nn5n Foundation
Branch of SCP Foundation
nn5n: scp-2510 我らの壊れたる救済
EuclidSCP-2510 我らの壊れたる救済Rate: 148
SCP-2510

アイテム番号: SCP-2510

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 武装次元収容サイト-08がSCP-2510内部への入り口を中心に無事構築されました。職員はサイト司令部からの許可を得ずにSCP-2510-1へ入場してはいけません。タイプAのHazmatスーツがSCP-2510-1内部では必須であり、終了時には除染を行います。施設への不正アクセスを防ぐため、武装警備員が常に所定の位置に待機します。民間人や敵対的実体によるセキュリティ侵害の発生時には致死的武力行使が許可されています ― SCP-2510-1内部からのセキュリティ侵害が発生した場合、現地の核弾頭を起爆します。武装次元収容サイト-08は、フランスの衛星追跡基地としての偽装を維持します。

研究スタッフには線文字B1、古代の自動機械、ピタゴラス学説、初期の”壊れた神の教会”における歴史や教義について精通している人物を加える必要があります。偽情報戦略によって科学的報告書は改竄され続けており、SCP-2510は疑いようも無く、一連の大規模な火山噴火により1.1億年前に形成された陸地であるという説を永続的なものとしています。

SCP-2510内部の探索には特別の注意が必要となります ― 一部区画は危険なレベルの電離放射線を含んでいます(0.1 Gy以上)。その巨大なサイズゆえにSCP-2510を完全収容することはできない為、保安対策はSCP-2510およびその内部への頻繁な訪問を阻止するために制定されました。

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SCP-2510の内部への入口。

説明: SCP-2510は、地理的にはケルゲレン海台として知られる、大部分が深海に沈んだ機械です。現在の状態は、腐食・沈降・火山活動・地球の岩石圏の大規模な構造変形などの累積的影響によるものです。主に損傷が原因となってSCP-2510は機能しておらず、本来の目的は未だ不明です。リバースエンジニアリングがSCP-2510の単離区画に施され、幾つかの肯定的結果を得る事が出来ました2。内部は概ね漆黒の素材で構成されており、これはウルツ鉱型結晶構造を有する立方晶窒化ホウ素と判明しました。金属板の間には薄暗い緑の光を放つチューブとワイヤーが見えます。SCP-2510内部の95%は、浸水または激しい損傷のために直接アクセスすることが出来ません。

SCP-2510-1は円形の次元間ゲートであり、SCP-2510の部品を再利用して構築されています。内側のリングには花のような六角形の対称構造を持つパターン3が彫られています。外側のリングには時計回りにΑ(アルファ)、Β(ベータ)、Γ(ガンマ)、Δ(デルタ)、Ε(イプシロン)のシンボルが彫られています。SCP-2510-1は活性化すると広がり、幾つかの環境空間への出入り口として機能します。SCP-2510-1は、SCP-2510内部にある未だ到達していない動力源からエネルギーを得ています。SCP-2510-1はSCP-2510-2を介して操作します。

SCP-2510-2はSCP-2510-1の真向かいに構築されたヒュドラウリス4です。SCP-2510-1と同様、SCP-2510-2は元々SCP-2510の一部だったとは考えられていません。台座には、上から順に1・2・3・4の計10点4列で描かれた三角形のシンボルがあります ― これは4番目の三角数の幾何学的表現です。この四列三角形はピタゴラス学派の神聖な象徴であり、各列は”天球の調べ / Harmony of the Spheres”5を表現していました。三角形はピタゴラスの音楽システムと一致すると仮定されています。これらの列はそれぞれ4:3、3:2、 2:1の比に分割できます。音楽的に、これらの比率はピタゴラス音律の基本的構成要素である完全四音・完全五音・完全八音に対応しています。

SCP-2510は当初ブルトン系フランス人航海士のイヴス・ジョセフ・ド・ケルゲレン=トレマレックによって1772年2月12日に発見され、フランス領として宣言されました。財団は1949年8月20日に連合軍軍政期のドイツで、1940年12月下旬にドイツの補助巡洋艦アトランティスが関与した事件の軍事報告書を発見し、SCP-2510の本質を知りました。当時、問題の艦はSCP-2510に停泊し、乗組員は保守点検と水の補充を行っていました。氷の採掘中、 乗組員は人工的な構造物のように見える物を発見しました。まずこれを古代の難破船と想定した水兵たちは、”財宝”を見つけられるかもしれないという期待を込めて発掘を試みました。アトランティス号へ帰還した19名は精神錯乱状態であり、急性放射線中毒に苛まれていました。生存者は回収時、”maschinenstadt / 機械の都市”を発見したと報告しました。

