nn5n Foundation
Branch of SCP Foundation
nn5n: scp-5069 八正道
SafeSCP-5069 八正道Rate: 107
SCP-5069

コンテンツ通知: この記事には性行為の描写が頻出するため、未成年の読者には適していません。

アイテム番号: SCP-5069

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-5069-1から-8のセルロイドフィルムはサイト-28メディア保管棟の標準的な保管ロッカーに収容されます。SCP-5069実例はSCP-5069収容主任(現在はジェニファー・シノムブレ博士 デイヴィッド・シルエラ博士)からの許可が無ければ利用できません。

財団エージェントはオカルティストや性倒錯者のコミュニティを監視し、SCP-5069のコピーや言及を探ります。財団の収容外で発見されたSCP-5069実例のコピーは破壊し、SCP-5069実例を視聴した/作中の性行為を再現した全ての人物にクラスC記憶処理を施します。

説明: SCP-5069は1977年から1982年にかけて制作された8本のポルノ映画の総称です(SCP-5069-1から-8に指定)。SCP-5069実例の上映時間は34分から4時間以上まで幅広く、(SCP-5069-4の例外を除いては)単一の長回しで撮影されたようです。SCP-5069は、1960年代初頭から1980年代後半までニューヨークとヴェニスで活動していた異常なイタリア人芸術家、フランチェスコ・カスタルド(PoI-33906)によって、“フランコ・スパンコ”の偽名で制作されました。

SCP-5069実例には固有の異常性がありません。SCP-5069実例で表現されている性行為は、現時点で目的の不明確な奇跡論儀式だと考えられています。研究はジェニファー・シノムブレ博士の監督下で進行中です 無期限に中止されました。

ジェニファー・シノムブレ博士 - 研究メモ、1986年5月5日

シノムブレ博士のオフィスコンピュータから回収されたテキストファイルのコピー。

ジェニファー・N・シノムブレ - SCP-5069プロジェクトの予備メモ 86/5/5

という訳で、新しいプロジェクトは不気味な儀式ポルノ映画シリーズ。勿論乗り気じゃない、近頃はまるで自分がエロティカの専門家になったように感じ始めている。でももしかしたら、この道を長く続けていれば、実際にポルノグラフィーを研究する下位部門の主任に出世して給料も上がるかもしれない。ともかく前回のプロジェクトよりは悪くなりようがない - イルカの体液がどうしても出てこなかったから、キーボードを新調する羽目になった。

文書記録では異常性が無い可能性すら示唆されているが、評決はまだ下っていない - 私はまだ映画を見ていないが、それらとカスタルドについて聞いた話から考えると、まず奇跡論絡みに違いない。性魔術についての本を取り寄せること - クロウリー、パーソンズ、デ・ナグロフスカ - いずれかが関連性を持つ場合に備えて。

映画を観たDクラスは全く異常な症状を示さなかった。何人かはもう一度見たいと要請したが、ミーム的な強制は無し - どうせ売店では水着グラビアさえ売っていないから、彼らにとって久方ぶりのポルノだっただけの話だろう。今日観始める予定、明日には完了するはず。

昨夜はカスタルドの非アナート作品を幾つか鑑賞し、彼の映画監督としての流儀を感じ取ろうとした。明らかにゴンゾ1よりもエロティカ寄りの作風で、シュルレアリスムを多用している。古典的な設定を選ぶ傾向 - 彼は古代ローマ風の美学を愛している。批評家たちによると、彼の最高の作品はLe Barbare (蛮族の女たち)。確かに奇妙だ - カリギュラにイレイザーヘッドを掛けたような映画 - しかし言わざるを得ない、私はファンだ。

AVがたった今、映写機の準備ができたと知らせてくれた。上映室にコンピュータは持ち込めない、石器時代に戻らなければ。

表 5000-A: SCP-5069実例

シノムブレ博士が記した要約。シノムブレ博士のデスクから回収されたノートの転写。

実例 タイトル 要約
SCP-5069-1 ザ・サン・キスト・ラヴァーズ (The Sun Kissed Lovers) 男性1人と女性1人が、日の出から浜辺でセックスを開始し、様々な体位で正午まで継続する。カメラアングルは変化し、役者2人が常に太陽の逆光を受けたシルエットとして映るようにしている。2人はどちらも映画の最後33秒時点までオーガズムに達しない。2人がオーガズムを迎えた時点で、太陽は明るさを増し始め、やがてどちらの役者も見えなくなる。

