nn5n Foundation
Branch of SCP Foundation
nn5n: scp-4056 核家族ユニット
EuclidSCP-4056 核家族ユニットRate: 14
SCP-4056
gearsstorage.jpg

SCP-4056。

アイテム番号: SCP-4056

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 財団職員はSCP-4056の外部に駐留し、異常を発見した全ての民間人に記憶処理を施します。SCP-4056内のヒト型実体群のうち、選択された一部の個体はサイト-17に移送、収容されています(詳細は補遺4056.2を参照)。

説明: SCP-4056はアラスカ州北部に位置する施設です。SCP-4056は極低温保存チャンバーに収められた約550体のヒト型実体を収容しています。ヒト型実体群はそれぞれ容姿に若干の差異がありますが、遺伝子解析の結果、DNAがチャールズ・オグデン・ギアーズ管理官のそれと同一であることが確認されています。

各ヒト型実体が収容されている保存チャンバーは低気温を利用し、熱の欠如をエネルギー源に変換して動力を得ているようです。このために使用される技術は十分に理解されておらず、本質的に異常であると想定されます。また、各チャンバーには、幾つかの決定的な違いを除けばプロメテウス研究所のものに類似したロゴが付いています。財団とプロメテウス研究所の連絡役は、同社がこのような極低温保存室も、それらの装置のように低温からエネルギーを引き出すことが可能な技術も開発してはいないと確認しました。

SCP-4056には家具付きの部屋が1ヶ所あり、ベッド、着替え用の服、リンゴ1個とイチゴジャムの瓶1個が収められた冷蔵庫、照明器具と写真を載せたナイトテーブルが備えられています。写真の被写体は、34歳時点のチャールズ・オグデン・ギアーズ管理官に似た男性1と、彼の妻に似た女性です。

発見: 事案4056-0.01: 2049年4月5日、PoI-4056が未知の手段でサイト-17に侵入しました。対象が財団保安システムによって最初に検出されたのは21:02、チャールズ・ギアーズ博士のオフィスの外に現れた時です。以下の交流がギアーズ博士とPoI-4056の間で記録されました。

<記録開始>

[PoI-4056がギアーズ博士のオフィスのドアを開ける。ギアーズ博士とクレフ博士が振り返り、彼女は立ち止まる。]

PoI-4056: あ、あれ?

クレフ博士: あぁ、入りたまえ! 別に会議じゃない、年寄りが2人で駄弁ってるだけだ。

ギアーズ博士: 清掃業務は6時で終了しています、そして私にはあなたの服にバッジを見つけられません。この人物はサイトスタッフではありません。

[ギアーズ博士は静音警報のスイッチを入れて椅子から立ち上がる。クレフ博士は承認済の携帯武器を取り出して立つ。]

クレフ博士: さて、さて、さて。君は何者かな?

PoI-4056: どうしてまだ起きてるの?

[クレフ博士が武器をPoI-4056に向ける。PoI-4056は自身のポケットを探った後、腰に両手を当てる。]

PoI-4056: やんなっちゃう。3回もチェックしたのに。

ギアーズ博士: 今まで会ったことは無いはずですが、不思議とあなたの顔には見覚えがあります。

PoI-4056: まぁいいわ、大した事じゃない。一緒に来て。あなたをここから連れ出す。

ギアーズ博士: 私にはこのオフィスを離れるつもりはありません。

PoI-4056: もっと愛想良く頼んでも良かったけど、効果があったためし無いし… でもお願い。ねぇお願い助けると思って?

[PoI-4056がギアーズ博士とクレフ博士の方に1歩踏み出す。1本のロープが彼女の手中に出現する。]

クレフ博士: おい。 [口笛でPoI-4056の注意を引き、武器を構え直す。] もし私が君の立場なら、それ以上先には踏み込まないぞ。

PoI-4056: アルト、頼むから今回は見逃して。

クレフ博士: 名乗ってない。

[クレフ博士が1発の追跡弾を発射し、PoI-4056の左腕に命中させる。PoI-4056は立ち止まって傷を掴み、緑の閃光と共に消失する。]

クレフ博士: 君が傷心の女の子を置き去りにするタイプだとは思わなかった、チャーリー。さては元カノか? ん?

