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nn5n: scp-937-JP 叫喚覚
EuclidSCP-937-JP 叫喚覚Rate: 88
SCP-937-JP
レコードプレイヤー.jpg

レコードプレイヤーに入ったSCP-937-JP

アイテム番号: SCP-937-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-937-JPは財団の標準小型アイテム収容ロッカー内に保管してください。財団のWebクローラを運用し、SCP-937-JPの音に類似した音源を検閲し、ネット上から削除してください。実験としてSCP-937-JPを再生する場合はセキュリティクリアランスLv3以上の担当研究員2人以上の許可が必要です。SCP-937-JPは必ず音圧レベル差等級80以上の遮音性能のある防音室(937-JP-セーフ仕様と呼びます)の中で再生してください。SCP-937-JP-1は発見され次第生きたまま鎮静され、937-JP-セーフ仕様の防音室の中で確実に終了されます。SCP-937-JP-1が広範に発生した場合、機動部隊へ-7("静かな夜")がプロトコル"芳一"を実行します。

説明: SCP-937-JPは████社製のLPレコード盤です。レコードレーベルの周囲には未知の言語が三重の円形に縁どられており、中央部のタイトルには「全ての救われ得ぬ人々へ」と英語、フランス語、████語で記載されています。再生すると、不明な性別の人間の叫び声が30分間途切れず流れ続けます。この音を人間が認識した場合、後天的に共感覚者となり、全ての五感への刺激に対して別の五感での感覚を同時に得るようになります。この状態になった人間をSCP-937-JP-1に指定します。SCP-937-JPの音を認識した際の影響は、財団の記憶処理では取り除けないことが確認されています。

SCP-937-JP-1が五感の一つに何かしらの刺激を受けた場合、残りの四つの感覚は全て同時に異なる刺激を受け取ります。刺激がSCP-937-JP-1にとって「快」である場合、同時に受ける四つの刺激はSCP-937-JP-1にとって「不快」とされるもので、逆も同様です。例として、SCP-937-JP-1が「好きな食べ物を食べた」場合、味覚で快の刺激を感じる一方で触覚、嗅覚、視覚、聴覚の全てで不快刺激を感じます。この症状により、SCP-937-JP-1はこれまで自身が好んで実行していた行動を取らなくなり、避けていた行動を自発的に取るようになります。結果としてSCP-937-JP-1の周囲の衛生環境は急激に悪化し、不眠、栄養失調や脱水症状、自傷による感染症等を複合的に発症して死亡します。死亡と同時にSCP-937-JP-1は数分間絶叫し、この声もSCP-937-JPと同様の効果を持ちます。SCP-937-JPを聞かせたDクラスによる脳波測定実験の結果、死亡時のSCP-937-JP-1は通常の人間が日常生活において受け得ないような強い快刺激を五感全てに受けていることが解りました。

実験記録937-JP-1 - 日付19██/██/██

対象: D-19662(SCP-937-JP-1に指定済)

目的: SCP-937-JPによって生じる共感覚の内容確認

実施内容: 五感それぞれに被験者が快と感じる刺激を与え、それに伴って受ける共感覚を確認する。

結果: 刺激と受けた感覚はそれぞれ下の表のようになった。

刺激\受けた感覚 視覚 聴覚 嗅覚 味覚 触覚
娘の写真を見る 変化なし 吐瀉音 排水溝の匂い キュウリの味 ███を爪で引っかかれる感覚
ロックバンド███の楽曲を聞く 堕胎のイメージ 変化なし [編集済] 強烈な苦み 瞼を針で刺される感覚
██社の香水を嗅ぐ [編集済] 黒板を引っ搔いた音 変化なし 電池の廃液 腸が引き裂かれる感覚
クリームコロッケを食べる 道で排便中の中年男性 排泄音 大便の匂い 変化なし ヌルっとした手触り
毛布に触る 火傷跡のイメージ 歯を削られる音 下水の匂い 生魚の内臓 変化なし

分析: 異常性は確認された通り。D-19662は与えられた全ての快刺激について、極めて不快だと感じた。共感覚で受けた刺激の元となるものは実験室のどこにも確認されなかったが、脳波測定においては全ての刺激に対して被験者が「実際に感じている」事を示していた。

実験記録937-JP-2 - 日付19██/██/██

対象: D-19662(SCP-937-JP-1に指定済)

目的: SCP-937-JPによって生じる共感覚の内容確認

実施内容: 五感それぞれに被験者が不快と感じる刺激を与え、それに伴って受ける共感覚を確認する。

結果: 刺激と受けた感覚はそれぞれ下の表のようになった。

刺激\受けた感覚 視覚 聴覚 嗅覚 味覚 触覚
頭部が[編集済]された男の写真 変化なし 川のせせらぎ 燻製 ライムジュースの味 頭を撫でられる感覚
金属製の食器が擦れ合う音 花畑のイメージ 変化なし マールボロ・ブラック・メンソール [編集済] 暖かなジャケットを羽織る感覚
大便の匂い 快晴の空 快活な笑い声 変化なし メリーゴーランド・パフェ 性的快楽
生魚の内臓 自宅のイメージ [編集済] 入浴剤を入れた風呂 変化なし 握手した感覚
金槌で指を殴打する 成長後の娘のイメージ パパ、大好きと呼ぶ声 娘の髪の香り 肉汁の滴るハンバーグ 変化なし