上映時間はおよそ4.5時間。2人とも気の毒に - しかし大したスタミナだ。多分。優れた編集? 確認するには徹底的な検証が必要。太陽崇拝? 相互参照。アテン、ズンビール、エラガバルス/ソル・インヴィクタス。タイトル“サンキストラバーズ”(原文ママ)、ハイフンは無し2 - “太陽が恋人たちにキスをした”? 浜辺の場所を見つける - 現地の正午/日の出の表と相互参照。
SCP-5069-2 バーニング・パッション (Burning Passion) 男性の一団が火を囲んで自慰行為をする。1人が火の中に射精するごとに、その男性は別の役者と入れ替えられ、火は高さと明るさを増して燃える。20人の男性が火の中に射精した後から、役者の交換は行われなくなる。25番目の男性が去った後、火勢は30分かけて衰え、裸の女性が中心部に跪いていることが明らかになる。女性は立ち上がり、画面外へ歩き去る。

炎が女性を産む? 炎が女性自身? “バーニングパッション”に二重の意味 - 情熱は燃え盛るが、情欲(つまり精液)は燃やされている。特殊効果か異常か?
SCP-5069-3 骨まで硬く挿し込んで (Bone Deep and Deeper Still) 裸の男性2人3がボクシングリングで格闘する。各ラウンドの敗者は勝者に口腔性交を行い、勝者がオーガズムに達した後に次の試合が始まる。試合は8ラウンド繰り返され、両者はそれぞれ4回ずつ勝利する。最終ラウンドの後、役者2人は画面外の人物からナイフを手渡され、映画は両者が再び向かい合った時点で唐突に終了する。

儀式的戦闘。女性がいない唯一の映画、カスタルドが異性愛者だとしたら筋が通る。“骨まで硬く挿し込んで” この男はポルノダジャレが大好きらしい。役者の身元を特定できるか? 傷跡とタトゥーはどちらも非常に目立つ。
SCP-5069-4 百万の小さな死 (A Million Little Deaths) オーガズムの最中と思しき女性の顔の接写映像77本を編集した作品。それぞれの映像は直前の映像よりも若干長く、それぞれの役者は直前の役者よりも若干高齢である。最終映像が終わる際、役者は画面が暗転するまでの3分間、カメラを直接見つめ続けている。暗転後のキャプションで、彼女が撮影中に心臓発作で死亡したことが鑑賞者に伝えられる。映画に音声は無い。

異様なやり方だが、美しい - “小さな死”に続いて訪れる1つの大きな死。最後の女性は元モデルのルチア・スカーレッタに間違いない。映画の制作と同時期に死亡しているが、撮影中に死んだかは確認できず。人身御供? しかし自然死を介した人身御供。完全に無音なのも興味深い、また別の死の象徴?
SCP-5069-5 肌の下にて脈を打つ (Pounding Below the Skin) 男性2人と女性2人が様々な体位でセックスをする。彼らの動きは全て、背景にいる裸の男女の集団が数多くのドラムや管楽器で演奏する音楽のリズムと一致している。音楽は映画全体を通してテンポを増し、役者たちの動きもそれに合わせて速度が上がる。最後の3分間で、役者たちは1人ずつオーガズムに達し、疲労して倒れる。最後にオーガズムに達した役者(女性の1人)が、ドラマーの1人からヒノキの花冠を被せられ、全ての演奏者たちによって画面外へ運ばれる場面で映画は終了する。