ギアーズ博士: 私の反感を買おうとするのはやめてください、アルト。我々には提出すべき事案報告書があります。

クレフ博士: 我々だと? 冗談は止せ。書類仕事は君がやればいい。私には狩るべき獲物がいる。

ギアーズ博士: 私は… あなたに同行したいと考えています。

[クレフ博士が笑う。]

クレフ博士: この野郎、チャーリー。まさか君にそこまでの度胸があったとはね。では行こうじゃないか。ショットガンと自動小銃のどっちがお好みかな?

ギアーズ博士: 残念ながら、どちらでもありません。

<記録終了>

PoI-4056は財団の要注意人物名簿に追加されました。対象は混血の女性であり、奇跡論を行使する能力を持ちます。加えて、PoI-4056は財団とその一部職員に関わる詳細な知識を保有しているようです。PoI-4056はSCP-4056まで追跡されました。

補遺4056.2: PoI-4056に埋め込まれた追跡装置によってSCP-4056が発見された後、ギアーズ博士率いる財団職員らは、PoI-4056の存在がSCP-4056内に検出されなくなるのを待って施設に入場しました。以下はギアーズ博士によって検査され、更なる調査が必要であると判断されたヒト型実体群のリストです。

指定 注記 ステータス
AVN-98822 対象の脳は青色の生物発光を放出し、やや肥大しています。 サイト-34研究施設に割当。
AVN-36241 対象は理解できない鳥のような鳴き声で発話します。頭髪に羽毛のような質感があります。 SCP-4056で保存中。
AVN-223647 身体が不定形の塊です。極低温ポッドが不活性化した際、対象は圧倒的な苦痛を表明しました。 SCP-4056で保存中。
AVN-64573 対象は遺伝的にギアーズ博士と同一ですが、人格特性を共有しません。特筆すべき事に、対象は右手の薬指にスターバースト・カットのルビーの指輪を嵌めています。 SCP-4056で保存中。
AVN-95412 対象は肉体を持たず、脳だけの姿で、破壊不可能と推定される水槽に入った未知の液体の中に浮かんでいます。挙動や話し方は基準となるベースライン現実世界のギアーズ博士と同一です。 サイト-17で保管中。
AVN-1221 対象は肉体的にギアーズ博士に似ていますが、動き方が堅苦しく、しばしば前後との脈絡が無い話し方をします。精密検査の結果は、対象が自律性ロボットであり、恐らく欠陥品のAI(対象の奇妙な発話パターンの原因と推測される)を搭載していることを示唆しています。 サイト-17で保管中。
AVN-966315 異常性無し。対象はベースラインのギアーズ博士に最も近い存在と見做されています。 サイト-17で拘留中。

補遺SCP-4056.3: AVN-966315はベースラインのギアーズ博士に近いSCP-4056個体の1体らしいと判断され、極低温凍結状態から覚醒されました。以下のインタビューは、SCP-4056の目的について理解を得るため、ギアーズ博士とAVN-966315の間で行われました。

<転写開始>

ギアーズ: こんにちは。

AVN-966315: こんにちは、ギアーズ博士。

ギアーズ: あなたは自分が何処から回収されたかを知っていますか?

AVN-966315: いいえ。私が知っているのは、何処から私が拉致されたにせよ、それが私自身のためを思っての行為だったということだけです。彼女は、表現をそのまま引用するなら、“全部片付いたら”私を起こすと言いました。

ギアーズ: 何故、あなたはそう思うのですか?

AVN-966315: 鎮静剤が効果を発揮する前に、あなたの娘にそう言われたからです。

ギアーズ: あなたの言葉を訂正しなければいけませんが、私はあなたを拉致した人物が私の娘ではないと保証できます。

AVN-966315: ここはあなたが属する世界ではないのですか?

ギアーズ: 彼女はこの世界から来たのではありません。我々はまだ、彼女が何処からやって来たかを把握していません。

AVN-966315: いずれにせよ、彼女は依然としてアリソンです。

ギアーズ: 彼女はPoI-4056に指定されていて、現在も財団が調査中であり、財団職員に対して積極的に危害を加えようとしていると考えられています。彼女は私の娘ではなく、また恐らくはあなたの娘でもない。

AVN-966315: あなたや私の娘ではないでしょうが、我々に似た誰かの娘ではあるはずです。そして私は、自分が我が子アリソンを両親に正直であれと育てたことを知っています。

[ギアーズ博士がメモを取る間の10秒の沈黙。]

ギアーズ: あなたは今までに、我々の自己同一性を共有する他の人物と交流しましたか?