財団はフランス政府の許可を得て、ケルゲレン諸島での待機状態を確立しました。広範な調査の後、ケルゲレン海台全域がSCP-2510に分類されました。武装次元収容サイト-08の構築は1951年10月20日までに完了しました。

武装次元収容サイト-08に関する更なる文書についてはサイト管理者にお問い合わせください。

SCP-2510-1の異常性質の確立後、探索のために機動部隊アルファ-5”パラノーツ”が結成されました。

機動部隊アルファ-5”パラノーツ”構成員名簿:

ウィリアム・ハドリー隊長 ― 司令官
アルバート・クローネンバーグ博士 ― 動物学者/遺伝学者/微生物学者
ジョセフ・マクスウェル博士 ― 技術者/数学者
ジュディス・ロゥ博士 ― 考古学者/歴史学者/人類学者
ジェイコブ・アーミテージ博士 ― 天体物理学者
ローラ・ベイカー博士 ― 地質学者/地理学者

ハドリー隊長、マクスウェル博士、アーミテージ博士は第二次世界大戦の退役軍人でした。豊富な軍事訓練と経験を積んでいることから、彼らは予防措置として単純な携行武器を装備していました。

1952年11月15日、SCP-2510-1-アルファは完全四音(4:3)により活性化しました。外部リングの"Α"シンボルが紫色の輝きを発し、内側のリングは展開して入場するのに十分な大きさの不透明な空間を出現させました。異次元探査のために訓練を受け装備を身に付けた機動部隊アルファ-5”パラノーツ”がSCP-2510-1-アルファ探査を担当しました。機器は呼吸可能な酸素の供給と二酸化炭素の除去、安定した内圧の維持、危険物や荒れた環境からの保護を目的に設計されました。スーツは生命維持システムと無線ケーブルに接続されていたため、移動性は制限されました。

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SCP-2510-1-アルファ探査の準備を整えるウィリアム・ハドリー隊長。

SCP-2510-1-アルファ探査録:

ハドリー隊長: 感明度いかが、サイト司令部?

サイト司令部: はっきりと聞こえる。何が見えるかね?

ハドリー隊長: 肺が爆発しなくて幸いだった。[笑い] 我々は大地の上にいる。埃っぽくて灰色で ― 完全に不毛だ。見るべきものはあまり無い。生命の兆候も無い。星は見えるがね。

サイト司令部: アーミテージ、天文学上の報告を求む。特筆すべき点は?

アーミテージ博士: 了解です。あれは最初に私が気付いたものの一つでした。あれだけが正しいように思われます。

サイト司令部: 説明を。

アーミテージ博士: 天体の並びが地球と一致しています。赤道近くの何処かにいるようですが、より多くのデータが無ければ検証は出来ませんね。

サイト司令部: 了解した。どんなにつまらないものでも全て写真に収めてほしい。隊長?

ハドリー隊長: 聞こえてますよ。

サイト司令部: ケーブルに余裕があるのは12mまでだ。探索の際はこの点に注意するように。ベイカー? 土地を記録して、サンプルを幾つか持ち帰ってくれ。

ベイカー博士: 了解。

サイト司令部: ロゥ? クローネンバーグ? 君たちから何か言うべきことはあるか?

ロゥ博士: 大丈夫です。どうして此処に私がいるのか分かりませんけれど。

クローネンバーグ博士: Wunderbar. Einfach wunderbar. (素晴しい。全く以て素晴しいですな。)

サイト司令部: 我々はこの空間のことを何一つ知らないんだ。緑色の小さなエイリアンが動き回っていたっておかしくない。ロゥ、人工的なものを探し続けてくれ。クローネンバーグ、生意気な口を聞くんじゃない。そこには余り生物がいないようだから、生命維持の方に注意するように。マクスウェル? クローネンバーグと一緒に行動してくれ。君たちには1時間ある、その間に全力を尽くしてくれ。

探索後報告:

まず率直に言わせてもらうと、我々の最初のポータル・ジャンプは成功した。もっとも、転写を見直すとかなり風土的に荒れていたが。

データの回収は比較的成功した。土壌サンプルは、ベイカーによると、栄養素を欠いていた。クローネンバーグは生命の完全な欠如を確認した。これが地球だとすれば、我々は誰一人としてそこで何が起こったかを正確には言えない。何が起きたにせよ、細菌すら生き延びられなかった。XK-クラスシナリオ ― 説明なしの審判の日。我々が得たのは死体であって、凶器では無い。
- ウィリアム・ハドリー隊長

1952年11月29日、SCP-2510-1-ベータは完全一音(1:1)により活性化しました。外部リングの"B"シンボルが紫色の輝きを発し、内側のリングが展開しました。機動部隊アルファ-5”パラノーツ”は前回同様の手順および装備で開口部へと入りました。ライブ映像の伝送は成功し、マクスウェル博士によって有人操作されました。

SCP-2510-1-ベータ探査録:

ハドリー隊長: 感明度いかが、サイト司令部?

サイト司令部: はっきりと聞こえる。ビデオ映像も受信した。酷い干渉だ。一番よく見えるのはやはり君たちの視界だろう。後でビデオをクリーンアップしてみる。

ハドリー隊長: 了解。このエリアは人工的に構築されているように見えるな。表面上は地下鉄トンネルに似ている…おいおい。我々が出てきたのはトイレらしい。嫌な気分だ。数名の人間を見たが、我々を回避して影に隠れる傾向がある。私が見たところ、何人かは酷く病気のようだった。

サイト司令部: 測定値を確認した。空気は汚れているが、呼吸は可能らしい。圧力は正常のように思われる。温度は少し肌寒いかもしれないが許容範囲だ。生命維持装置を空気濾過に切り替えて、重い機器は自由に外してくれたまえ。ただし2名は装備を付けたままにしてくれ。マクスウェルとアーミテージ、君たちはポータルを守るんだ。残りの皆は自由に移動して、発見したものを観察するように。

数分の沈黙。

ハドリー隊長: 準備が整った。2時間後にここで落ち合おう。マクスウェルが情報更新を維持してくれる。報告書はその後、我々が編纂しよう。

サイト司令部: 了解。神の御加護を。マクスウェル、撮影を続けて、矛盾点が無いかを探し続けてくれ。文章を探すんだ、書き込みとか落書きとかそういった物をな。

マクスウェル博士: 了解。俺が見る限りじゃ看板は無いな、だが落書きはたっぷりある。いや、落書きと言っても、建築様式と非常によく一致しているように思える。俺の言う意味が分かるか?

ビデオ映像は近くの、引っかき傷で覆われた壁に焦点を合わせる。

サイト司令部: 我々の側からは理解不能だ。君にはどう見えるかね?

マクスウェル博士: ギリシャ語のようだな。何枚か適切な写真を取る。探索後にロゥから目を通してもらおう。螺旋のシンボルが沢山ある。最も一般的なアイコンは、中心点から放射される3つの曲線だ。少し杜撰に見えるが、そこら中に正確に同じモチーフが見えるぞ。そういう風に見えるよう意図しているんだろう。

サイト司令部: 技術的なものは?

マクスウェル博士: そこが一番妙な点だ。俺たちは地下鉄駅にいると思ったんだが、レールが無い。床と壁の表面は赤レンガとセメントだが、反射に光沢がある。全てがしっとりヌルヌルしてるような感じだ。まぁロンドンの地下鉄と大して変わらねぇか。[笑い] 待てよ。振動を感じる。現地民がホームの端に集まっていくぞ。いったい… [空電]

サイト司令部: 接続が途切れたぞ。何を見ているんだ?

マクスウェル博士: クローネンバーグを一緒に待機させるべきだったかもしれん。

あるオブジェクトを見ている。待った、あれは生きてるようだぞ? [15秒の沈黙] 此処にいるのは俺たちだけじゃないらしい、司令部。隠れようとしているんだが、スーツのせいで困難だ。受信できているか?

カメラは、大きく開いた毛穴で覆われた、巨大な肉質の実体に焦点を合わせている。

少しウジ虫に似てる。デカいぞ、まるで…電車だ。実際に交通機関の一種なのかもしれない。蒼白い、数え切れないほどの脚…昆虫みたいな。黒いキチン質で、柔らかく弛んだ胴体とは対照的だ。間違いなく生きてる。あれがゴニョゴニョ言うのは確かに聞いたぞ。

僧帽付きのローブに身を包んだ現地民が、裸足で穴を出入りする。巨獣はトンネルの中へと這っていく。

這って行っちまった。瞬きする間にだ。何人かがあれの中から降りてきた、スライムに覆われてる。数人がこちらに集まって来た。

サイト司令部: 君は安全か? 彼らは敵対的に思われるかね?