ほとんど誰が最後まで持ち堪えるかの競争のように思える。音楽はフリギア人の儀式歌に類似 - それにヒノキの花冠はアッティス/キュベレーの教団を連想させる。 (勿論、誰も去勢されていないが、もし男が勝っていたら何が起きたか気になるところだ)
SCP-5069-6 抱擁の可能性 (The Possibilities of Embrace) 不明確な数の4男女が様々な体位や組み合わせでグループセックスに従事する。全ての女性が月経中である。映画開始から27分後、全ての性行為が停止する。役者たちが形成した輪の中心に女性の1人が立ち、役者たちは各々、月経液で彼女の皮膚にシンボルを描く5。全員がシンボルを描き終えた後、輪が狭まり、全てのシンボルは参加者たちによって舐め取られる。

最も散漫で、最もセクシーでない作品。生理中のセックスのファンではない。シンボルは一貫した意味を持つようには思えず、象徴主義のための象徴主義という印象を受ける。役者たちが記す文字は、私に見つけられる範囲では、実際の単語を形成していない。傑作とは言えないな、フランコ。
SCP-5069-7 あの子はやりたい人をやる (She Does Whoever She Does) 1人の女性がクラブのステージでゆっくりとストリップをする。観客は全員、動物の仮面を被っている。全裸になった女性は、キツネの仮面を付けた別な女性をステージ上に招き、セックスをする。その後、カメラは舞台裏へ、そして路地へと彼女を追跡する。女性は裸のままで町の通りを歩き、地面に落ちている衣服をゆっくりと身に纏っていく。完全に服を着た女性は別のクラブに入り、キツネの仮面を付けて観客席に座る。ストリップショーが始まる。

周期性。ダンサーがキツネになり、キツネがダンサーを誘惑し、全てが繰り返される。街を特定できない - 紛れも無くヨーロッパ風だが、看板どころか家の住所番号さえ何処にも無い。多分ポケットディメンション? またはただの撮影専用舞台か。セックスは殆どの“女の子同士”ポルノより現実味がある。
SCP-5069-8 身体の沢山の門 (The Body's Many Portals) 裸の女性が紫色のタイルの床に座っており、目の前には大きな水入りのタライがある。彼女は水を使って歯を磨き、目と鼻腔と耳と臍を洗い、膣と尿道と肛門を洗浄する。彼女は必要な道具を全て画面外から持ち出している。彼女はポケットナイフでかかとの後ろに小さな切り傷を作り、その傷を残りの水で洗う。彼女は短時間の自慰行為をした後、床に寝そべり、眠った様子を見せる。映画はその後さらに52秒かけて暗転する。

最も露骨に性的でない作品。“身体の沢山の門” - それぞれの開口部が戸口だとして、何のための? 全てのドアを開き、新しいドアを作る - 啓示のメタファー? また、他の作品とは異なる一人遊びのシーンあり。 (間違いなく私のお気に入り)

ジェニファー・シノムブレ博士 - 研究メモ、1986年5月6日

シノムブレ博士のデスクから回収されたノートの転写。

J. N. シノムブレ - 87/5/6

ちょうど5069実例の最初の鑑賞を終えたところ。フランコの他の作品と同じ作風 - ポルノと芸術映画の境目が曖昧になっている。私が読んだ性魔術との直接相関性は無いが、映画の多くは少なくとも美的観点において神秘主義を含む。7と8は例外かもしれないが、とりたててセクシーとは感じなかった - 個人的バイアスかもしれない、Dたちは楽しんでいたようだから。

4、8は本質的にポルノとは言い難く、それだけに興味深い - フランコの映画が全てそうであるように、これらも間違いなくポルノとして公開されていた。胡散臭いポルノ映画館の一場面を想像してみる。シコる気満々で出向いた男たちを迎え撃つのはぴったり1時間分のイキ顔。天才の所業だ。

象徴主義と儀式のややこしい混合。間違いなくギリシャと近東の宗教/民話/神話から採用した要素。古代スキタイを舞台にしたle barbareにも同じ演出が沢山出てくる。黒海地域全体がカスタルドにとってはアイデアの宝庫のようだ。全て魔法のように見えるが、真の魔法ではない。儀式主義だが、奇跡論に用いられる正しい種類の儀式ではない。自分が奇跡術師かどうかを知るステップが欠落しているだけかもしれない。訊ねるための手掛かりを見つけなければ。フランコは奇跡術師なのか?