分析: 実験記録937-JP-1において快刺激に伴って得られた不快刺激を実際に与えても、同様の快刺激は再現しないことが判明した。被験者は与えられた不快刺激について、結果的に快と感じた。
補遺: 被験者は最後の実験の直後、命令を無視して自身の小指を殴打し始めたため鎮静させた。

インタビュー対象: D-19662

インタビュアー: ███博士

前記: 前述の実験後、D-19662の経過観察を行った。D-19662は配給された食事を取らず衣服や排泄物を食べようとしたり、ほとんど一睡もせずに体中を殴打し続ける等の末期症状が見られた為、拘束し点滴等による延命措置下にあったもので、このたび延命措置終了前に対話を試みた。研究員の声は被験者にとって快刺激にあたり他の五感で不快感を感じると申し出があったため、通常の人間が不快に感じる高周波の合成音声で対話を行った。なお安全の為D-19662は937-JP-セーフ仕様の防音室に隔離し、インタビューは対面せずスピーカーを通した音声のみで行っている。

<記録開始>

███博士: こんにちは、D-19662

D-19662: [無言]

[D-19662は反応せず、用意された椅子を無視して床に這いつくばっている]

███博士: 何をしているんですか?

D-19662: すみません、さっき吐いた[編集済]を舐めていました。こうすると気持ち良くて。

███博士: 普通に座ることはできませんか。

D-19662: 座ると気持ち悪くて。あの、カブト虫の甘臭い匂いを感じてしまって、今は苦手です。

███博士: なるほど。吐瀉物を舐める行為には不快感を感じていますか?

D-19662: いいえ、あの、はい。気持ち悪いです、また吐きそうになるけど、でも他がその、とっても気持ちいいので、やってしまいます。

███博士: 普通の食事をとるつもりはありませんか。

D-19662: 腹はめちゃくちゃ減ったんですけど、それがまた凄く[編集済]でやめられなくて。水を飲むと酷いものを見るんです、さっきもそれで吐いてしまって。

███博士: なるほど、喉の渇きにも快刺激が付随しているのか…。質問を変えましょう。貴方は体の殴打に伴って貴方の娘さんのイメージや声を感じると仰っていましたが、実際の娘さんに対する意識に変化はありましたか?

D-19662: 娘に会いたい。会いたいんです、でも会いたくない…顔も見たくない。どうしようもないんです。愛している、愛していたんです。でももう僕にはあの子より、痛みの中で感じるあの子の方が大切になってしまった。顔を思い出しただけで、臭くてたまらない。でも頭をぶつけると、とってもかわいく笑って…

[D-19662は話しながら突然机の角に頭をぶつけ始める]

███博士: D-19662!やめなさい!指示に従わない行動は貴方の終了措置の理由になりますよ。

D-19662: あの子に、本当のあの子に会いたい。終了ですか?あぁ、そうか。

[D-19662がカメラを見上げて笑う]

███博士: D-19662?

[D-19662は突如、机の角に向かって勢いよく頭をぶつけた。D-19662の頭蓋骨が大きく陥没したため、安全の為スピーカーはこの時点で切断された。以下の音声は防音室内部で録音された]

D-19662: [数秒間絶叫]、やっぱり!やっぱり!███!ああ気持ちいい![編集済]が近づいてくる!抱きしめてくれ!愛してる![数秒間絶叫]、あなたは[編集済]!もっと!もっと見たい!

[D-19662は更に両手の親指を眼窩に突き立て、自身の眼球を抉り出した。]

D-19662: [数秒間絶叫]、やっぱり!よく見えるよ![編集済]が気持ちいい!もっと近づいてくる![数秒間絶叫]、███、ただいま!パパだよ![編集済]は久しぶり!やっぱり!

[以降、D-19662は致命的な自傷行為を続け、3分40秒間に渡り断続的に絶叫をあげながら、長女の名前と未知の存在の名前を呼び、断片的な会話を続けた]

D-19662: あっ。

[この時点でD-19662の心拍が停止した。同時にD-19662は大きく息を吸い込み、5分間途切れなく絶叫した。]

D-19662: [不明な呟き]

<記録終了>

補遺937-JP-01: D-19662の最後の呟きは録音から確認できなかった為、映像記録の読話による解析を実施しました。呟きの内容は「あぁ、僕は幸せ者だ」であったと推測されています。

ページリビジョン: 11, 最終更新日時: 21 Jul 2018 04:59
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