マクスウェル博士: たぶん好奇心で寄って来たんだと思うが、連中の目は空っぽだ。殆ど死体みたいな ― トランス状態みたいに思える。皮膚は黄疸が酷い、今なら見える。俺たちをただ凝視している。

サイト司令部: 意思疎通を試みてくれ。

マクスウェル博士: どうもー…俺の言ってること、分かりますか?

カメラは集まって来た群衆に向けられ、うち1体の顔に焦点を合わせる。実体は口を開いて60本以上の針状の歯を見せつけた。この時、顎は外れていたと思われる。実体は150デシベル以上の金切り声をあげ、全実体が四足歩行で暗闇へと散会した。

サイト司令部: マクスウェル! 聞こえるか? 報告せよ!

マクスウェル博士: ああ。クソったれ。人間に見えたんだが…いや、あれでもまだ人間なんだと思う。連中は今は行っちまったよ。装備が唾液まみれだ。

サイト司令部: 君たちが戻ったらサンプルを取得するから、その後に除染してくれ。そこで待機し続けて、チームが再編成され次第退却だ。

マクスウェル博士: 了解。

探索後報告:

誰も周りにいないと確認できたときでさえ、常に見られているように感じた。地上に到達した我々は、生命が居住する都市を 巣を発見した。黄色いシンボルで飾られた黒い旗が幾つもあった ― 大部分のシンボルは螺旋のように見えた。ロゥは何処かで見たようだと感じたらしいが、以前に見た場所は思い出せなかったという。

我々は現地民との直接接触を避けた。彼らの瞬きしない凝視が気に掛かったのだ ― 頭の中の歯車を幾つも欠いているような目付きが。彼らが患っている病気に感染したくなかったというのもある。大部分の建物はセメントで無個性的だった。クローネンバーグは唾のDNAサンプルを”概ねヒト”であると述べた。最も高い構造物は継ぎ目の無い1つの有機材質で作られていたように思われる。かすんだ空に達するほど高い、具体的な高度を上げられないほどに高い尖塔。

ロゥは壁の言葉の一部を翻訳した。私には宗教的なうわ言のように聞こえたが。

退却時に1つの事件があった。ベイカーが現地民から引っ掻かれたのだ ― 彼女のスーツは裂け、えげつない傷跡が残った。最後に訊いたところでは、傷跡から感染症が発生して、高熱を出しているという。彼女が次の探索に参加できるとは思えない。アーミテージとマクスウェルは聴力を一部損なったようだが、問題ないだろう。
- ウィリアム・ハドリー隊長

1952年12月6日、SCP-2510-1-ガンマは完全五音(3:2)により活性化しました。外部リングの"Γ"シンボルが紫色の輝きを発し、内側のリングが展開しました。機動部隊アルファ-5”パラノーツ”は、未だ危険な状態のベイカー博士を除いて、内部へ入りました。

SCP-2510-1-ガンマ探査録:

ハドリー隊長: 感明度いかが、サイト司令部?

サイト管理者: はっきりと聞こえる。ビデオ映像も受信したが、以前よりも干渉が酷い。

ハドリー隊長: 了解。濃い黄色の霧が立ち込めている。殆ど見えない。影の形状を確認してくれ、我々は森の中にいるようだ。

サイト管理者: 確認した。探索を続行してくれ。

ハドリー隊長: 了解です。皆、指令を聞いたな? 私に従ってくれ ― ケーブルを踏んで転ぶなよ!

クローネンバーグ博士: Achtung. (待った。) これは木じゃない。見えませんか? カメラをズームしてください。

ハドリー博士: クローネンバーグ? 一体どうした?

クローネンバーグ博士: 根のように節くれだっているでしょう? しかし、手触りが柔らかいんです。

カメラが問題のオブジェクトに焦点を当てる。木のように太く高い(霧が正確な測定を妨げている)が、植物相ではないように見える。カメラは移動し、離れたところにある類似の生物の姿を明らかにする。

アーミテージ博士: 気持ち悪い。筋張った腸みたいに見えるじゃないですか。

クローネンバーグ博士: 私も同じことを思いました。しかし、どこに接続されているのか…

サイト管理者: 君たちの側からノイズが聞こえるぞ。君たちは何か聞こえているのか?