より多くの背景情報が必要 - 午前中にPOIファイルをチェック

要注意人物ファイル#33906: フランチェスコ・カスタルド

初編纂 1970年5月; 最終更新 1986年12月。

FrankoSpanko.jpg

POI-33906、1976年6月18日

本名: フランチェスコ・カスタルド

既知の別名: フランコ・スパンコ、“ 監督 ”ディレクター、クリストファー・ドメラ

関連要注意団体: Are We Cool Yet?

誕生日: 1941年1月11日

国籍: イタリアで出生; 1969年以降アメリカに帰化

説明: 白人男性、茶髪、茶色の目。身長1.8m、体重約85kg。通常は長髪であり、豊かな髭を生やしている。

識別記号: 腹部に盲腸除去手術の瘢痕; 左胸に目のタトゥー; 右肩に異常な自律行動性を示すタコのタトゥー。

要注意指定理由: 異常芸術集団“Are We Cool Yet?”の元メンバー; 多数の既知異常存在(SCP-5069を含む)の製作者。

既知の提携者: PoI-23325 (“ 批評家 ”クリティック)、PoI-3337-A (ルイーザ・ベロッキオ、別名“ 写真家 ”フォトグラファー - 故人)、PoI-27901 (ウィリアム・グリーン尊師)

異常能力: 熟練した異常芸術家、写真技術と映画撮影に特化; 低級奇跡術師の可能性あり。

対応規定: 監視のみ、低優先度。

住居所在地: ニューヨーク市、33番街、ブルーム・ストリート480番地; イタリア、ヴェネツィア、ヴィア・エンリコ・トッティ18番地。

経歴情報: イタリアのフリウリで誕生。両親のマリア及びガブリエーレ・カスタルドは反ファシストレジスタンスの闘士だった。父親はカスタルドが2歳の時に死亡。母親は戦後、亡夫の弟であるエンリコと再婚した。家族全員が1950年にヴェニスへ転居。義父は港湾労働者、母親はタイピストとして働いていた。

1962年、Accademia delle Belle Arte di Venezia (ヴェネツィア美術学院)に入学。その後間もなく、交際相手のルチア・マリネッティを介して、ヴェネツィアの異常芸術コミュニティに関与し始める。1964年、Medicea Accademia Dell'Arte Occulta (メディチ神秘芸術学会)のヴェネツィア校に入学を申請し、受理される。6ヶ月後、猥褻行為及び神聖冒涜で放校処分。

1967年にニューヨーク市へ転居。非異常なポルノ映画の監督と制作を開始する。同時期の最も特筆すべき作品、Le Barbare (蛮族の女たち)とRex Mundi (世界の王者)はどちらも批評家に絶賛されたが、商業的には殆ど成功を収めなかった。1968年、異常芸術集団“Are We Cool Yet?”に関与し、組織創設当時からの“ 監督 ”ディレクターだったPoI-23328 (“ダニエル・カルダーウッド”)がSCP-701の上演中に死亡した後、その称号を受け継ぐ(事案報告書701-1968/██/██参照)。1969年または1970年、PoI-3337-Aことルイーザ・ベロッキオ (別名“ 写真家 ”フォトグラファー)と恋愛関係になる。

1975年、AWCY?を脱退し、ベロッキオとの関係を絶つ。1975年10月、アルコールと処方鎮痛剤への中毒を理由として、実験的な薬物リハビリ施設に入院。1977年、最近SCP-5069に指定されたポルノ映画シリーズの制作を開始 — 1982年に同シリーズを終了する。1983年、恐らくはベロッキオの自殺を切欠に中毒が再発する。これ以降、芸術界では活動していないが、現在も“クリストファー・ドメラ”の筆名で非異常な官能小説を多数執筆している。

ジェニファー・シノムブレ博士 - 研究メモ、1986年5月7日

シノムブレ博士のオフィスコンピュータから回収されたテキストファイルのコピー。

JN シノムブレ 86/5/7

フランコのpoiファイルには何か欠けている。何故私たちは彼が奇跡術師だと確信している? 私に分かる限り、背景は彼がアナーティスト以上の存在であることを全く示していない。功績はある、魔法は無い。どこか他に補足資料があるかもしれない、探し続けてみよう。

