質が記憶を保存しているのかもしれないね]

SCP-470-JP:[そ、そうなの、かな。ね、ねぇ、繖さん、私は、匂いでできてる、けど、それが全部、入れ替わったら、そ、それって、本当に、私って、い、言えるの、かな。…怖いよ…タケシ、会いたい…うぅ…]
録音終了

結果:SCP-470-JPを構成する匂い物質は、それぞれが記憶を保持しているという可能性が浮上しました。また、匂い物質の拡散により、SCP-470-JPは記憶を失っていっており、そのことに強い苦痛を感じている事も判明しました。

以下の文章は20██/12/14、午後11時19分に録音されていた、SCP-470-JPの恐らく唯一の独り言と思われる発言です。

タケシったらあんなに私を…本当、かわいいんだから…-SCP-470-JP

どこまでが本当で、どこまでが嘘だったのか。いや、そもそも「彼女」が、嘘なんて初めからついていなかったとしたら?知らない事と知るはずのない事は、必ずしも同じとは限らない-繖博士

ページリビジョン: 5, 最終更新日時: 27 May 2016 16:52
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