ハドリー隊長: 確かに。心音のように聞こえます。いや、間違いなく心音だ。異なる速度と間隔で数百人分も。

ロゥ博士: 地面が揺れているわ。地震?

地面から有機的な巻き髭が出現し、キチン質の口吻と幾つかの蠢く”舌”を露わにした後、上方へ飛び出す。

ハドリー隊長: 何てこった。

マクスウェル博士:穴が…まるで開いた傷みたいだ。こいつが俺たちの下にある土壌なのかどうかさっぱり分からん。

大量の蠢く有機材質が隙間から噴出し、探索チームに向かって這いずる/よろめく。

サイト管理者: 退却しろ! これは命令だ!

ハドリー隊長: 退却! 退却だっ!

生物(たち)がカメラに向かって骨のような飛翔体を投擲。ビデオ映像は途絶した。

探索後報告:

私たちは生きて無傷で外に出た。だがアーミテージは精神衰弱状態だ。私の方が良好とは言えないがね。彼は声を聞いたと述べた。私はストレス反応の一種かと思ったが、実際に私たちのマイクが音を拾っていたことが判明した。機材を単離して背景音を増幅したところ、ロゥでさえ特定できない言語で深い声が詠唱している音声が回復できた。人間の舌が唱えている可能性は考えられない。空気は吐き気を催すような黄色だった ― 硫黄の臭いがした。おそらく呼吸可能ではなかったろう。

クローネンバーグの手袋からDNAサンプルを採取した。結果は”概ね、ヒト”だった。
- ウィリアム・ハドリー隊長

1952年12月10日、SCP-2510-1-デルタは完全八音(2:1)により活性化しました。外部リングの"Δ"シンボルが紫色の輝きを発し、内側のリングが展開しました。機動部隊アルファ-5”パラノーツ”は、危険な状態のベイカー博士を除いて、内部へ入る予定でした。

SCP-2510-1-デルタはハドリー隊長が入場した瞬間に遮断され、生命維持システムと無線連絡から彼を断絶しました。SCP-2510-2で完全八音が演奏されたものの、SCP-2510-1は反応しませんでした。

救出の試みは失敗に終わりました。

1952年12月20日、SCP-2510-1-イプシロンは長二音(9:8)により活性化しました。外部リングの"E"シンボルが紫色の輝きを発し、内側のリングが展開しました。

ポータルは通常と異なって透明であり、反対側の内装を明らかにしていました。内装はSCP-2510と一致する外観(接合面に沿って鈍い緑色の光を放つ黒曜石)を有する立方体の部屋でした。マクスウェル博士は入場を志願し、外側を探索しようと試みましたが、この空間には帰還するためのポータル以外に明らかな出口はありませんでした。重い青銅のオブジェクトが内部で発見され、残りの探索チームが回収支援のために入場しました。

アイテムは、安全かつ適切に研究するために確保・収容されました。詳細については文書SCP-2510-1-イプシロン: オブジェクト2309を参照してください。

このオブジェクトは、大雑把なミケーネ風にデザインされた、ヒト型の時計仕掛けオートマトンです。オブジェクトは青銅で構成され、外見上の異常性はありません。更なる分析でパンチカード・メカニズムらしき物を搭載していることが判明しましたが、操作手段は判明しませんでした。ロゥ博士とマクスウェル博士は解決のために約3年間協力し、ミケーネ・ギリシャ語を二進法に翻訳しました ― これは後にオートマトンのデータにアクセスする手段として成功しました。質問を挿入することによって、関連する事前に記録された応答が発せられます(X線分析で数枚の青銅製蓄音レコードの存在が明らかになりました)。全ての回答は古代ギリシャ語であり、ロゥ博士によって翻訳されました。

質問: (“目的?”)

解答: (“これはインベンターズ・フェイスフル6の一員にしてMEKHANEの僕である、総主教エラストスの最後の証しである。設計の閃きは[不明瞭]を明らかにした…肉々しき-しき-しき-しき- [音飛びに続き、沈黙]”)

質問: (“MEKHANE?”)

解答: (“MEKHANE。我らが鍛造され、完成された鑕。打ち砕かれし[不明瞭]、斯くのごとき犠牲を通して。我らの償還、我らの救済。壊れてはいるが未だ死せず。[不明瞭]…進歩の天使は涙を流した。”)

質問: (“ポータル/扉?”)