メディチ学会は奇跡論を多少扱うとは言え、財団がそこから入手した成績証明書によると - イタリア支部は彼らと割合良好な関係を築いている - フランコはアナート以外に着手していない。まぁ、メディチ学会は“アナート”ではなく、イタリア風の貴族的なナントカと呼び表すようだが。そして彼は半年でそこを蹴り出されている、ローマ法王のヌード写真に関する何か? そこの件はかなり大幅に編集されていた。バチカンを関与させようと試みたのかもしれない。

-1が撮影された可能性がある場所を確認。地図全体に広がっていて、多分絞り込みは無理だ。正しい緯度に東向きの海岸が多すぎるし、何年に撮影されたかが分からない。次は太陽神を調べる必要あり。

-3の役者の1人を見つけたかもしれない。しかし全く辻褄が合わない。ヘンリー・モストリッチ中佐、アメリカ陸軍、引退。1963年以来、エリザベス・パヴォ・モストリッチ夫人と幸せな結婚生活を送っている。ベトナムで名誉戦傷賞と殊勲十字章を授与された。戦争の英雄、祖父、全うな市民。顔つきは一致しているようだ、しかし - 陸軍の医療記録によれば - 彼の身体にあの大量の傷跡は存在しない。メイクか? そもそもどうして彼はあんな映画に出演した?

-8についての更なる考え。かかとの切り傷はよく見ると2つの小さな傷だ、まるでヘビが咬んだように見える。洗浄は身体を下へと流れ、チャクラの流れを逆転する。クンダリニーのヘビの力? 開口部を開く = ドアを開く = チャクラを開く? フランコが東洋の神秘主義と接触していたか探る必要あり。

大当たり - フランコは-8の公開直後にアナート雑誌のインタビューを受けていた。アナート部門に連絡して1部送ってもらおう。

雑誌“アナートキー”のインタビュー、1982年4月

このインタビューは、バックドア・ソーホーを拠点とする異常芸術家アナーティスト集団が出版する異常芸術季刊誌 “アナートキー”の1982年春号に掲載されました。

“フランコ・スパンコ”の別名で広く知られる、フリウリ出身のフランチェスコ・カスタルドは'65年、聖ペトロ以降の全てのローマ法王のヌード写真集 “Papi senz' Abiti” (“裸の法王様”) でヴェネツィアに名を轟かせた。 “アナートキー” のダン・ラーソンは、ソーホーのスタジオでカスタルドと会い、彼の最新作であるポルノ映画シリーズ “栄光への八正道” の発想、形而上学、そして神秘的な特性について語り合った。

ダン・ラーソン: それで、いったい“八正道”の発想は何処から来たんだい? あれはなかなか深淵に思えるんだが?

フランチェスコ・カスタルド: いやぁ、アレだ、'75年の俺は酒とかクスリの問題を抱えててな、それで感覚喪失タンクがあるリハビリセンターに行った — 完全な感覚喪失だ、タンクの内側の印章シジルが全ての感覚をオフにする — そこに浮かんでる間、沈んだ気分を通り抜けて、俺の精神から何かが飛び出したんだよ。俺は幻視体験をした。高次領域が俺の前に広がって、あらゆる力と支配と放射があった。現実とか呼ばれてる壁を越えた先の、世界の真の構造を目の当たりにした。で、その知識の全てから、俺は魔法や宗教が反映してるのよりも遥かに強大な8つの儀式を導き出した。その儀式を演じさせて撮影したのが“八正道”って映画なんだよ。

ラーソン: ワオ。かなり重い話だったよ。しかし — 敢えて率直に言うけれども — 成人向け映画はオカルトの知識を伝える時の因習的な形式じゃない。どうして秘密を伝授するために魔導書を書いたりとか、教団を立ち上げたりはしないんだ?

カスタルド: 自分の得意な分野でやるのが一番だからさ。ダンテには“神曲”があり、ミケランジェロにはシスティーナ礼拝堂があり、俺はポルノを撮る。

ラーソン: 成程ね。明らかに沢山の重々しい象徴主義が盛り込まれているけれど、それぞれの映画は違うテーマを探求しているようだ — 読者のために少々ネタバレをお願いしても構わないかい?