AVN-966315: 交流していません。

ギアーズ: アリ… PoI-4056だけですね。

AVN-966315: はい。

ギアーズ: そして、あなたは彼女を信じた?

AVN-966315: 私の娘ならば、私に対して嘘を吐かなかったでしょう。あなたの娘は?

[5秒の沈黙。]

ギアーズ: 嘘を吐かなかったでしょう。

AVN-966315: それなら、我々の意見は一致します。

ギアーズ: これで今回のインタビューは終了とします。

<転写終了>

補遺4056.4: AVN-966315とのインタビューに続き、ギアーズ博士はオペレーション・アイスボックスを承認しました。PoI-4056を待ち伏せて捕獲するため、クレフ博士とギアーズ博士が率いる機動部隊アルファ-99 “冷蔵庫漁り”がSCP-4056に駐留しました。2049年9月8日、PoI-4056が現れ、オペレーション・アイスボックスは実行されました。

<記録開始>

[PoI-4056がポータルを通過し、SCP-4056内にいるMTF アルファ-99隊員 エコー12およびデルタ5の正面に出現する。]

エコー12: おい、奴だ!

デルタ5: 手ェ上げろ、嬢ちゃん!

エコー12: アルファ、こちらエコー12! ターゲットを発見! 我々の信号を追跡せよ!

[PoI-4056は右手の人差し指と中指を両隊員に向け、青いエネルギー飛翔体を発射する。両隊員は凍り付いたように硬直して倒れる。]

PoI-4056: げ。あんまり強めに当ててなきゃいいけど。

[PoI-4056は隊員の身体を検査している。廊下の奥でドアが開く。ギアーズ博士が平時の歩調で接近してくる。]

PoI-4056: な、何で!? 今まで現場に出たことなんか無いじゃない! ここで何してるの?

ギアーズ博士: 施設内にいる我々の部隊に警告しました。彼らは程なく到着するでしょう。速やかな降伏をお勧めします。

PoI-4056: あっそう。ここに来てくれたおかげで却って手間が省けた。訳を話す時間はあまり無いけど、もし私を信じてくれるなら後でちゃんと説-

ギアーズ博士: 残念ですが、大人しく付いていくつもりはありません。

PoI-4056: そういう答えは想定内。あなたは武器を持ってないし、徒手格闘では腕力があって素早い私が有利よ。同じ事は前に何回もやったし、あなたは一度も私に勝てなかった。

ギアーズ博士: 私は一度もこんな行動を取っていません。

PoI-4056: 他のあなたは取った。

[PoI-4056がギアーズ博士に向かって手をかざす。ギアーズ博士はテーザー銃を抜く。]

ギアーズ博士: しかし私は彼らではない。

PoI-4056: 撃てるはずないでしょ… あなたの娘よ?

[ギアーズ博士がPoI-4056に狙いを付ける。]

ギアーズ博士: 私の娘? あなたはアリソンではない、それは確信しています。

PoI-4056: 彼女そのものではないかもしれないけど、それでもアリソンよ。どうか話を聞いて。

[ギアーズ博士は躊躇い、テーザー銃を下ろす。]

PoI-4056: 一生の頼みだから。後になったら何もかも説明するから、今は私と一緒に…

[MTF アルファ-99の他隊員が接近する音が聞こえる。]

PoI-4056: …お願い。私はただ—

[MTF アルファ-99の隊員6名が北側アクセスポイントから廊下に入る。ギアーズ博士は再びテーザー銃を上げ、照準をPoI-4056に合わせる。]

PoI-4056: …パパ?

[ギアーズ博士が発砲し、即座にテーザー銃を落とす。PoI-4056はよろめきながら逃走を試み、転倒する。MTF アルファ-99がPoI-4056を鎮圧、拘束する。]

ギアーズ博士: クソ… クソッ!

<記録終了>

PoI-4056の拘留後、ギアーズ博士は彼女との対話に関するコメントを拒否しました。財団の記録は、ギアーズ博士の娘であるアリソン・チャオが2019年12月、乗用車の衝突事故で母親2と共に死亡したことを示します。

補遺4056.05: PoI-4056の捕縛に続き、彼女の行動について洞察を得るためのインタビューが、ギアーズ博士によって実施されました。十分に安全と見做される収容室がサイト-34に構築されるまでの間、PoI-4056は一時的にサイト-17で収容されています。

<記録開始>

ギアーズ博士: こんにちは。

PoI-4056: やぁ… パパ。

ギアーズ博士: 何故、私をそう呼ぶのですか?