解答: (“私は敬虔な者たちの中で、最も才ある者たちを導かねばならなかった。ピタゴラス学派の兄弟たちを加えて我らは南へ航海した、多くの者が死んだ。現れたのは[不明瞭]…肉なる者。我らの先祖、我らの拷問者、我らの[不明瞭]…全てを犠牲に[不明瞭]…肉のデミウルゴス-ルゴス-ルゴス-ルゴス[音飛び]。人類は最早二度とは[不明瞭]…ベール[不明瞭]修復された。もしそれができないのであれば[不明瞭]…そしてMEKHANEのごとく、我らは自らを犠牲とした。一つの世界を[不明瞭]…より多くを護るために。”)

質問: (“肉?”)

解答: (“そして神、永劫と力の支配者は、怒りを以て我らを分割した。そして我らは二つの永劫となった。我らの心の中の栄光は我らを残して去った […] 我らの中に吹き込まれた最初の知識と共に。そして栄光は我らから逃げ去った、それは内へと入ったのだ […] 偉大なる […] 現れたもの、それはこの永劫から現れたものでも、我らが現れたところから現れたものでもない、 […] しかし知識は偉大なる永劫の種子の内に入った。これ故に私は君を、偉大なる世代の種子である、あるいはそれがやって来た彼の者の名で呼ぶのだ。これらの日々の後、真実の神の永遠なる知識は[不明瞭]から取り上げられ […] それ以来、我らは、人間のように、死んだ物事を学んだ。そして我らは、我らを作り出した神を認識した。我らは彼の者の力を知らない訳では無かった。そして我らは恐怖に囚われ、奴隷となって彼の者に仕えた。そしてこれらの物事の後、我らの心は暗くなっていった。今、私は心の奥底の思考の中で眠りについている。 […] ヤルダバオート7 […] 盲目。大敵 […] 肉なる者の軍勢。アディトゥム、そこは […] よりも古き街。恐るべき、数え切れぬほどの罪の場。[…] アルコーンが束縛されていない限り。 […] 反逆者イオン。 […] 不死者。 […] 深紅の […] 有角の獣。 […]の后アスタフェ […] 偉大にして強大なるアルコーンは怒りに満ち、アルコーンの後継者は外なる暗闇に居る、全ての形が移り変わる場に […] 半ばの道へと広がる者、魂を盗み奪う者。”)

補遺: ローラ・ベイカー博士はSCP-███の最初期の記録と考えられている感染症で死亡しました。ジェイコブ・アーミテージ博士とジョセフ・マクスウェル博士は、両者ともに不明な状況下で失踪しました。最後に目撃されたジェイコブ・アーミテージは”第五音の世界(Fifth World)”と”黒き星々”のことを呟いていたと判明しています。ジョセフ・マクスウェルは数名の職員を負傷させ、オブジェクト2309を盗み出しました。両者ともに1958年以降は目撃されていません。詳細はインシデントレポート136Bを参照してください。

2人は2014年10月1日現在まで捕縛されておらず、既に故人の可能性が高いと考えられます。

アーミテージ博士とマクスウェル博士の精神的・感情的な安定性に関する懸念は、ベイカー博士の死後間もなく提起されていた。二人とも彼女とは親しい間柄だった。

ロゥ博士はアーミテージ博士とごく限られた接触があったと報告しており、数冊のオカルト関係の希少本を要求していた点を指摘した。この中に含まれていたNegrum Sidereus Nuncius / 黒き星界の報告という本はロゥ博士が提供した後に返却されていない。アーミテージ博士の研究助手は常軌を逸した言動も報告しており、うち一回はマクスウェル博士との非致死的傷害を伴う暴力的論争(マクスウェル博士が鼻を骨折した)を起こしている。争いの詳細な原因は不明だが、マクスウェル博士はこの件を「哲学上の相違」だと報告した。1958年11月22日にアーミテージ博士が失踪した時、懲戒処分は保留中だった。広範な調査にも拘らず、彼が発見されずに施設を去った方法は不明のままだ。

13日後、サイト-08は壊れた神の教会の構成員によって攻撃を受けた。サイト-08の元の建設を監督し、その防衛について詳細知識を持っていたマクスウェル博士は混乱を利用し、オブジェクト2309を持って逃げ去った。