カスタルド: 高次の世界には8種類の勢力が漲ってる。お前さんはそれらを要素とか、哲学とか、ひょっとしたら政治派閥だと考えるかもしれない。そういう見方は不正確じゃないんだが、かと言って真実でもないんだ。そして、それらの勢力の一つ一つには、実践者が精神の門を潜り抜けて栄光へ至るために辿れる道筋がある。映画の中の儀式は、正しい方向へ導くことができる。

ラーソン: じゃあ、例えば僕がボーイフレンドと一緒にボクシングリングで“骨まで深く”を再現したら、こう、僕らも悟りを開けるかな?

カスタルド: いやぁ、そこまで単純じゃねぇよ。幾つかのパワーが満たされなきゃならない。正しい知識を持ってなかったり、正しい時間や正しい場所や正しい道具で儀式を行わなかったら、ただの奇妙な変態セックスで終わるね。

ラーソン: そして、もし正しくやり遂げたら?

カスタルド: とても長い道のりの最初の一歩を踏み出すのさ。

残念ながら、フランコはこれ以上の質問には回答しなかった ― しかし、彼は有名な四次元ピンナップガール写真の再版を許可してくれたので、続く数ページにそれらを掲載している。楽しんでくれたまえ!

ジェニファー・シノムブレ博士 - 研究メモ、1986年5月7日-15日

シノムブレ博士のオフィスから回収された付箋や紙屑の転写。

フランコのリハビリセンターを見つける

卵、牛乳、トリ肉、鼻洗浄ポット、米、ポテチ、ポケットナイフ、タンポン、トイレットペーパー

ボヘミアの聖アグネス
“まずは自らを開かねばなりません”

ヘビについての考えは正しかった

フランコのリハビリセンターは感覚遮断治療をやってなかった — 本当は何処で真実を学んだ?

[紙ナプキンに紫色の口紅で記された、シノムブレ博士の筆跡ではないメモ。]

イーニッド 212-271-6[不明瞭]

[ナプキンの裏面には同じ色の唇紋が残されている。]

読書リスト:
ドヴァラナーガ・スートラ
ブラックウッド、ヒンドゥスターンの教団
ザカレウスの福音
シュタイナー、高次世界と宇宙の記憶
ソロモンの鍵

星図 - へびつかい座、土星、ニビル - 次回の直列

私はどの歴史の中にいる?

フランコと話す必要

インタビューログ、1986年5月16日

シノムブレ博士はPoI-33906の著作権代理人であるサラ・ワイズを介し、ポルノ映画関連の本を執筆している大学教員を装ってPoI-33906に接触しました。PoI-33906はニューヨーク市にある代理人のオフィスで会い、短時間のインタビューを受けることを了承しました。インタビュー内容はシノムブレ博士のオフィスで回収されたカセットテープからの転写です。

対象: PoI-33906、フランチェスコ・カスタルド

質問者: ジェニファー・シノムブレ博士

シノムブレ博士 (JNS): 急なお話に応じていただき感謝します、カスタルドさん。

PoI-33906 (FC): 気にすんなって。ファンのためなら何でもするさ。

JNS: では、まず“栄光への八正道”の話からお訊きしたいと思います。

FC: ああ! 俺の最高傑作だ。白状するけど、あのフレーズを思うといつも俺は面白くなっちまう。みんな随分と真面目な風にタイトルを読み上げるが、しかし…

JNS: “ 八重 ”Eightfoldと聞くとコンドームのサイズを連想してしまう?

FC: ハ! あんたと俺が考える事は一緒らしい。で、“八正道”の何が知りたいのかな?

JNS: ええ、あなたがあの中で使った象徴主義の幾つかについてお訊きしたかったんです。その、具体的には“皮膚の裏にて脈を打つ”です。あ、“下にて”ですね、失礼しました。あれは全部、アッティスとキュベレーの教団を基にしているんじゃありませんか?