PoI-4056: えっとね、色々違う多元宇宙の何処を見ても、あなたは大して変化してない。つまりその、私の世界のあなたはもう少し髪の毛がふさふさしてたけど、それが一番大きな違いだった。何となく全員が同一人物みたいに感じちゃうの。

ギアーズ博士: 私に家族として言及するのは控えて頂ければ幸いです。

PoI-4056: 分かった。多分質問があるんでしょ?

ギアーズ博士: 何故、あなたは私を捕らえようとしたのですか?

PoI-4056: あなたを救うため。

ギアーズ博士: 私を何から救うと?

PoI-4056: そんなの知らない! この世界にはクソみたいな惨事が山積みでいちいち言ってたら切りがない。ロボトミー手術されて、悪夢を見ながら永遠の時を過ごすとか? 多分それ以外にも。

ギアーズ博士: しかし、あなたは既知の脅威から私を救ってはいませんでした。

PoI-4056: それは… その- 違うもの。既知なんてものはこの世にあり得ないわ。

ギアーズ博士: では、この話から察するに、我々が北で発見した施設はあなたが救出した別世界の私を集める場所だったのですね?

PoI-4056: うん。ま、私一人で集めてはいないけどね。助けてもらった。

ギアーズ博士: 別世界のあなたたちから?

PoI-4056: そう。

ギアーズ博士: 何故、あなたは各世界の私を救おうとするのですか?

PoI-4056: そ- それはどういう質問?

ギアーズ博士: 私、もしくは私に相当する別世界の人物たちを生かし続けることで、どのような既得権があなたにあるのか、私には理解しかねます。あなたが言う通りに彼らが私と似通っているならば、ほぼ確実にあなたとは疎遠であったはずです。

PoI-4056: それは… 違わないけど… だって- それだけで済む話じゃないもの!

ギアーズ博士: 詳しく説明して頂けますか?

PoI-4056: 私はあなたに死んでほしくない! それか… もっと酷い目に遭ってほしくない! 私は別世界のあなたを、自分の頭の中に閉じ込められて他の人たちとやり取りできなくなる運命から救った。ミュータントの世界で奴隷にされる運命から救った。バカデカい鳥の胃の中で永遠に消化される運命から救った! ただ永遠に続く苦しみ。今のあなたの身にもそれが起こるかもしれないのよ。私は自分の父親がゴミ袋に捻じ込まれた脳みそとして生かされる世界なんか欲しくない。

ギアーズ博士: しかし、私はあなたの父親ではありません。

PoI-4056: それでも… あなたはまだ彼だもの。あなたにもあなただけのアリソンがいるでしょう。彼女が苦しむあなたを見たくないのと同じくらい、私もあなたが苦しむ様子を見たくない。

ギアーズ博士: [メモを取り続けながら] 実は、私の娘はオメガ-Kが発生する以前に、自動車事故で母親と共に死んでいます。

PoI-4056: ああ… そっか。だからこの世界は私たちの呼びかけに答えなかったのね…

PoI-4056が自分の膝を見つめている間に、ギアーズ博士はメモを取り終える。

ギアーズ博士: これで今日訊くべき事項は全てだと思います。

PoI-4056: それで、私をここに監禁し続けるつもりなんでしょ?

ギアーズ博士: それが我々の為すべき職務です。

PoI-4056: 自分の娘を。

ギアーズ博士: あなたはベースラインの出身ではありませんし、厳密に言えば、私の娘ではありません。

PoI-4056: ハッ、まぁね。多分そうでしょう。あなたに他の答えを期待した私がバカだったわ。

ギアーズ博士: 全くです。そして、ヒト型異常存在への標準的な財団プロトコルの一環として、我々はあなたのために定期健康診査を伴う社会交流プログラムを構築する必要性があります。

[PoI-4056が頷く。]

ギアーズ博士: これは即ち、本プロジェクトの主任である私が毎週のインタビューを担当するという意味です。

PoI-4056: 戻ってきてくれるの?

ギアーズ博士: 7日以内にまたお会いしましょう、アリソン。

<記録終了>

ページリビジョン: 3, 最終更新日時: 11 Jul 2019 15:32
Unless otherwise stated, the content of this page is licensed under Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License

Privacy Policy of website