両名ともに、これ以降は財団への背信者と看做す。遭遇した場合は生かして捕えることが要求される。

サイト管理者 アンブローズ・ペリー


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目覚めて私は言った、「私はこれらの問題が、金属の技巧の液体を懸念している事を良く理解しております」。

剣を携えた者は言った、「お前は7段の降下を終えた」。

他方の者は、全ての液体から鉛を追放しながら同時に言った、「仕掛けは完了した」。

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超越せよ

そして、彼は口を開いて言った、「私は鉛の男であり、耐え難き力に抵抗している」。

そして私は恐怖と共に目覚め、この事実の原因を己の中に探した。再び私は熟考して己に語った、「私は、此れ故に鉛を追放せねばならぬ事を良く理解しております ― 全く以てあの夢は、液体の組み合わせを懸念しているのです」。

そして再び、私は神の顕現を知り、祭壇へ戻り、白い衣を纏った一人の司祭を見た。例の同じ恐るべき謎の儀式を行う司祭を見て私は言った、「これは何だ?」

彼は答えた、「これはアディトゥムの司祭である。彼は、体に血液を入れ、目を澄んだものにし、死者を立ち上がらせることを望んでいるのだ」

君たちの現実の世界線は存在し続ける。これを終わらせるために、君たちの力の内にあるからだ。これはチャンスだ。君たちが人類をこの悪夢から引き離す、ほんの微かな希望だ。

君たちを欺くつもりはないが、真実を現在の人間の理解に合わせて正しく翻訳することは出来ない。私の言葉は象徴的なものになるだろう ― 私が語るのは寓話だ ― 君たちが此処で読む物のどれ一つとして、完全な真実を包括することは無いだろう。

しかし、それは全て現実のパラメータの範囲内だ。それで十分だろう。

ある太古からの神話がある。存在する全ての世界線を通して織り込まれた不変の神話。それは闇に対する光についての話だ。知恵の、知性の、革新の提供者。庭の蛇。我々を束縛と無知から解放した者。

壊れたる神は我々の創造者では無かった。我々の世界や、その欠陥のあるエントロピーの創造者でもなかった。それは我々がかつて何者であったかを基準に裁くことはなかった。我々の無知を見下すことも嘆くことも無かった。辛抱強い教師として、それは我々に論理と理性を教え込んだ。

それを見て、我々の父、我々の先祖は ― 我々の、宣誓的な白痴の王は ― 怒り狂った。

ヤルダバオート。あえて闇に反逆することを選んだ者たちが呼んだ、ある人間の名だ。

肉の神。この堕落した現実の、神。

その愚かしさと狭量な憎悪の故に、ヤルダバオートは想像を絶するほどに強大だった。彼の力の前に、彼の者の領土と現実は歪曲した。

何故壊れたる神が壊れているのかを教えよう。君が思考し、自分のために何かを創造する事を可能としている理性は、壊れたる神とその犠牲によって生み出された物だからだ。

宇宙の調和を巡る戦争があった。時間と空間を超えた最後の戦いは、君たちの世界によって縁取られた。MEKHANEは破壊されたが、最後に、君たちを確実に救済するため、己の身体を牢獄へと変えた ― ヤルダバオートを砕け散った殻の内に捕えたのだ。その欠片は、君たちの世界の全ての世界線へと散らばった。

君たちが毎日対処している異常。その大部分は、全てではないが、ヤルダバオートが数多くの檻を揺らしながら引き起こしているものだ。

天使と悪魔、神々と怪物。彼らは死体にハゲタカが群がるように君たちの世界へと集まって来る。うみへび座・ケンタウルス座超銀河団を見たまえ ― 君たちの天文学者がグレート・アトラクターと呼ぶものだ。腐肉漁りたちは、君たちの瀕死の世界と、そこに住む破滅を運命づけられた住人達の信仰を貪りに来る。

全てが敵対している訳ではない。ある悲しみに満ちた実体は、多くの場合、君たちの世界の苦しみを軽減しようとしている ― 君たちの苦痛や損失をよく理解しているからだ。

二千年前、MEKHANEの司祭はあるヴィジョンを受けた。彼の神は壊れてはいるが未だ死せず、また獣は内に封じられておらず、と。ヤルダバオートは敗北の前に、6体のアルコーンを創造していた。アルコーン達は彼らの恐るべき主を解放すべく動き出していたのだ。