FC: そう! その通りなんだ。大抵の連中は歴史的な参照を見落とすんだけどさ。

JNS: では、もし男性が、えー、“勝って”いたら何が起きたでしょうね? つまりその、神話においてアッティスの有名な物語は1つだけですし…

FC: うーん。ありゃ全部舞台上の出来事だぜ? 本物の儀式かって言われたら、何だ、“La Cena6とマジもんのディナーパーティの間ぐらい違いがある。だけど…

JNS: だけど?

FC: だけど、もし“脈を打つ”から何かしら教訓を学んだ奴がいるとして、その教訓から考案した儀式を実行した時、お前さんが言ったように男がコンテストで勝っちまったら、そいつは次のステップを踏む前にどデカい犠牲を払わなきゃならんだろうよ。

JNS: これまでにそういう事をやった人がいるか分かりますか? あなたが映画に隠したという儀式を実行した人の話です。

FC: 俺が知る限り、“脈を打つ”ではいない。“サン・キスト・ラヴァーズ”か、さもなきゃ… ふん。あんたの足首。

JNS: はい?

FC: あんたの足首。包帯を巻いてるな?

JNS: えー、はい。ムダ毛処理の最中に切ってしまいまして。昨夜です。

FC: ふーん。まぁそうだろうな。俺が傷を興味深いと思う理由が分かるか?

JNS: え… いえ、ちょっと分かりません。

FC: イタリアにこんな諺がある。古い、ローマ時代よりも古い諺さ。詩人ホラティウスがフチーノ湿地の魔女について書いた時が最初の記録だ。“全ての扉が傷にはあらず、しかし全ての傷は扉なり”。

JNS: まだよく飲み込めません。どういう意味なんでしょう?

FC: あー、これはな… 入口に関する話なんだ。傷は俺たちの内側を外側に向かって開放する。そしてバイ菌とか汚れとか色んなもんがそこを通り抜ける、だが…

JNS: 私たちもまたそこを通り抜けることができる。

FC: 正にそうだ。切り傷ができた時、あんたはそれを通り抜けたか? ムダ毛の処理中にな、勿論。

JNS: は… はい。

FC: もっと先に進みたいと思ったか?

JNS: はっきりと。

FC: じゃ、あのレコーダーを止めて、真面目な話をさせてくれや。

ジェニファー・シノムブレ博士 - 研究メモ、1986年5月19日

シノムブレ博士の自宅から回収。

あれは奇跡論じゃない。あれは違う歴史上でそう在り得た奇跡論の形だ。もし私が正しいドアを開ければ、奇跡論はそう在るべきであり、そう在れるのだ。

夢の中で、私は最初のドアを通ってそこに居た。今夜、私は肉体と精神の両方で2番目のドアを通り抜ける。私に続こうとはするな。自分の道を見つけ出せ、もしかしたら高次領域の何処かで再会できるかもしれない。

財団へ: 私たちは失敗した。成功するチャンスは初めから無かった。私たちが小さな箱に収めた全ては、石像も神々も、お喋り鳥もタイムループ自殺も、全ては宇宙を形作る真の勢力が投げ掛ける淡い影でしかない。ハエが嵐を収容できないように、私たちには支配力を収容できない。

私の後継者へ (デイヴィッド? エレイン?): あなたにもできる。もし財団が映画の視聴を許してくれるなら、全てはそこに揃っている。私からこれ以上の導きは与えられないけれど、あなたが上手くやることを願っている。

そしてテッドとケイティへ7: さようならは8年前に済ませた。もうお前らを恋しく思うこともない。二度と過ちを繰り返さないことを、その機会さえも与えられないことを望む。

ジェニファー・N・シノムブレ、1986年5月19日

シノムブレ博士の行方は現在不明です。彼女は1986年5月20日に出勤せず、電話連絡を取ることができませんでした。サイト外にある彼女の住居が数日後に捜索されましたが、ポケットナイフで地下室の壁に留められた上記のメモと、その下に広がる大きなキングコブラ(Ophiophagus hannah)の毒液溜まりを除いて、家の中は完全に空でした。

失踪以降、シノムブレ博士は財団や同盟組織の職員から目撃されていません。

page revision: 4, last edited: 08 Feb 2020 11:02
Unless otherwise stated, the content of this page is licensed under Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License

Privacy Policy of website