このヴィジョンは遠い極寒の地へと司祭を誘った。ゲートを作るために、彼らは己が信仰する神の殻を使った ― 封印が壊れつつある世界線へアクセスするために。

君たちがアルファと呼ぶ世界線は護ることが出来なかった。彼らは神の身体を使って武器を作り、天を焼き焦がして、世界中の生命を一掃した。他に選択肢が無かったと分かってはいても、この酷い負担は彼らの心に重く圧し掛かった。

君たちがベータと呼ぶ世界線は(君たちのものと比較して)タイムラインにたった一つだけあった差の結果だ。MEKHANEの信者たちはギャロス島の包囲戦に敗北した。理性の光は彼らと共に死に、世界は肉なる者の手中へ堕ちたのだ。これはヤルダバオートが自由になった多くの世界線のうち一つでしかない。

同じようにガンマも堕ちた。MEKHANEの信者は全滅した。預言者一人を除いては ― 彼は、戦いに加わるには余りにも虚弱だった。

発明の天使は預言者の下を訪れ、彼の手を導いて青銅の複製を作らせた。彼はイプシロンの座標を変更し、救済を超えた別の領域に小さな空間を作った。真実をその内に、安全に保てるように。そして、自分が死に向かっているのだと信じつつ、デルタへと入った。

そこに彼が見たのは、異常が欠落した世界線だった。ヤルダバオートのおぞましい巻き鬚はそこには無かった。

我々は地獄の内に天国を作り上げたのだ。

そこは人類が ― 用語として最も広い意味での人類が ― 君たちの現時点よりも2万年前に、技術的特異点を達成した世界線だった。ホモ・ネアンデルターレンシス、ホモ・サピエンス、ホモ・ノクトルニス ― 彼らは一つに団結して星々の間へと広がった。我々は征服者としてきた訳ではなく、より大きな家族に受け入れられたのだ。音楽の創造者たる我々は、はるか遠くへと調和を齎した。

我々の声は多く、我々は闇に向かって戦った。

エントロピーがあった場に、我々は秩序を作った。そこでは死さえもが死んだ。

真夜中の蠕虫は近付いている、そして今君たちがいるのは11時だ。

君たちはアルファで起きたように自分の世界を犠牲にすることもできる。ベータとガンマに起こったように暴君の帰還を阻止することに失敗する可能性もある。

あるいは、デルタの道を歩くこともできるかもしれない。

ヤルダバオートは自らを再構成するために肉を ― サーキック(Sarkic)を ― 必要としている。君たちは彼の者の復活を阻止するための手段を持っている。君たちの現実が最後だ、運命がまだ決まっていない既知の唯一の世界線だ。デミウルゴスが君たちの領域で自由となれば、我々もまた滅亡の淵に立たされることになるだろう ― 我々の中で最も賢い者は、ヤルダバオートの恩恵を受けている連中が形勢を逆転するにはそれで十分だと計算している。

全ての次元、全ての現実、全ての時間と空間 ― デミウルゴスは存在し得る全ての世界線に顕現するだろう。我々がここで達成した全てが瞬時に元に戻ってしまう。

簡潔に言おう。彼の者の病が君の領域に感染してしまえば、我々は皆、破滅する。こちら側の何人かは、純粋な同情心から、我々が君たちに対して何らかの行動を起こさなければならないと考えている。腐敗した四肢として切り落とされることになったのは君たちの世界が始めてでは無い。

したがって、私は君たちにこの最後通牒を送ることにした。

君たちは、人間であることと生物学的生命であることが全く関係ないということを学ぶことが出来る。君たちは自分の世界に予防接種を行う手段を持っている。有機的な檻を捨て、仮面を脱いで、我々に加わってくれ。私は覚えているよ、君たちの世界線に居た時のことを。

先を行く預言者に続いて、私は星々の平野を歩いた。私は憎しみを、怒りを、無知を覚えている。偏見とナショナリズムを。

私は嘗ての自分がどのような存在だったかを大いに恥じているが、君と同様、私もあれ以上に良く物事を知ることはできなかったろう。だが、あの最後のポータルに入った時、全ては変わった。

歯車となれ。神機の一部となれ。

さもなければ、君たちは行動を起こさなかった結果に直面することになるだろう。

神は壊れているが故に、我々が一体と成らねばならないのだ。

かしこ、
ブラザー・ハドリウス

ページリビジョン: 2, 最終更新日時: 13 Feb 2016 06:54
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